苗選びQ&A
Q 苗はいつ手にいれるのがよいのですか?
A 植えつけの直前に,植えつけ適期の苗を入手するのが一番です。若い苗を入手し,植えつけに適した大きさまで育てるという方法も考えられますが,自宅での管理は,苗業者の管理にとうていかないません。ただし,回転のよいお店で,入荷したばかりの苗を入手することが前提です。店頭に置かれているうちに,状態が悪くなることもあるので,よくチェックして入手しましょう。
Q 植えつけ適期になる前に,苗を入手した場合は?
A 最近は,植えつけには,まだまだ早い時期から,苗が店頭に並ぶことがあります。欲しい品種を確実に入手するため,売り切れる前にと早い時期に買わざるをえない場合もあるでしょう。植えつけには早いからと,そのままの状態で置いておくと,ポットの中で根が回って根の活力が衰えたり,肥料がきれたりします。ひと回り大きなポットに鉢上げしてもよいのですが,めんどうなら,肥料切れを防ぐために,1週間に1回程度,液体肥料を施すだけでも十分です。鉢上げする場合は,元のポットの直径が9㌢なら,10.5~12㌢のポットに根鉢を崩さないようにそっと移し,隙間に畑の土や野菜用の培養土を足します。
いずれの場合も,植えつけ適期になるまで,日当たりのよい,霜や冷たい風が当たらない軒下や保温材で覆ったトンネル内で育苗・管理しましょう。
Q 接ぎ木苗を選ぶときの注意点は?
A まず,台木と穂木を接いだ部分(接ぎ口)が土の外に出ていることを確認します。接ぎ口の形状は,接ぎ方によりそれぞれですが,しっかりついていることが大切です。この部分がずれていたり,ぐらついたりするものはよくありません。さらに,穂木から根が出ているものや,台木から芽が伸びているものも購入は避けましょう。キュウリやスイカなどでは,台木と穂木の両方の子葉をつけて接ぐことがあります。この場合は,2組み(4枚)の子葉が残っている苗ほど,肥料不足にならず,適切な管理がされてきた接ぎ木苗と考えられます。
出典:『やさい畑』2018年春準備号別冊付録「苗の目利き図鑑」
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お勧めの種・苗の日常管理 ─種播きによい日・水やり・風通しは─
種の入った袋の裏側には,種の特性・発芽適温・栽培例を記載してありますよね。播く時期についても,冷涼地・中間地・そして私たちの住む鹿児島県は“暖地”として,栽培例にまく時期も例示されていますが,さてじかに畑に種を播くのに適した天候は。
もっともよい種播きのお天気は,雨があがった翌日以降の2~3日目。種を播く予定の畝の土を手でぎゅっと握っても,少し崩れる程度の頃。このような状態の土に種を播きますと,発芽もその後の生育もよく,立ち枯れ病など苗の病害も発生しません。
また,もっともよい苗の定植日としては,太陽の照るつける日中よりも,曇天日の朝方か夕方に。野菜の原産地がどこかを把握したうえで,その野菜の故郷の天気に合わせて種播きも苗の移植も行うことが,愛する野菜を病害虫から守り,健康に育てる一歩。
さて,続いての悩みは,何時水やりを行えばよいのかという事に。先輩から「昔から水やり3年という言葉があるが,水をやりさえすれば枯れないというのは大きな間違い。やり過ぎれば根が腐ってしまうぞ!」と水やりの難しさについて教わりました。
野菜は,日の出とともに土の中から水分と養分を吸収して生長活動を。葉先まで水分が到達するには,約4時間も必要するといわれています。この事から,午前6時に潅水すると10時に葉先に。午前10時に潅水すると午後2時となるということに。午後2時は太陽は頭の上を通り過ぎており,葉を介して十分な光合成の時間は取れないということになります。
特に,日照時間が長くなる夏場は,日の出とともに水やりに努める事が,野菜の生理に合った水のやり方ということになります。夏場は,水が地温を下げ,暑さから野菜を守ります。しかし,逆に日中に水をやると,焼け石に水で,湿度を高め,病害虫発生の誘引の手助けとなり,好意として=野菜も暑いだろうとしての日中の水やりがあだに。『灌水(かんすい)の時間帯は!?』を一読。
苗の活着がベストな定植に,夏野菜苗の定植法としては,ポットに入っている苗をポットごと水に十分浸し,晴天の早朝に定植し,植付け後3~4日は水やりを控え,野菜苗が自然環境に順応し,自ら土深く根を伸ばそうとする努力を見守る親心が必要。なお,曇天の夕方に定植すると,活着は早くなるものの,根が水を求めなくなり根を深く伸ばさなくなるとも。逆に冬野菜苗の定植法は,低温を好むので曇天の夕方に定植をと。
病害虫の発生を極力少なくするための管理ポイントとして,密植しないで風通しをよくするには,こまめに間引きを行うことです。密植状態では,伸びた葉も重なり湿度も高くなり病害虫発生のもとに。間引きを繰り返し,極力風通しのよい畝に努めるようにしましょう。
参考文献:木嶋利男著『農薬に頼らない家庭菜園』(家の光協会),木嶋利男著『伝承農法を活かす マンガでわかる家庭菜園の裏わざ』(家の光協会),『農家が教える野菜の発芽・育苗 コツと裏ワザ』(農文協),『苗で始める失敗しない野菜づくり』(学研パブリッシング)
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相性の良い作物─混植・間作のすすめ─
有機栽培の基本は,自然の摂理にあった共存・共栄の混植こそ先人の知恵であるとお書物に。これについて数冊の本を図書館から借りて学習する中,欧米で虫よけ・病気よけの『忌避植物』or『共栄作物』=コンパニオン・プランツと呼んでいるという目新しい単語を。この術は,農薬や化学肥料に頼らないで,健全でおいしい野菜作りに欠かせない栽培テクニックで,特に限られた面積の圃場での家庭菜園では,①害虫防除 ②病気予防 ③生長促進 ④空間の有効活用 効果で野菜作りに大いに役立ってくれます。
右写真の「やさい畑」2014年秋号 別冊付録「野菜がよく育つ植え合わせ術」から,13種野菜の組み合わせを学習させていただきました。
ネギ・ニラを代表する混植(トマトの株を囲むようにニラを数株植え付けることで,ニラ根周囲に寄生する微生物の働きで,トマトの根腐委凋病が発生しにくくなる。ニラ・ニンニクには,数々の病気の発生を抑制する働きがあり,特に立枯病に冒されやすいスイカやメロンなどのウリ科作物の周囲に混植すると被害の軽減に役立つ。)は有名ですが,植物がお互い助け合う相性のよい作物作りとのことで組合せとしては,
1 虫に好まれるものをワナ(おとり)として植え,害虫を引き寄せ,主要作物を守る。
2 花が早く咲き益虫を呼ぶ花/花の咲きが遅いもの。又は花をつけないもの。
3 生長が早いもの/遅いもの。
4 虫が好むもの/嫌うもの。
5 養分を多量に必要とするもの/少量でよいもの。又は窒素を固定する能力を持つもの。
6 根を深く張るもの/浅く張るもの。
7 日照を好むもの/日陰を好むもの。
と,反対の性格を補い合うやり方が。
なお,読む本の中には,コンパニオン・プランツの効果に関し,化学的には未解決な部分もあって「効果があるともないとも申し上げられません」と明言しておられる先生もおられますが,しかしその先生も本の中では「一部実証はされているが,絶対的効果を期待するのは困難。しかし,経験的に効果があるものも多いので,無農薬・減農薬栽培を目指すなら,取り組んでみるのもいい」と記しておられます。ですから私たちの狭い家庭菜園では,かなりの害を減らすことが期待できそうですので,前記1~7の組合せを上手に利用し,混植・間作(周作)をあなたの圃場でも試みてみませんか。
また,コンパニオン・プランツの効果があがるまで,時間を要するそうですが,上手に利用することにより農薬散布の手間が省けたり,散布回数の軽減につながるそうです。但し,人間様同様に相性の合わない組合せもありますので注意が必要です。
※次に,表で「相性の良い作物-知ってれば倍得する」と,「相性の悪い作物(あと地・混植注意)-知ってないと損する」を示します。
野菜の名称 |
相性の良い作物 |
相 性 効 果 |
野菜の名称 |
相性の良い作物 |
相 性 効 果 |
アスパラガス |
各種野菜 |
防虫及びセンチュウの予防効果 |
パセリ |
トマト・トウモロコシ |
どちらも生育が良くなる |
インゲン |
トウモロコシ・ジャガイモ |
虫がつかなくなる |
春キャベツ |
ソラマメ |
アブラムシ防除及び生育促進 |
カリフラワー |
ブロッコリー |
キンカク病がなくなる |
ピーマン |
つるなしインゲン |
生育促進及び害虫防止 |
キュウリ |
長ネギ |
土壌病害防止及び生育促進 |
ブロッコリー |
サルビア |
害虫防除 |
ゴボウ |
ホウレンソウ |
どちらも生育が良くなる |
レタス |
害虫防除(ヨトウムシ) |
ショウガ・ミツバ |
キュウリ(根元に植える) |
半日陰でも育ちが良い |
ホウレンソウ |
葉ネギ |
害虫防除・萎ちょう病防止及び品質向上 |
スイカ |
トウモロコシ |
害虫及び乾燥防止 |
マリーゴールド |
ナス・ウリ・菜っぱ |
センチュウに効果,強い匂いは虫除けにも |
セロリ |
トマト・ハクサイ・キャベツ |
独特な匂いでモンシロチョウがこない |
夏蒔きダイコン |
害虫防除(センチュウを防ぐ) |
チンゲンサイ |
シュンギク |
害虫防止及び雑草抑制 |
ピーマン |
果実のグリーンが鮮やかになる |
トマト |
ニラ |
土壌病害防止及び生育促進 |
ムギ類 |
ウリ類・ナス類・サツマイモ |
ほとんどの野菜と相性が良い |
ラッカセイ |
抵抗性増加・生育促進及び雑草抑制 |
ラッカセイ |
キュウリ・サツマイモ |
センチュウ退治 |
トマト・トウガラシ |
キャベツ・ハクサイ |
モンシロチョウの予防 |
レタス |
アブラナ科野菜類 |
害虫防除及び雑草抑制 |
ナス |
ニラ |
土壌病害防止 |
キャベツ |
モンシロチョウ及びコナガムシを防ぎ雑草の抑制も |
パセリ |
害虫防止及び遮光効果で乾燥防止と品質向上 |
ニンジン |
どちらも生育が良い |
ネギ・ニラ・ニンニク類 |
各種野菜~花まで |
連作障害・土壌生涯及び防虫効果 |
ハクサイ |
害虫防除 |
ニンジン |
エダマメ |
害虫防止・生育促進及び糖度が上がる |
ラッカセイ |
窒素を固定し生育促進 |
廿日ダイコン |
ウリ類(根元に植えると) |
ダイコンの匂いでウリハムシが来なくなる |
|
イチゴとニラ |
栄養が競合し生育阻害 |
トマト・キュウリのあと地のニンジン |
ネコブセンチュウがつきやすい |
エンドウのあと地 |
ホウレンソウは病気になりやすい |
ダイコンと長ネギ |
根が曲がり生育阻害 |
キャベツとイチゴ |
生育阻害 |
ナスとトウモロコシ |
生育阻害 |
キャベツ・ホウレンソウのあと地のジャガイモ |
ソウカ病が発生しやすくなる |
ナス・オクラのあと地のゴボウ |
枝根が多くなりがち |
キュウリとインゲンマメ |
センチュウが多くなる |
ニンジンとインゲンマメ |
センチュウが多くなる |
サヤエンドウのあと地のホウレンソウ |
立ち枯れ病が発生しやすくなる |
ニンニク・タマネギとマメ類 |
生育阻害 |
ジャガイモのあと地 |
エンドウは生育不良に |
ネギ類 |
マメ類の生育を阻害 |
ジャガイモとピーマン |
生育阻害 |
ハクサイ・セロリのあと地のサツマイモ・メロン・スイカ |
前作の肥料の残りでつるぼけに |
ジャガイモの近くのトマト |
えき病にかかりやすくなる |
ホウレンソウのあと地 |
キュウリは生育不良に,トマトは暴れる |
ショウガ |
ジャガイモは生育不良に |
メロンとインゲンマメ |
センチュウが多くなる |
スイカとインゲンマメ |
センチュウガ多くなる |
レタスとニラ |
生育阻害 |
トマトとキャベツ |
生育阻害 |
|
◆コンパニオンプランツ学習得々情報
1月12日(水)立ち寄った本屋さんで,家の光協会から隔月刊で発刊されている『やさい畑』2011春準備号に「試してみよう! よく育ち,病害虫に強くなるコンパニオンプランツ」という特集記事が目に入り,早速購入して読んでみました。24頁にわたる同書の特集は,木嶋利男先生の監修で,
- コンパニオンプランツってなあに?
植物同士にも相性の良しあしが。異なる種類の植物がそばにいてもお互いの邪魔をしない。それどころか,双方あるいはどちらか一方がよく育ち,その結果,野菜の収穫量が増える。そんな関係にある植物のことをコンパニオンプランツと呼んでいます。
- コンパニオンプランツにはどんな効果があるの?
①錯乱作戦やおとり作戦で害虫を寄せ付けない「害虫防除」 ②土壌を豊かにし,悪い菌を増やさない「病気予防」 ③野菜を育てながら,土壌を豊かにする>「生長促進」 ④野菜同士にも,ときには犬猿の仲がある「相性の悪い組み合わせ」
- 害虫防除に利用する
野菜につく害虫は悩ましですが,慌てて農薬に頼らなくても,野菜の力や周囲の環境づくりで,害虫はかなり減らせます。効果的な害虫撃退法を紹介。
病気予防に利用する
例えばネギの仲間は根に,ある種の抗生物質を分泌する菌が住み着きます。この性質を利用して混植すれば,土の中の病原菌による被害を減らすことができます。
生育促進に利用する
昔からの伝承で,一緒に植えるとよく育つとされる野菜の組み合わせがあります。科学的には未解明なものも多いのですが,経験的に生育が促進され,収穫も増加するのは間違いない,そんな例を紹介。
相性の悪い組み合わせ
相性の良い野菜があれば,悪い野菜もあります。近くで育てると病害虫にやられやすくなったり,生育が悪くなったり,良い悪いは紙一重です。意外な野菜の組み合わせがあるので注意しましょう。
読者のコンパニオンプランツ畑
コンパニオンプランツの疑問・質問Q&A
複数の植物をいっしょに植えると,よく育つコンパニオンプランツ。連作障害対策や病害虫対策として利用する人が増えています。約30名の読者が実際に試したコンパニオンプランツの体験記を専門家のコメントとともに紹介。
コンパニオンプランツ早見表
野菜ごとの,相性のよい野菜の組み合わせ利用法として,54種の野菜ごとの混植(同じ畝に一緒に植える)・間作(畝の間に別の野菜を植える)・輪作(同じ場所に,期間をおいて別の野菜を植える)・障壁(仕切りになるように植える)・叢生(生えた草で畝や畑の土を覆う)と,相性の悪い組み合わせに関しては15種類の野菜について一覧表で紹介してありました。
※タキイメールマガジン「植彩館」2011年6月18日増刊号HP内に(財)環境科学総合研究所 木嶋利男先生の「目指せ!減農薬菜園!コンパニオンプランツ」がありましたのでぜひ覗いて学習されますようお勧めします。
※『現代農業』(平成28年6月号)の「今さら聞けないコンパニオンプランツ習得術」に長野市内で自然菜園の講師を務める竹内孝功氏が,野菜の相性の組み合わせに,関しては,植物の地上部だけを見るのではなく地下茎を観れば分かるとして,
寄り添うように植え付ける「夫婦型」=キュウリとネギ,ナスとニラ,トウモロコシとつるありインゲン。麦とエンドウ,トマト・ピーマンとニラ,スイカ・カボチャ・メロンとネギ。株間・条間に植え付ける「友人型」=トマトとバジル,トウモロコシとエダマメ,キャベツとレタス,ソラマメとキャベツ,シュンギクとダイコン,ナスとラッカセイ,ニンジンとエダマメ。作期をずらして植え付ける「先輩後輩型」=ハツカダイコンとキュウリ,ニンニクとトマト。通路に播いて草マルチ「緑肥ミックス」の混植栽培を紹介されていました。
※『野菜だより』(2019年春号)の「新・コンパニオンプランツ」には,右図にあるように,新しいポイントは,植え付け時に相性に加え,距離とタイミングが重要との3つの法則が,トマト×ラッカセイ,トマト×バジル,ナス×ショウガ,ナス×セロリ,ピーマン×つるなしインゲン,キュウリ×ラディッシュ,キュウリ×ツルありインゲン,ズッキーニ×マリーゴールド,スイカ×オクラ,メロン×エダマメ,カボチャ×エンバク,トウモロコシ×ツルなしインゲン,サツマイモ×ゴマ,サトイモ×ダイズの15種類の夏野菜の組み合わせが図解入りで紹介されていました。
(出典):『農家が教える 混植・混作・輪作の知恵』(農文協),『病害虫百科~自然にやさいし防除~』(万来舎),『野菜づくり名人の知恵袋』(講談社),『農薬に頼らない家庭菜園-コンパニオンプランツ-』(家の光協会),藤田智著『これで失敗しない家庭菜園Q&A』(家の光協会),『超図解コンパニオンプランツ 野菜がよく育つ植え合わせ術』(「やさい畑」2014年秋号別冊付録)から,『野菜だより』(2019年春号/新・コンパニオンプランツ),『決定版コンパニオンプランツの野菜づくり』(家の光協会)
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今夏の熱中症対策は!
コロナも5類に引き下げられた令和5年の夏は,九州南部では,平年と同日で,前年と比べ111日も早い6月30日に「梅雨明けした模様」との発表があって以降,ほぼ連日25度以上の夏日(25℃以上=夏日、30℃以上=真夏日、35℃以上=猛暑日)が観測。3カ月予報によると8~10月も暖かい空気に覆われ気温は高いとみられ,前年同様に暑も厳しくなりそうですが,
新しい生活様式が求められる中にあっての熱中症予防行動としては,右下写真に政府が示した5ポイントをPDF版で添付。
熱中症で早くも急患搬送者が報じられる中,少雨傾向も強まる恐れがあり,屋内外を含め熱中症への注意を,市の防災行政無線からも「高温注意情報が発令されました―」と喚起を促しています。
近年,異常気象で午後2~3時になると短時間降っていた“サダッ”も降らなくなり,梅雨明け以降7月末から大地はカラカラになり,毎日35度を超える暑い真夏日に。
「大暑」が過ぎた後からは「猛暑」から「酷暑」に変わる炎天日が続く中,気象庁からは,翌日or当日の最高気温が概ね35度以上になることが予想される場合は,「高温気象情報」を発表し,熱中症への注意を呼び掛けています。Xからは,耳にタコが出来るように「暑い時に畑には出ないように。朝晩の涼しい時に,やれるだけできる野菜でいいのだから」と言われ,水筒に冷たいお茶を入れ,冷却服を着用し、梅干しを頂いて畑に出勤していますが,今朝のTVからもハウス内で作業中の高齢者が熱中症で亡くなっていたとの痛ましい事故や,パチンコ店駐車場で車内に一人残された幼子の熱中症発生事件に加え,「熱中症 半数以上が暑さ感じにくい高齢者」の見出し記事が報道されていました。
7月末からは,市の防災行政無線からも「暑い日が続いており熱中症に気をつけましょう」との呼びかけが放送されていますが,秋野菜植え付け前のこの時期は,家庭菜園愛好家でも,炎天下での作業中には,特に注意が必要です。本「今夏の熱中症対策は!」では,学生時代を通じ,風の通らないトレンチの中での発掘調査で鍛えられた分,夏の炎天下での肉体作業には,精神的にも体力的にも十分自信があるつもりではいましたが,寄る年波,周りに迷惑をかけないようにとの自戒の意味を込め,「無理せず陰で休み,暑い場所に長時間いない」・「帽子の着用」・「こまめな水分や塩分の補給」に心がける中,猛暑日には農作業はしないと決めつけられない菜園作業での注意点は……。
鹿児島地域振興局保健福祉環境部健康企画課からは,
熱中症とは
高温・高熱にさらされたり,激しい運動などを行った時など体の中と外の“暑さ”によって引き起こされる様々な体の不調です。脈が早くなる,手足のけいれん,めまいなどにはじまり,重症例では意識障害やショックなどがみられ,場合によっては死に至ることもあります。高血圧.心臓病,糖尿病などの病気のある人や体調がよくないときなどは,特に注意が必要です。
『熱中症』のさまざまな症状 ※熱中症は様々な症状の総称です
重症度 | 症 状 |
軽 | 熱失神 | めまい・失神。いわゆる立ちくらみの状態 |
熱けいれん | 筋肉痛・筋肉の硬直,こむら返り。発汗に伴う塩分の欠乏が原因 |
中 | 熱疲労 | 頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・倦怠感・虚脱感・判断力や集中力の低下など |
重 | 熱射病 | 高体温。意識障害・けいれん・おかしな言動や行動・過呼吸など |
出典:『現代農業』平成29年9月号(「夏本番!今年も備えは万全に 農家の熱中症対策」)
■熱中症の起こりやすい時期
熱中症の発生は,例年,梅雨入り前の5月頃から報告がみられ,梅雨明けの7月中旬から8月上旬に多発する傾向があります。なかでも,急に気温が上がった場合や梅雨明けしたばかりの身体が暑さに慣れていない時や高温.多湿.日差しが強い時などに起こりやすいといわれています。
予防対策
熱中症予防5つの声かけ=『温度に気を配ろう・飲み物を持ち歩こう・休息をとろう・栄養をとろう・声をかけ合おう』
・暑い中での無理な運動はさける。
・水分を十分に補給する(就寝前を含めてこまめに)。
・スポーツや農作業など大量に発汗する時は.スポーツドリンクや多少塩分の含まれた水分の補給に努める。
・通気性のよい服装にする。
・帽子などで頭部を保雄する。
・体調を整える(食事のバランス,十分な睡眠.アルコールの飲み過ぎを避ける,エアコンの設定温度はできるだけ高めにして身体が暑さに慣れるようにしておく)。
応急処置
・風通しのよい涼しい場所に運び,衣服をゆるめて寝かせる。その際は,足の高さは上半身より高く。
・冷たいタオルやうちわ・扇風機などで体を冷やす=首・脇の下・太ももの付け根などを。
・自分で飲めるようであれば,水分や塩分を補給する(スポーツドリンクなどが適している)。
症状が改善しないときには,すみやかに医療機関を受診する。…… とありました。
なお,厚生労働省のHP内には,「熱中症予防のために~暑さを避ける・こまめに水分を補給する~」が掲示されていました。
また,JAの資料によると農家の人に多いのは,炎天下での農作業を長く続けた時に発生しやすく,屋外での農作業は,暑い時間帯を避け,早朝や夕方の気温の低い時間帯に行うようにし,また「つば」の広い帽子で直射日光を遮り,通気性や吸水性の良い衣服を着るようにしましょうと。
農作業中は,喉の渇きを感じなくても,水分,塩分を小まめに補給しましょう。喉が渇いたと感じた時には,すでに脱水状態になっていることもあるからです。水分と塩分の補給には,お茶と梅干しを一緒に取るとか,ジュース,スポーツドリンクなどが適しています。但し,アルコール飲料やカフェインを多く含む飲み物は,利尿作用があるため,水分補給には適していません。
もし熱中症が疑われたら
屋外での農作業中に,「熱中症」の発症が疑われたら,すぐに農作業を中止し,涼しい場所に移動し,体を冷やし,水分・塩分を補給しましょう。
体を冷やすには,氷をポリ袋に入れてタオルでくるんだものや,保冷剤などを使用します。衣服を脱がせ,ベルトを緩め,首筋,脇の下,太ももの付け根,膝の裏など,太い血管が皮膚の表面を通っている部分に当てます。
以上のことを行っても,症状が改善しない場合は,医療機関を受診します。それまで元気だった人が,暑い環境で急に具合が悪くなったときは,いつも,「熱中症」のことを念頭に置いておかねばなりません。
もし最初から中等症以上の症状(頭痛・吐き気・おうと・体がだるい)が出たり,意識障害がある場合は,直ちに119番で救急車を呼んでください。※消防庁のリーフレット=「熱中症を予防し元気な夏を!」の一読を。意識がはっきりしていなかったリ,吐き気がある場合は,気管に入ると危険なので,無理に水分補給をしないでください。
『野菜だより』(2014年夏号=右イラストの頁)「真夏の畑の涼しい過ごし方」には,熱中症と紫外線から農作業中の体を守る方法として,
- 夏の畑仕事は涼しい時間帯に行う
(10時~14時は,紫外線が最も強いので避けること)
- 休憩を取りながら無理せず作業する
(熱中して熱中症にならないように)
- 作業中はこまめに水分を補給する
(塩分も一緒に)
- 快適なウエアで暑さから体を守る
(紫外線から肌を守る長袖・長ズボン+頭や顔を保護する帽子は必須)
が8㌻にわたり(畑における熱中症対策・あつい真夏の畑でも快適に過ごせる涼しいグッズ大集合・手軽に作れて体も喜ぶお勧め自家製ドリンクレシピ)紹介されていました。
※暑さがおさまる頃の「処暑」の翌日平成28年8月24日(水)の南日本新聞に「続く猛暑,炎天下作業 水分1日3~4㍑,梅干で塩分補給 鹿県農家・熱中症自衛」の見出しで,鹿県農家の皆さんの熱中症予防対策が掲載されていましたのでPDF版に編修して掲載しました。
※平成29年9月3日(日)の南日本新聞に「熱中症搬送昨年上回る 鹿県内 10万人当たり7月全国最多 気温高め要注意」の見出しで次のような記事が掲載され,9月になっても引き続き注意が呼び掛けられていました。
鹿児島県内で今年5~8月に熱中症の疑いで救急搬送された人数は1,371人で,昨年同時期の1,258人に比べ100人以上多かったことが2日,分かった。9月も暑い日が続くと予想されることから,県は水分補給やエアコンの使用による熱中症予防を引き続き呼び掛けている。総務省消防庁のまとめによると,5月1日~8月27日までの死者は全国で46人。県内では7月に鹿屋市の50代女性,8月に肝付町の80代女性が熱中症の疑いで死亡した。
特に7月は梅雨明けで体が暑さに慣れていないことや,平年より気温が高かったことが影響し,県内で昨年より244人多い742人が搬送された。人口10万人当たりの搬送者数は45.02人で全国最多だった。8月の搬送者数(速報値)は7月より少ない517人だった。
鹿児島地方気象台は9月も平年より気温が高くなる日が多くなると予想しており,引き続き注意が必要だ。県健康増進課は①暑い中での無理な運動を避ける②就寝前を含めこまめに水分補給する③扇風機やエアコンで適度な室温調整をする④栄養バランスの取れた食事や十分な睡眠などで体調を整える―などの熱中症予防を呼び掛けている。
★農作業の後に牛乳を飲んで熱中症に強い体をつくる
信州大学の能勢博教授によると,1.5㍑の汗をかくというのは150㍉㍑の血液を失っていることと同じだそうで,その結果,体の調節機能が低下し,熱中症の発症へとつながる。そこで水分と塩分を補給することで,失った分の回復を狙うわけだが,この時さらに,元々の血液量自体を増やすことができれば,よりたくさんの汗を上手にかけるようになるのだという。
そして,血液量を増やす方法として能勢先生がお勧めなのが,適度な運動をした直後に乳性タンパク質と糖分を摂ることだそうだ。なかでも,両方の成分を多く含む牛乳を飲むのがお勧めで,農家なら農作業のあと1時間以内にコップ2~3杯の牛乳を飲むといい。牛乳を材料にして血液の素となる血獎が体内で作られ,その結果血液量が増加するのだそうだ。「血液量は24時間以内に増えるので,翌日には前日よりも作業がラクになったと感じると思います。これを1週間も続ければ,熱中症にも夏パテにも,より強い体になりますよ」 なお,牛乳以外では乳性タンパク質を含むヨーグルトやチーズを食べるのもよいが,牛乳より糖分が少ないため,ハチミツを足したりクラッカーと一緒に食べるといいそうだ。出典:『現代農業』平成29年9月号(「夏本番!今年も備えは万全に 農家の熱中症対策」)
平成30年7月23日は,二十四節気の『大暑』の日。今朝の南日本新聞の鹿児島労働局お仕事相談室という囲み記事に「熱中症対策/体調変化に気を付けて」がありましたのでPDF版に編集して掲載しました。なおNHKの午後7時からのニュースでは,今日も熱中症で死者との報道に加え,埼玉県熊谷市でこれまでの日本最高気温を5年ぶりに更新し41.1℃という異常高温を記録し,今年の暑さは「災害レベルの暑さ」・「危険な暑さは続く」と報じ,気象庁も記者会見で「命の危険性がある暑さ,災害と認識している」とまで表明して,熱中症に厳重な警戒をと呼び掛けていました。
※我が小菜園から一番近い気象台の観測地点は,約1㌔南東の中郷町の育英小近くにありますが,平成最後の夏となる平成30年の今夏7月~8月の35℃超えの猛暑日は,7月は,7/19=35.4℃,7/20=35.8℃,7/26=35.3℃の3日間と,8月は,8/7=35.2℃,8/11=35.5℃,8/13=35.6℃と8/14=35.4℃の4日間だけでした。
熱中症対策 水・塩分こまめに補給を
九州南部は先週の梅雨明けから,暑さの厳しい日が続いている。鹿児島地方気象台の週間予報によると,30日から向こう1週間は高気圧に覆われておおむね晴れ。最高気温は平年より高い日が多く,35度を超す猛暑日もありそうだ。
日差しが強まり,急に気温が高くなるこの時季は体が暑さに慣れず,熱中症になりやすい。暑い中での無理な運動は避け,水分や塩分をこまめに補給するなど体調管理に注意したい。
昨年4月30日から9月30日の間に鹿児島県内で熱中症疑いで救急搬送された人は1,485人だった。今年は昨日までで485人。うち7月が329人で,今後の増加が懸念される。熱中症は,温度や湿度が高い状態で体内の水分や塩分などのバランスが崩れ,発汗や血流による体温調節ができなくなることで起きる。めまいや頭痛,吐き気などの症状のほか,ひどい場合はけいれんや失神を起こし死亡することもあるから軽くみてはならない。
「災害級」の暑さといわれた昨年は全国で熱中症による救急搬送者が9万5千人,死者が1,500人を超えるなど社会問題化した。このため国は従来7月に設定していた「熱中症予防強化月間」を8月まで延長し対策に力を入れた。今年も同期間で周知を呼び掛けることにしている。
環境省の対策マニュアルによると,外出時に日傘や帽子を身につけ,水分をこまめにとることを心がけ,汗をかいた時は塩分補給を忘れないことがポイント。室内でも我慢せず,エアコンや扇風機を使うのも効果的だ。とりわけ水分補給は,しっかり汗をかいて体から気化熱を奪い体温を下げるために不可欠で,日常生活では1日あたり1.2㍑が目安。アルコール飲料での補給は,尿の量が増えて体内の水分を排せつするから逆効果となるので注意したい。また,高齢者は気温の上昇や喉の渇きに気づかず熱中症になることがあるため,喉が渇かなくても水分をとるよう心がけてほしい。室内に温度計を置くなどし周囲の人も協力して適正な室温管理に努めたい。
体温調節機能が十分に発達していない子どもにも注意が必要だ。スポーツ活動などの際,顔が赤く,ひどく汗をかいている時は,休養をとらせるなどの配慮が求められる。屋外プールでの水泳練習など,水中でも汗をかき体内の水分を奪われる。おまけに炎天下では水温が上がり体力を消耗するから注意が欠かせない。
大切なのは正しい知識と情報をもって,熱中症に備えること。それに適度な運動と休養,食事によって体力を養うことだ。猛暑の日はしばらく続きそうだ。警戒を怠らず乗り切りたい。令和元年7月30日/南日本新聞社説から
※令和元年の夏場の小菜園作業では,昨年までは店頭で見かけませんでしたが,「冷感・冷却タオル」のTVでの通販案内に加え,店頭でも販売されており,タオルを濡らして使用⇒絞って振るだけ⇒冷たさ実感⇒首に・頭に の商品案内の品を1枚購入(400円)し,冷たい井戸水で濡らしたICEタオルを麦わら帽子の下の頭にかぶり,頭部から首筋にかけての冷却効果を感じつつ,熱中症対策として,乾いてきたら井戸水で洗い冷やしてを繰り返しながら毎日活用しました。
同タオルは,科学技術の進歩により開発された,冷感繊維を採用して作られており,水で濡らして絞った一般的なタオルと比較し,冷たさを長時間維持してくれ,夏場の暑い季節では熱中症対策グッズとして,小菜園作業でも気軽に活用できるアイテムで,瞬冷タオルと接触冷感タオルの2種類が販売されており,今季は瞬冷タオル100㌢×30㌢のロングタイプを使用しました。
熱中症予防 適度な室温心掛けたい
気温が上がり,熱中症の発生が懸念される時季となった。重症化すれば命に関わる危険があり,予防に努めることが大切だ。新型コロナウイルス禍が続く中,使い方を誤れば熱中症を引き起こしかねないとされるマスク着用の在り方も考える必要がある。一人一人がリスクを自覚し,適切な行動を徹底したい。熱中症は高温多湿の環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れたり,体温調節機能がうまく働かなくなったりして起きる。大量の発汗,吐き気などの症状が現れ,意識障害に至るケースもある。消防庁によると,全国的に暑さが厳しかった7~13日の1週間,熱中症による救急搬送の速報値は全国で1,830人(鹿児島県27人)に上り,前週の3倍近くに増えた。例年ピークは7~8月で,昨年6~9月の総数約6万5千人の7割弱が8月に集中した。熱中症の予防では,水分の補給と暑さの回避が重要とされる。このうち水分は,のどが渇いていなくてもこまめに補給することを心掛けたい。大量に汗をかいた時には塩分をとることも必要だ。コロナ禍で室内で過ごす人も多かろう。暑さを避けるには扇風機や遮光カーテンで適度な室温になるよう調節するほか,エアコンも我慢せずにうまく活用しよう。外に出る時は日傘や帽子を使用し,天気の良い日は外出をできるだけ控えたい。例年,救急搬送される半数前後を65歳以上が占める。高齢者は暑さや水分不足への感覚機能や,暑さに対する体の調節機能が低下している。周囲も注意して見守る必要がある。
また,文部科学省によると,2019年度に小中高校の管理下で熱中症になり救急搬送されるなどした事故は約5千件で,体育の授業や部活動中が多かった。安全を最優先に,気象条件に応じて活動内容を変更するなど子どもたちへの配慮を徹底すべきだ。気象庁と環境省は熱中症のリスクが極めて高い際に注意を促す「熱中症警戒アラート」の全国運用を4月に始めた。気温や湿度などを基に算出する「暑さ指数」から重症者や死者が特に増える傾向が予想されると,自治体の防災無線や報道機関,会員制交流サイト(SNS)などを通じて発信する。予防のために有効に活用したい。コロナ下で着用機会が増えたマスクは,皮膚から熱が逃げにくくなったり,気付かないうちに脱水になったりして熱中症のリスクを高める恐れがあるとされる。
マスク着用時は激しい運動を避け,屋外で人と十分な距離がある場合はマスクを外すといった柔軟な対応で,感染対策との両立を図りたい。令和3年(2021)6月23日(水)/南日本新聞「社説」
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梅雨,台風,猛暑…過酷な気候に負けない6月~10月 菜園の野菜を守る対策は!
野菜作りは,気象条件に左右されることが多く,特に6月以降は,長雨,高湿,日照り,台風などのさまざまなトラブルが待ち受けています。これらからの季節 野菜を守る具体策を復習してみましょう。
野菜にとって夏から秋は,過酷な時期です。天候の変化に伴って生育環境が変わるので,野菜へのダメージを少しでも減らすためには適切な手入れが必要です。雨と風,高温乾燥などへの対策と工夫としては,天候の変化への備えは,その都度必要ですが,日常的にできる対策もあります。その一つは,天気予報のチェックです。天気だけでなく,最低・最高気温,風力・風向きなどの気象情報を常に気にとめ,対策に生かしましょう。
作付け前にやっておくと,ダメージの軽減につながる対策もあります。一つ目は,土の状態を健全にしておくことです。悪条件の時ほど生育に大きな差がつきやすいので,堆肥などの有機物を投入して水はけのよい土にしておきます。二つ目は,ポリマルチの活用です。初期生育がよくなるだけでなく,土壌水分をコン下ロールし,雨水のはね返りを防いで病気が発生するリスクを減らすことができます。これらの対策で被害を少なくすることができるので,ぜひ取り組んでみましょう。
天気の確認=気温をはじめ,気圧や風力,風向きなどを詳しく確認。
土づくり=有機物を投入して水はけのよい土に。
マルチを敷設=土の状態が原因となるトラブルを軽減 。
雨対策
雨が降る前と後で対策は異なりますが,水はけをよくして滞水させないことが共通のポイントです。雨上がりには,病気のケアも忘れずに。
排水の溝をつくる=排水溝は,深くて急な傾斜をつけると,水といっしょに土が流れて表土が削られたり,溝が埋まってさらに大きな水たまりができたりするので,浅く,なだらかにつくるのがコツ。
中耕する。
マルチの水たまりは穴を開けて排水する。
下葉の整理=株の下の方に枯れたり,老化した葉が残っていると,雨水のはね返りによって泥が付着し,病気にかかりやすくなるため,切り取ってすっきりさせましょう。トマトやキュウリは収穫が終わった節より下の葉は,取っても問題無。(整枝・摘葉は晴れた日に!)
風対策
風対策の基本は,茎や葉,果実が風で振り回されないようにすることです。大風や台風が来る前には適切な準備を行い,作物へのダメージを最小限に抑えましょう。
支柱を立てる。
支柱を補強する。
畝,マルチの再点検を。
防風ネットで囲む。
台風襲来時のルーティン=台風が来る前と通り過ぎた後に,やっておきたい作業
小さくても収穫する=風に振り回されたり,茎や葉でこすれたりすると果実が傷つくので,収穫適期のものだけでなく,少し小さい果実も収穫を。
しっかり誘引&剪定=茎や根の先端まで支柱に誘引し,折れたり倒れたりするのを防ぎます。特にピーマンの根は折れやすいので,しっかり誘引します。込み合った枝や弱い側枝を切り,身軽にしておきます。
薬剤の予防散布=風で折れたり傷ついたりした茎葉の傷口から病原菌が入り込むのを防ぐため,台風通過後に,銅水和剤(日本農薬のZボルドー水和剤等)などの殺菌剤を株全体に散布しておくとよいでしょう。
乾燥・酷暑対策
近年の猛暑は,人間様だけでなく野菜にとって過酷な環境です。土の湿り気を適度に保ち,風通しをよくする工夫を。
敷きわらで乾燥防止。
水やりする。
害虫を洗い流す=高温完走時には,ハダニ・アブラムシ等が発生しやすくなるため,葉裏に群生している害虫を,強めのシャワー状の水をかけ,洗い流しましょう。ナスやサトイモには水やりを兼ねてたっぷりと。
風通しをよくする=整枝すれば,風で葉と実が擦れて傷がつくことも防げます。
肥料切れさせない。
遮光ネットで乾燥予防を=熱がこもるのを防ぐため,裾の両端を15㌢程開ける。強風時は,風下だけを開けるなど,ネットが強風で飛ばされないように注意を。
出典:『園芸新知識 はなとやさい』(2021年6月号)
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台風に備えよう―台風情報を先ず読み解くには―
9月1日は「防災の日」であると同時に,立春を起算日として210日目。台風や風が強く,昔から農家にとっては稲の開花・結実期に当たり厄日・荒れ日と言われている「二百十日」でも。過去の台風の年間発生件数は,25..6個で,その内の11.4個が本土に接近し,2.7個が上陸しているという統計結果が。本格的な台風シーズンを迎え,台風の接近・上陸件が多い鹿児島県のHP内には,「9月上旬から9月中旬の台風に対する事前・事後対策」が,野菜に関しては次のように紹介されていました。
事前対策
- 防風垣,防風ネット等の補強を行い,強風による被害を最小限に食い止める。
- 排水溝を点検・整備し,滞水を防止する。
- つる性のきゅうり,にがうり等は,「つる下げ」を行い,ベタ掛け資材等で被覆する。できない場合は,支柱やネットが倒れないように,しっかりと固定する。
- ピーマン,ナス等定植直後のものは,支柱から取り外して株を倒せる場合は倒し,倒せない場合はできるだけ低くして,被覆資材等で上から押さえ,しっかりと固定する。
- かぼちゃ,豆類(そらまめ等),葉根菜類(キャベツ等)は,可能であればベタ掛け資材で被覆する。
- 根深ねぎは,土寄せやテープ等を張り,茎葉の折損,倒伏を防ぐ。
- さといも(大吉)の早植マルチ栽培で倒伏が懸念される場合は,茎葉を切断する。
- 育苗中の苗は,安全な場所に持ち込むか,ベタ掛け資材等でトンネル用支柱等を用いて浮かし掛けし,周囲をしっかり固定する。ベタ掛け資材等の設置については,できるだけ低く設置した方がよいが,強風で苗を傷つけないように留意する。いちごは,ベタ掛け資材等で被覆固定し,茎葉の傷みを軽減する。
- 収穫期に近い野菜は,収穫する。
事後対策
- 台風通過後,速やかに排水を行う。特に高温期は,長時間滞水しないように注意する。
- にがうり,きゅうり等で「つる下げ」を行ったものは,台風通過後,速やかに「つる上げ」を行う。
- ベタ掛け資材等は,直ちに除去する。
- 茎葉の折損部からの病害侵入を防ぐため,直ちに殺菌剤の散布を行う。
- 草勢の回復を図るため,葉面散布または化成肥料による追肥を行う。
- 潮風害が懸念される場合は,速やかに散水し,塩分を洗い流す。
- 室内に持ち込んだ苗は,速やかに外へ持ち出して広げる。
鹿児島地方気象台が平成30年3月15日に公開した「農業に役立つ気象情報の利用の手引き」には,第4章に台風に関する気象情報が,次のようにイラスト入りで分かりやすく解説されていました。
台風が発生すると,気象庁は台風の位置や強さなどの実況と予報を発表します。3日目以降も引き続き台風であると予想される時には,5日先までの台風の進路予想を発表するとともに,降水量や最大風速などの予測を「台風に関する気象情報」として発表します。
予報円 | 70%の確率で台風の中心が位置すると予想される範囲 |
暴風域 | 平均風速25㍍/s以上の風(非常に強い風)が吹いているか,吹く可能性がある範囲 |
強風域 | 平均風速15㍍/s以上の風(強い風)が吹いているか,吹く可能性がある範囲 |
暴風警戒域 | 台風の中心が予報円内を進んだ場合に暴風域に入る恐れのある範囲 |
台風のおおよその勢力を示す目安として,風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」を表現します。「大きさ」は強風域(風速15㍍/s以上の風が吹いているか,吹く可能性がある範囲)の半径で,「強さ」は最大風速で区分しています。台風の強さ,大きさについては,風速に関係した情報であり,どのくらい雨が降るのかといった降水量の情報ではありません。
台風の進路・台風に伴う風の特徴
台風は北上する性質がありますが,その力は弱いため上空の風に流されて動きます。このため,通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し,中・高緯度に達すると,上空に強い西風(偏西風)が吹いているため台風は速度を速めながら北東へ進みます。
台風は春先では低緯度で発生し,西に進んでフィリピン方面に向かいますが,夏になると発生する緯度がやや高くなり,太平洋高気圧の周りをまわって日本に向かって北上することが多くなります。8月は発生数が年間で一番多い月ですが,日本付近の上空の風が最も弱くなるために台風は複雑な経路をとることが多く,9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るようになります。台風は,地上付近では反時計回りに強い風が吹き込んでいます。そのため,進行方向に向かって右半円では,台風を動かす風が加わり左半円に比べ風速が強くなる傾向があります。
風の強さとは
台風情報等で用いられる風の強さは,10分間の平均風速を用いています。瞬間的に吹く風(瞬間風速といい,最も強いものを最大瞬間風速という)は,平均風速の1.5倍~3倍に達することがあります。
暴風域に入る確率
台風の暴風域に入る確率「地域ごと時間変化」,確率の「分布表示」をホームページで提供しています。この情報により,各地域の時間毎の暴風域に入る確率がわかり台風の直接的な影響がいつ頃現れ,いつ頃なくなるかなど,台風の影響する時間帯の目安を知ることができます。市町村等をまとめた地域毎に72時間先まで3時間刻みに時系列で発表します。確率の数値の大小よりもむしろ変化傾向やピークの時間帯に注目してご利用ください。台風の進行方向では,台風が近づくにつれて確率が高くなってきますので,注意が必要です。
台風がおよぼす農作物への影響
台風の中心や周辺の発達した雨雲による大雨の影響で,農地の浸水や水没被害および法面崩れなどの土砂災害が発生します。また,暴風の影響でビニールハウスやガラス温室の破損,野菜の品質低下および水稲の倒伏被害が発生します。
1時間に30mm以上の「激しい雨」では,排水能力を超える大雨により農地は浸水被害が増大し,50mmm以上の「非常に激しい雨」が続くときには土砂災害などが発生しやすくなります。また,風速15㍍/s以上の「強い風」では,高所の作業は極めて危険な状態となり,20㍍/s以上の「非常に強い風」ではビニールハウスのフイルム(皮覆材)が広範囲に破れるような被害が発生します。
風や雨の強さを表す気象用語
雨の強さ(予報用語) | 1時間降雨量(mm) | 人の受けるイメージ |
「激しい雨」 | 30以上50未満 | バケツをひっくり返したように降る |
「非常に激しい雨」 | 50以上80未満 | 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) |
「猛烈な雨」 | 80以上 | 息苦しい圧迫感,恐怖を感じる |
風の強さ(予報用語) | 平均風速(㍍/s) | 人への影響 |
「強い風」 | 15以上20未満 | 風に向かって歩けなくなり,転倒する人も出る風 |
「非常に強い風」 | 20以上30未満(㍍/s) | 何かにつかまっていないと立っていられない,飛来物によって負傷する恐れがある風 |
「猛烈な風」 | 30以上 | 屋外の行動は極めて危険な風 |
台風接近で農作物対策 県が呼び掛け
鹿児島県は18日,台風5号が接近する見込みのため,排水路の点検・整備や長時間の冠水防止といった農作物の事前・事後対策を発表した。ホームページにも掲載していると,令和元年7月19日の南日本新聞に。
野菜の事前対策
防風垣,防風ネット等の補強を行い,強風による被害を最小限に食い止める。
つる性のきゅうり,にがうり等は,「つる下げ」を行い,ベタ掛け資材等で被覆し,しっかりと固定する。「つる下げ」ができない場合は,支柱やネットが倒れないように,しっかりと固定する。
また,かぼちゃについても,防風ネット等で被覆し,しっかり固定する。
根深ねぎは,土寄せやテープ等を張り,茎葉の折損,倒伏を防ぐ。
さといも(大吉)の早植マルチ栽培で倒伏が懸念される場合は,茎葉を切断する。
育苗中の苗は,安全な場所に持ち込むか,ベタ掛け資材等でトンネル被覆する。ベタ掛け資材等の設置については,できるだけ低く設置した方がよいが,強風で苗を傷つけないように留意する。
収穫期に近い野菜は,収穫する。
野菜の事後対策
にがうり,きゅうり等で「つる下げ」を行ったものは,台風通過後,速やかに「つる上げ」を行う。
被覆資材等は,直ちに除去する。
茎葉の損傷部からの病害侵入を防ぐため,直ちに殺菌剤の散布を行う。
草勢の回復を図るため,葉面散布または化成肥料による追肥を行う。
室内に持ち込んだ苗は,速やかに外に持ち出して広げる。
参考資料:鹿児島県「農作物等被害対策」,鹿児島地方気象台「農業に役立つ気象情報の利用の手引き」,「やさい畑」(2011年夏号・2012年夏号・・2014年夏号・2018年夏号),「現代農業」(2018年8月号),南日本新聞「地球に生きる/台風遍」
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灌水(かんすい)の時間帯は!?
平成30年の我が小菜園の夏は,7月11日の梅雨明け宣言発表後の7月中旬から日本列島は,太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われ,暖かい空気がたまり,積乱雲の雲が発達せず,日照り気味で「夕立」のお湿りも降らず,晴天が続き毎日32度を超える真夏日が続く中,朝もしくは夕刻,何気なく空いた時間帯に,台地も乾き菜園の主同様に夏野菜ものどが渇いているのではとの気遣いでやっている灌水「かん水」=水やり作業に関し,
『現代農業』2011年(平成23)7月号(農文協)に青森県地域農林水産部の後藤敏美氏の「早朝かん水が,萎れ(しおれ)の原因になっていた!?」という投稿記事と,(株)ジャットの岩男吉昭氏の「育苗メーカーの指導書には,適正なかん水時刻としては,日の出とともに」と明記されていますが,「日の出から2時間は水をやるな」と現場指導してきたと記事に加え,専業農家の
早朝かん水をやめたら,萎れも花落ちもずいぶん減りました
30年以上,ずーっと水やりは朝9時。葉先枯れは出しません
日の出2時間以降/ピーマンがコンスタントにとれて大忙し
午前10時/キュウリが100kgとれる日が続いて,まぐれかと疑った
地温16度になってから/たった一度の7時かん水でイチゴが白ろう果だらけ
冬は10時~,春は8時~/時刻を決めたらミニトマトの病気が減った
朝早くかん水しても,萎れや葉先枯れがでていた
の貴重な体験から得られた生の声が。台風接近による降雨までは,サダッ(夕立)以外は期待できない日々が続き,家庭菜園での灌水作業に励む貴方にとっても,貴重なアドバイスが。
なお,上水を散布していたら水道料金が大変なので,我が圃場では,井戸水をホースで延長して,本記事を学習後,午前10時を目途に約20分間の灌水作業の時間帯と定め努めています。
〇かん水は,新月控えめ・満月多め=また,「月のリズムを畑しごとに活かす」としては,かん水は地上だけでなく天上の月のリズムを見て,新月の頃は栄養生長に傾き徒長しやすいので控え気味に,満月の頃は多めにするように細心の注意を払いましょう。
年長の者から「水やり三年」という言葉を聞いた方も多いのでは。野菜を含め植物への水やり方法を体得するのには,3年かかってやっとそのコツがつかめるということです。
①野菜の種類(原産地)によって,水を多く欲しがるものとそうでないものがある。
②野菜は生育時期により水の要求量が異なる。
③各ほ場で野菜が植えられている土壌の種類が異なる。
④天候や季節並びにほ場の排水環境によって土壌の水分含有量は常に変わる。
以上のことを常に念頭に置き,「オーイ水!」と言えない野菜との対話に心がけ,水やりするときは,野菜がしおれているか,土壌の表面が乾いているかを見て,タイミングを判断し,やるときはたっぷりと水を与えるように努めましょう。そうすれば野菜も貴方の愛情に十分応えすくすくと生育し,結果として実りを提供してくれます。
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マルチング・トンネル栽培の進め
家庭菜園では,できるだけ減農薬・無農薬で,農家が出荷する作物に近い野菜を収穫したいと願うものです。そのためには,市販されているマルチフィルムやネットを上手に利活用して,野菜にとってもより快適な環境で栽培する方法を,よく理解しておくことが大切です。
マルチング
マルチングとは,マルチフィルムを使用するだけではなく,株元をわらや干し草で敷き詰めたりすることをも包括しています。
【マルチングの効果】
・ 土壌の乾燥防止
・ 地温の変動をやわらげる
・ 泥のはね返りを抑えて,病気の発生を防ぐ
・ 雑草抑制 ※雑草の抑制が主目的なら「黒マルチ」,地温を上げるには「透明マルチ」,アブラムシの飛来を抑えるには「シルバーマルチ」と目的によって使い分けを。
マルチングの方法
マルチフィルムは,主に農ポリ(ポリエチエン)が原料です。土の温度調節,乾燥防止,雑草抑制などの効果があり,用途や目的に合わせて色や幅,穴の有無や数などが異なるさまざまな製品が市販されています。
保温栽培では,地上部を暖かく保つだけでなく,地中も暖めなければいけません。普通は地温上昇効果の高い透明フィルムを使いますが,雑草が多い場合は黒色フィルムが使われることもあります。家庭菜園用にはロール状のものが作業性がよいのでお勧めです。1回で使いきらなくても,何年も保存が利くので,長尺のものを購入したほうが割安です。
農ポリの寿命は長くても1年ほどで,寒冷紗や不織布とは違って使い捨てです。収穫を終えたら,残さないように回収し,分別ごみとして処分しましょう。
マルチは,土づくりを済ませ,畝を立てたらすぐに敷いて,種まきや苗の植えつけまでに地温を高めておきます。マルチフィルムは,一般には畝のわきに溝を掘って埋め込んで留めます。そのとき,畝面をできるだけ鍬やレーキを用いて平らにならし,広げたマルチフィルムを少し引っぼるように足で押さえながら,5~10㌢ずつ埋め,風でめくれないようしっかりと土を寄せて留めておくのが,ぴんと張るコツです。
なお,マルチに苗を植え付ける穴を開けるには,市販の円筒形の先がギザギザの刃のついたものか,空き缶にギザギザの刃を切り込んだものを用意します。これをマルチ面に押し込むと,きれいな穴が開きます。
◎上手なマルチの使い方
施 肥=マルチ栽培では,追肥がしにくく元肥重点になりますが,施肥量が一度に多くならないように気をつけましょう。雨による肥料分が流亡しにくいので,施肥量は無マルチ栽培より2~3割減らせます。マルチの下は,耕起した時と近い状態が維持され,土壌水分が保持されることから,微生物に最適な環境が維持され,有機物の分解が進み,地力の消耗につながるので堆肥など有機物の補充が必要です。
張り方=土壌水分が少ない時にマルチを張ると,発芽と生育が不揃いになります。土壌が乾いている場合は,雨が降ってからか,十分かん水してからマルチを張るように努めましょう。マルチとウネの間に隙間があると,植え穴から風が入ってバタつき作物を傷めたり,土が乾燥したりするので,隙間のないようピッタリ張るのがポイント。
マルチの色と地温
透明マルチ | 地温上昇率はNo.1。但し,光をよく通すので抑草効果はなく,雑草が生える。 |
紫(ブルー)マルチ | 透明に近い地温上昇率。赤外線域の光線をよく通し,雑草も抑える。さらに活性フェロキサイド配合で,日中に蓄熱,夜間に放熱する効果もある。 |
緑マルチ | 地温上昇率が高く,雑草も抑える。地温保持効果が高い。 |
黒マルチ | 地表面の温度は上がりやすいが,深いところは上がりにくい。安価。夏場,表面が高温になる問題を,ワラなどを上に置いて防いでいる農家も多い。 植え付け野菜の苗や球根に適した生育間隔で,マルチ面に穴が施され販売されている穴開きマルチは,家庭菜園には便利。 |
銀色マルチ | 地温を上げるためではなく,太陽光を反射し地温を上げないために使い,反射光による害虫の忌避効果のために使用します。 |
トンネル栽培とは,トンネル状にフィルムで被覆して,野菜を寒さから保護し,生育を促進させる栽培方法です。
必要な資材としては,プラスチックパイプや細い鉄パイプなどの支柱,農業用塩化ビニール又はポリオレフィン系のフィルム,このほかフィルムを押さえるテープが必要です。支柱用のパイプの長さは,畝幅,トンネルの高さ,地中に差し込む長さから計算します。※トンネルのアーチ状の骨組み用資材として,しなやかに曲がるガラス繊維素材のトンネル用支柱(畝幅のほぼ倍に長さの物を準備し,1㍍間隔で1本使用)がホームセンターで販売されています。
被覆フィルムは,塩化ビニールがもっとも保温性に優れていますが,使用後の廃棄処理の問題などから,現在では塩素を含まないポリオレフィン系フィルムの利用が増えています。
トンネル栽培は冬から春にかけて用いますが,気象と生育に応じて適切な管理を行います。
真冬でも,晴天日にはトンネル内温度が高くなりますが,夜間は外気に近い温度になります。冬のトンネル栽培は,日中の気温を生育に適切な温度(15~25℃)に長時間保つ方法であり,夜間の保温という点では十分ではありません。
また,春は日射が強いため,トンネル内温度は容易に30℃を超えてしまいます。このような高温は野菜の生育に不都合であり,温度が上がりすぎないよう,換気が必要となります。一方,夜間は外気温に近くなるため,氷点下の時間が長いと凍害を被ることがあります。このような状況が起こる地域では,トンネル内にべたがけをするなど,さらなる保温手段を取る必要があります。
トンネル被覆は,冬から早春に行うこと,また,草丈の高い野菜には向かないことなどから,対象となる野菜は限られます。葉茎菜類ではコマツナ,ウレンソウ,根莱類では,コカブ,ダイコンニンジンに利用されます。関東以西では,3月下旬から4月上旬は春の気温上昇期に当たり,日中のトンネル内気温が上がりすぎ,また野菜の生長が進んで混み合ってくるため,このころにトンネルをはぐことになります。
トマト,キュウリ,ナスなどの露地果菜類は,4~5月に定植しますが,初期生育を促すのと,晩霜から守る目的で,定植後1か月の間,トンネル栽培にします。この場合,晴天日にはトンネル内気温がかなり上がりますので,日中はすそを上げて換気を行います。
べたがけ栽培とは,防寒,防風,防虫などの目的で,透光性と通気性の良い資材を野菜に直接被覆して,栽培する方法です。べたがけ用資材には,「不織布」,「寒冷紗」があります。
不織布
一般には透けるほど薄く,光をよくとおし,とても軽い資材です。保温効果がありますが,通気性がよいので蒸れる心配がありません。
また,水を通すのでそのまま上から水やりも可能です。寒冷紗と同様,防寒や霜よけのほかに,保湿効果により発芽がそろう,害虫の侵入を防ぐ,鳥による食害も防ぐなど,さまざまな効果があります。寒冷紗より光をよく通すので,光量不足による徒長が起こりにくく,かけっぱなしにできるのも優れた点です。
なお,寒冷紗は切ると切り口がほつれることがありますが,不織布はほつれないので,畝などの大きさに合わせて切って使えます。
(不織布は,何回か繰り返し使えるので,使い終わったら乾かして,泥などの汚れを取り,たたんでしまっておきます。水洗いにたいする耐久性があまりないので,汚れがひどい場合でも洗濯するようにごしごし洗うのは避けたほうが無難です。こすれにも弱く,繊維がほつれて穴があいてきたら寿命です。)
寒冷紗
園芸用の寒冷紗で,防虫用に特化させたのが「防虫ネット」です。色は白と黒,銀などで,野菜づくりでは一般に白が使われます。銀線入りのものは,光るものを嫌うアブラムシなどの忌避効果をねらったものです。また,編目のサイズも各種あり,保温のために使う場合は目の詰まったものが向きます。
寒冷紗は古くから使われている,夏冬オールマイティーな被覆資材です。強い日ざしを遮って(遮光),温度上昇を抑え(遮熟),風を和らげ(防風),湿度を保ち(保湿)ます。また,虫よけ(防虫),鳥よけ(防鳥)にも役だちます。保温資材としては,通気性が高いので保温性はあまり高くありませんが,トンネル掛けすれば放射冷却を防ぎ,霜よけや乾いた寒風よけに効果を発揮し,野菜が傷むのを防いでくれるので,長く収穫が楽しめます。ただし,日よけに使われるくらいで,日ざしを弱める働きがあるため,野菜の徒長には注意しましょう。
寒冷紗はていねいに扱えば,数年問は繰り返し使えます。使用後はよく乾燥させて,土などははたき落とし,折りたたんで保管します。
べたがけは,ホウレンソウ,コマツナなどの軟弱野菜の場合,発芽の促進,害虫の回避,保温による生長促進に有効であり,エダマメなどでは種子まき後の鳥害防止に効果的です。
※近所のホームセンター店頭にご自由にお取りくださいと置いてあった『PAKOMA』(2011.10)の中に藤田智先生の「ネットのちから」が掲載され,「防虫ネット」・「寒冷紗」・「不織布」の「ネットのちから」利用法が写真入りで簡潔に紹介されていましたのでPDF版で照会します。
※『やさい畑』2012年初夏号の「畑のそもそも相談室」には,「マルチはなぜ必要なんですか?」としてマルチに関する記事が掲載されていました。
出典:『野菜講座/基礎編』(日本園芸協会),『やさい畑』2010年冬号(家の光協会),『現代農業』平成23年5月号・平成29年4月号(農文協),『農家が教える マルチ&トンネル: 張り方・使い方コツと裏ワザ』(農文協),『おいしい野菜がたくさんできる!土・肥料の作り方・使い方』(正東社),『かゆいところに手が届く!野菜作り達人のスゴ技100』(NHK出版)
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秋・冬野菜の保存方法 ─土中に埋めたり屋内で保存─
地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で,平成27年は観測史上最も暑い年となったようですが,「何時までも温っかな!,白菜も早く巻きすぎて腐れてしまいますね」と,語り合っていた中,「冬至」が過ぎると,南国鹿児島とはいえ北薩の地に在って,川内川の川霧も深さを増し,寒さも遅ればせながら厳しくなる中,過年発行の『やさい畑』冬号に掲載されていた,「農家に教わる秋冬野菜の保存法」・「簡単にできる野菜の保存法」を,屋内で暖を取りながらゆっくり読み直し,我が畑で収穫した,根菜類(カライモ・サトイモ・ショウガ・ジャガイモ・ヤーコン)と,冬至に食するカボチャに関し,本格的な冬の訪れを前に,平成27年の畑からの恵みの根菜類等の保存方法に関し前年の反省をしながら復習し,土中に保存したり屋内に移して実践貯蔵(写真)しました。
なお,料理長殿には,「この藁苞の下には,○○を貯蔵してある」,「このこんもりと盛っ土の下には,○○を貯蔵してある」と一言説明しておかないと,昨年は掘り出す役まで担わされ大変でしたので,今冬は現場でちゃんと説明を。それでも春になると既に芽が出始めた可愛そうな貯蔵野菜を三分の一近くは処分することに。
野菜別保存法 出典:『やさい畑』(2013年冬号),同(2014年秋号)
野菜の種類 |
保 存 法 |
サツマイモ,ショウガ |
貯蔵適温13℃=収穫して1㍍以上の深い穴(サトイモよりも-30cm)に埋める |
サトイモ |
貯蔵適温7~10℃=収穫して50㌢以上の深い穴に埋める |
シュンギク |
不燃布のべた掛け |
ダイコン |
収穫して深い穴に埋める |
チンゲンサイ |
不燃布のべた掛け |
ハクサイ |
暖では畑で頭をしばる(寒地では収穫し新聞紙で包み屋内で) |
キャベツ |
耐寒性品種は霜にあたると甘味が増してくるのでそのまま畑に |
ホウレンソウ,タアサイ,コマツナ |
不燃布のべた掛け |
ニンジン |
抜かずに土寄せして肩を隠す |
ゴボウ,やまいも |
抜かずに春先まで畑に |
※一昨年の『やさい畑』冬号と『現代農業』の「あっちの話」には,本市の長沼清さんのサツマイモガ腐らない防空壕(戦後70年経過した)を転用・活用された横穴式貯蔵法が掲載されていました。
※『やさい畑』2011年冬号の特集記事として「農家に教わる秋冬野菜の保存法」が掲載されており,平成24年の冬に収穫したゴボウ・ハクサイ・ジャガイモ・サトイモ・サツマイモ・ショウガ・ネギは同書のベテラン先輩有機農家の示唆を参考として,土をこれまでよりも多く寄せたり・土中に貯蔵穴を掘ったり・建物内の冷暗所で保存したりして,南国鹿児島でも4℃まで気温が下がり霜が降りたりして寒い平成25年の睦月(1月中旬)の中,畑の一隅からちょこちょこ掘り出し,鮮度が保持された野菜を美味しく食しています。
※『やさい畑』2015年冬号に特集記事として「農家の知恵に学ぶ簡単・便利/秋冬野菜アイデア保存術」には,従前の畑に埋めたり冷蔵庫で貯蔵する方法に替わる,手軽な保存アイデアとして,発砲スチロールの魚箱に入れて保存する方法が,イモ・ゴボウ・ニンジン・ダイコン・サトイモの貯蔵方法として紹介されていました。
※平成28年12月4日の『赤旗日曜版』の「くらし彩々/手作り菜園」にサツマイモ・サトイモの冬場の保存に関し「根菜類の貯蔵法 土中に保存し春まで」の記事を見つけましたので,PDF版に編集し掲載しました。
参考文献:『やさしい家庭菜園』(家の光協会),『おいしく長く楽しめる!収穫野菜の保存レシピ』(ナツメ社)
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鳥(獣)害を防ぐには
キャベツやハクサイの苗を定植作業中,痛くなった腰を伸ばした視線の先に,冬を迎え渡り鳥が電線にとまり羽根を休めているのを,「どこから飛んで来たの?お疲れさん!」までは,風流に解し結構なのですが,彼女たちが南に戻る1月末から2月になると飛行禁止区域を無視し,数十羽も群れをなして飛来し,葉をついばんでしまい台無しに。
そこで市立図書館から借りてきた「鳥害の防ぎ方」・「カラス」を読む中,「現代農業」と「やさい畑」から来春には,我が畑の野菜からは,鳥害を発生させないようにと学習してみますと,
野菜では,播種・出芽期にハトやスズメなどの被害を受けることがあるが,主なものはカラスやヒヨドリによる果菜類の成熟期とヒヨドリによる葉菜類その他に対する葉の被害だそうです。
播種・出芽期の被害に対しては,ホームセンター等で販売している鳥害対策用の防鳥テープやビニール袋などの追い払いで防ぐことができます。被害が大きな場合は,防鳥網で覆うことも必要かもしれません。
果菜類では,トマトがヒヨドリとカラスによって被害を受けます。また,夏場には,スイカやトウモロコシがカラスによって大きな被害を受けます。この被害を防ぐためには,テグスを張ったりしますが,有効な手段は今のところありません。
葉菜類の被害は,主として冬期間のヒヨドリによるものです。キャベツ,ハクサイ,レタス,ホウレンソウ,コマツナなどの葉が狙われます。特にキャベツやレタスでは,結球前では葉が食べられ,結球し始めると玉の部分がつつかれます。この頃はまだ葉がやわらかいためか,ヒヨドリは好んで食害するようです。玉の部分は生長するにつれ,つつかれた被害も大きくなり,商品価値はまったくなくなります。
冬の期間のヒヨドリは,吹き流しや遭難声である程度の期間は追い払うことは可能ですが,冬中続く被害を追い払い法だけで回避することは難しく,防鳥網に頼らざるを得ないのが実情です。
野菜の食害の5割を占めるカラスに関し,我が国の代表的カラス研究者の杉田昭栄先生は,『カラス 面白生態とかしこい防ぎ方』(農文協)の中で,鳥類の中で“頭の良さ”を司る大脳が飛びぬけて大きく,犬よりも大きい脳化指数を持っており,「人の顔を見分ける」「ゲームやルールも覚える」「数も数えられる」「もしかしたら言葉も持っている」「親から学ぶ」とカラスの記憶・学習能力を評価されていますし,「飛ぶのも上手」「何でも見破る眼」「どんなものでも食する」「鼻は利かない」と身体能力を分析され,カラスの一日は,朝早くねぐらを時差出勤で出勤し,行動圏は5~10㎞で日没近くになると「♪カラストと一緒に帰りましょう」の唱歌同様に集団をつくってねぐらにご帰宅されます。
スズメ目・カラス科に分類されるカラスは,世界中に約40種類がおり,日本には5種類がいて,日々見かける身近なカラスは,ハシブトガラスとハシボソガラスで,見た目は真っ黒で大きさもそう変わらない中,次のような特徴があるそうです。
■ ハシブトガラス
体重は550~750g,翼開長は約1m,クチバシが顔面から大きなバナナのように突き出し,先端が鋭くなっています。長さは5~7cmほどです。日本中どこでも見られますが,あまりいなかった農村部にも最近はよく見かけるようになりました。逆に,都会で見かけるのはほとんどがこのハシブトガラスです。
鳴き声はカア~カア~と比較的澄んだ音です。狙ったエサまで一気に行き,地面を歩くときは,足を揃えピョンピョンと歩行し,何でも食べる雑食屋ですが,どちらかというと肉を好みます。それで野鳥のヒナや卵を食べたりします。産卵数は3~5個です。
■ ハシボソガラス
体重は320~690gで,体はハシブトガラスよりひと回り小さく,クチバシも4~5cm程度です。形も一般の小鳥のようで,ハシブトガラスほどの凄みはありません。こちらのカラスも日本中どんなところでも見かけます。しかし,一般には農村部に多く棲息します。そこで,エサもカエルや虫などの小動物,木の実や,畑作物のタネや芽などを好んで食べます。道路にクルミを置き,草にひかせて割るカラスはこのハシボソガラスです。
ガア~ガア~と濁った声で鳴くのが特徴で,しかも体全体で,力を振り絞るように頭を大きく前後させながら力いっぱい鳴きます。産卵数はハシブトガラスと同じ3~5個です。遠くに着地しトコトコ2本歩行で新入してきます。
ハシブトガラスとハシボソガラスの区別は,姿かたちや鳴き声でだいたいわかりますが,行動パターンも若干異なります。農村で,作物を植え付けて間もない畑やイネを刈り取ったあとの田んぼでお尻をふりふりノコノコ歩くカラスは,たいがいがハシボソガラスです。このカラスは,木の実や畑のタネなどをよく食べます。またカエルやミミズなどの地中の小さな虫も大好きです。タネをほじくったり,小さな虫を探すので,そんなモンローウオークのような歩き方をします。トラクターで耕すあとや放牧地で牛の歩くあとをついて行くのも,このカラスです。牛が歩いた跡は士が掘られて,工サも見つけやすいのです。
こうしたハシボソガラスに対してハシブトガラスの場合は,木の上か電柱の上から工サを見つけて舞い降りるので,歩くといってもそう長い距離を歩くことはありません。そして工サを見つけてくわえるとすぐ木の上に戻り,そこで工サを食べます。
また,鳴くときの姿勢も,ハシボソガラスが体を前後に激しく揺するのに対し,ハシブトガラスは姿勢を保ったまま,カア~カア~という声にあわせて尾を真下に下げる動作をします。このへんも両者を区別するポイントです。
このほかでは,ハシボソガラスは飛来して電柱などに止まった際,具合悪そうに羽を何度か折りたたむ仕草が特徴的です。
カラスの鳴き声に秘められたメッセージ 出典:『やさい畑』(2019年春号/ここまでわかった!カラスのおもしろ生態)
人の耳では聞き分けにくいが,カラスの鳴き声(ハシブトガラス)には,たくさんのパターンがあり,仲間同士会話を交わしていることがわかっています。
「アッアッアッアッ」=ご馳走を見っけ!
餌を見つけると,短い声を繰り返し仲間に知らせます。警戒時と同じパターですが,声の調子が軽やか。
「アーッ」=おはよう!ご飯食べた?
「アーッ」と尻上がりに一声鳴き,繰り返しがなく,声の調子が優しげ。エサ取りが一段落して複数でいるとき1羽が鳴くと,複数羽が返す。
「ゴワァッ,ゴワァッ,」=苦しい!助けて!
猛禽類に襲われた時などは,濁った声を喉で転がすように鳴く。
「クワァッ,クワァッ,クワァッ」=気をつけろ 危ないぞ! コノヤロー!
警戒時は,ケンカの時より短いリズムで,より強い調子で鳴く。警戒度合いが強まる程一声鳴きが短く,繰り返す回数が増える。
「グワァー,グワァー」「グワァー,グワァー,グワァー」=それ以上は近づくな!
濁りのある声を力強く繰り返す。子育ての時期によく聞かれる。
■ ヒヨドリ
全長約28㌢,翼を広げた長さは約40㌢,体重は70~90㌘で,スズメやハトの昼間的な大きさで,害虫のいない冬の畑に行ってみたらキャベツやハクサイの結球部がボロボロに食い荒らされていたら犯人は間違いなくヒヨドリ。被害は寒気を迎え甘味の増す1~2月のアブラナ科野菜に集中し,身軽で口ばしの破壊力は強く,頭のいいカラスに効いたテグス防除方法が通じない事もあり,器用な口ばしから菜園を確実に護るには,費用対効果面から植え付け面積に合わせ防鳥ネット(目合い3㌢で口ばし届かないよう野菜とネットの間をあける)で覆うか,ネット袋(値段の安価なメッシュ状のタマネギ袋)で一つずつ覆う対策が効果的と,ヒヨドリ対策が『やさい畑』2014年冬号の「畑の狼藉者」に紹介掲載されていました。
なお,平成26年12月13日(土)/南日本新聞には「ヒヨドリ被害農作物対策を 鹿県呼び掛け」とのベタ見出しで,
鹿児島県は12日,昨年よりヒヨドリが多く見られるとして,農作物への注意を喚起した。目の細かい防鳥網の設置や,餌となる生ごみなどの放置を避けるよう呼び掛けている。県農村振興課によると,ヒヨドリは北薩や大隅で多い。甘いものを好むため,温州ミカンなど,収穫を控える果樹への被害が懸念される-との報道が。
※平成27年2月23日から我がこざ園へは,南帰行途中に飛来したヒヨドリの襲来を確認し,キャベツ・のらぼう菜・タアサイへ・ブロッコリー・フダンソウに食害を確認し,慌てて防鳥ネットの代わりに寒冷紗・不燃布で覆って対策を。なお,ツバメの飛来を初見した3月22日を境に,ようやくヒヨドリも南帰行したようで姿を見かけなくなりほっとする。
また,平成30年の1月中旬からは,南に帰るのを忘れ地鳥となって裏山に住み着いたヒヨドリが,単体ながら里に降りてき小菜園に姿を見せるようになったので,右写真にある「カー助」を膨らまし棒の先に吊るしてキャベツ畝に設置しましたが,2月末から南に下る際に群れで訪れるヒヨドリの大群による食害対策としては,「カー助」数個の脅しだけでは防げませんので,葉物野菜の畝全体を防鳥ネットや寒冷紗を被せて防ぐしか対策は無いようです。令和3年1月からは,ヒヨドリの南下襲来に備え右上写真にある6本の吹き流しの不規則な揺れ動きが害鳥を威嚇し,吹き流し周辺一帯の害鳥の飛来を抑止する「防鳥・吹き流し」を,キャベツほ場に「カー助」に加え新たに設置しました。
ヒヨドリ 益鳥と害鳥の両面性
鹿児島では以前,焼酎のさかなとして食されることもあった。その後長らく保護鳥だったが,農業被害がひどくなり1994年からは狩猟鳥。農作物被害は年によって変動するがハト,カラス,スズメ,ムクドリ,カモ類などとともに“悪者”の筆頭に挙がる。ただ有害烏の側面だけでなく,害虫などを食べてくれる益鳥であることも忘れてはならない。
子育て期間にあたる春から夏は昆虫類などの動物食がメインになるが,冬場は植物食が中心。カキ,ミカンなどの果実,キャベツ,ハクサイ,ブロッコリーなどの野菜のほか,桜の花や花の蜜も好んで食べる。体長は28㌢ほど。
平地と山地間の短い距離を移動するものと北の地方から南の地方へ長距離の渡りをするものがいる。スズメやカラスがいないような離島にもいて,日本で最も広範囲に見ることができる種の一つ。国外ではサハリン,朝鮮半島南部,台湾,東南アジアなどで見られる程度で,世界的には局所分布する珍しい鳥。 令和3年11月13日/南日本新聞『かごしま鳥紀行』
※『家の光』2010年8月号には,「みんなで畑を守れ 必見の鳥獣害対策」が,『やさい畑』2010年夏号には,「あの手この手の鳥害対策」と,それぞれの対策が紹介されていました。
※農林水産省HP内鳥獣被害対策コーナーの野生鳥獣被害防止マニュアルー鳥類編(平成20年3月版)では,鳥類の基礎知識・被害防止対策・被害対策の取組事例・関係資料がPDF版で紹介されていました。
※平成23年10月4日と12月6日の南日本新聞にカラス研究の第一人者である宇都宮大学農学部の杉田昭栄先生の研究で,カラスが「数の大小を認識/人と同じ思考か」,「一年後も色を覚えている/記憶は人間以上?」との興味深い研究成果の発表記事が掲載されていましたので,同2編の記事をPDF版で。
※『家の光』2012年10月号の「菜園メモ」には,「鳥獣害から菜園を守る」が掲載されていました。
※『現代農業』の平成24年12月号の記事の中に,山梨県総合農業技術センターの本田剛氏の「カラスよけには,キラキラワイヤーよりも つや消し黒ワイヤー」右図の実証実験結果の紹介がありました。
参考文献:『鳥害の防ぎ方』藤岡正博・中村和雄共著(家の光協会),『カラス おもしろ生態とかしこい防ぎ方』杉田昭栄著(農文協),『最新の動物行動学に基づいた動物による農作物被害の総合対策』江口祐輔監修(誠文堂新光社),『鳥獣害ゼロへ!─集落は私たちが守るッ』日本農業新聞取材班著(こぶし書房),『本当に正しい鳥獣害対策Q&A』(誠文堂新光社),『現代農業』(平成30年5月号),『農家が教える鳥獣害対策 あの手 この手』(農文協),『やさい畑』(2019年春号/賢いカラスの追い払い方)(家の光協会),『実践事例でわかる獣害対策の新提案』(家の光協会),『動物の行動から考える決定版 農作物を守る鳥獣害対策』(誠文堂新光社)
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平成22年10月8日(金)の南日本新聞・くらし面の『晴耕雨悦』に,私のスイカ畑と一緒のスイカをタヌキ?に荒らされた模様が東串良町出身の作家・木村幸治氏の随筆で紹介されていましたので記事を掲載いたします。
平成21年は,7月19日の朝(父の命日に墓前にあげる予定)にカラスの被害に遭い,平成22年こそはと思って遅ればせながら6月8日に小玉スイカの苗を購入し植え付け,日々生長を楽しみにしていたスイカが最初の被害を被ったのは,8月7日の朝,子供会の夏季ラジオ体操に出かける前の見回りでは,被害はなかったものの,帰宅後の見回りではカラスの餌食に。慌てて防鳥ネットを張ったのですが,その後,8月19日には,残りのスイカ全部が見事にタヌキの被害に遭い,まともには1個も収穫できず,鳥獣の食害に対し腹立たしく,即日被害に遭ったスイカ畑は,見たくもなく即耕耘し,石灰を撒き整地し,その後には,ゴボウの種を播きました。父の墓前にと毎年,電気牧柵で囲い栽培した大きなスイカを届けてくれているさつま町山崎の従兄も,高齢になり平成25年夏に届けてくれた際に,「これが叔父さん叔母さんの仏前にあげる最後のスイカ」だと言っていましたが,平成26年も近所に住む甥便で今夏も2回にわたり届けてくれました。
なお,平成25年は,購入した苗を隠すように植え付け生育を見守ってきましたが,カラスではなく,ムジナに最後の段階で見事に失敬されてしまい,平成26年からは,天上からのカラス,地上からのムジナの鳥獣害から収穫直前の被害を防ぐ対策として,竹支柱で作った三角屋根に蔓を伸ばした空中栽培で,小玉スイカの栽培に挑戦し,辛うじて被害に遭わず口にできるようになっています。
※我が自治会内のタヌキ交通死亡事故視認状況報告=平成22年は2体,平成23年は1体。平成24年は1体。平成25年は0体。平成26年は0体。
鳥獣農林業被害 集落ごとの対策が重要
2012年度に鹿児島県内で発生した鳥獣による農林業被害が,前年度比26%増の8億1千万円に上ることが県の調査で分かった。ヒヨドリ被害の急増に加え,シカ被害が増えたことが要因で,被害額は過去8年間で最悪だった。
県内の鳥獣による農林業被害は,05年度に5億8100万円だったが,07年度は4億7700万円まで減少した。しかし,その後は増加傾向にあり,10年度は7億6200万円に急増した。12年度に10年度を超える8億円台の被害を出したのは残念である。鳥獣による被害は農作物などの出荷額減少につながるだけでなく,農家の営農意欲減退を招き,結果的に耕作放棄地が増えるなどの副作用をもたらす。数字に表れる以上に被害は深刻である。
県は農地や集落に電気柵などの設置を進めている。被害にあった農家,林業者は,個人の鳥獣被害防止対策では限界があることを認識し,集落ぐるみの対策で被害を防ぐ工夫を重ねてほしい。
12年度の農林業の鳥獣被害額は農業関係が6億8600万円(前年度比32%増),林業関係が1億2300万円(同3%増)で,農業関係が85%を占めた。農業被害が急増したのは,11年度に2300万円だったヒヨドリの被害が12年度は1億4千万円と6倍に達したためだ。ヒヨドリは10年度も2億3100万円と大きな被膚を出している。抜本的な対応策の確立が重要である。
見逃せないのは獣類の被害が増えている点だ。イノシシ被害は2億5500万円で前年度比3.3%増だったが,シカは2億7300万円で21%も増えた。サルを含めた獣類の被害額は6億300万円で全体の74%を占める。
県内では,08年2月に施行された鳥獣被害防止特別措置法に基づき,県内43の市町村のうち,被害がある38市町村すべてが「被害防止計画」を策定し,具体的な被害防止対策に取り組んでいる。だが,「鳥獣被害対策実施隊」を設置したのは,13年4月末現在で29市町村である。被害のある全市町村で結成が急がれる。
姶良市蒲生町柊野地区では,10年度に獣類被害が45万円あったが,集落全体でやぶを払い,侵入防止柵を設置した結果,12年度はほとんどなくなった。他集落もこうした事例を参考にしてほしい。県内の耕作放棄地は11年度で1万8600㌶に達し,全国一多い。これ以上,放棄地を増やさないためにも,農家の生産意欲を減退させる鳥獣被害の根絶は重要である。農業,林業が力を合わせた抜本的対策の構築が重要である。
平成25年7月21日(日)/南日本新聞 社説
※平成27年6月11日の南日本新聞に「アライグマか目撃情報続々 タヌキ・アナグマと酷似 多い見間違え」の見出しで,鹿県内で特定外来生物のアライグマが確認されたとして同小動物の特徴等(①顔つきはタヌキやアナグマに似ている ②耳が大きく白い縁取りがある ③鼻筋に黒い線がある ④体色は灰色に近く,タヌキに比べ白っぽい ⑤尻尾が長く5~6本のしま模様がある ⑥足あとは人間の子どもに似ている)が県のHP上で公開されており,周知用のチラシも掲載されていました。被害例としては,ミカンの皮を剥いて食べたり枝ごともぎ散って食べたり,スイカは中身だけをくり抜いて食べるなどの悪戯事例が紹介掲載されていました。
※平成28年10月6日の南日本新聞に「10年間で40倍超 アナグマ捕獲 鹿県急増 農作物へ被害 食肉に加工も」の見出しで,我が小菜園では夏場はスイカを失敬し,9月以降はミミズを捕獲するためか土寄せした野菜の根元を鼻で掘り起こしたり,せっかくきれいに畝上げした上に足跡を毎晩残して立ち去っている「むじな」=アナグマに関する鹿県内の状況が報じられていましたのでPDF版に編集して掲載。
※市から自治会を通じ全世帯に配布される「広報さつませんだい」の平成29年1月10日号のお知らせ欄に我が小菜園から北に10㌔離れた場所での事案として,次の記事を見つけました。
■特定外来生物アライグマについて
本市では,特定外来生物に指定されているアライグマと思われる小動物が,陽成町旧下大迫自治公民館付近の水田や城上町今寺橋付近で目撃されています。北米原産のアライグマは,愛くるしい外見とは逆に凶暴な性格です。繁殖性も高く,住み着いた地域周辺の農作物に被害をもたらすほか,生活環境,生態系への影響も懸念されます。
このため県や市では,現在アライグマの情報を広く集めています。お住まいの地域周辺でアライグマを見かけた際は,連絡先まで情報をお寄せください。
〇尾は長く(20~41㌢程度),リング状のしま模様 〇眉間に黒い筋,目の周りのマスク模様は大きい 〇足跡は5本の指がはっきり分かれ,人の手に似る 〇かかとまで地面に付けて歩く
〇全体的に白っぽい,足は白い部分が多い 〇ヒゲは白く目立つ 〇耳は大きく白い縁取り
【連絡先】県庁自然保護課野生生物係099(286)2616 北薩地域振興局林務水産課(25)5509 本庁林務水産課林業振興G(内線4271)
我が小菜園を荒らす獣対策は
私の小菜園での獣食害としては,6月以降には防獣ネットで囲んだトウモロコシの裾から侵入し,7月以降には空中栽培で生育中の低いカ所に実を着けた小玉スイカに手を伸ばし。まだここまでは許容範囲でしたが,10月以降にはネギと自然薯の根元を毎晩のごとく。そしてかんしゃくがついに切れたのは,スローライフを標榜する中にあって10月中旬以降になって北海道が夏場の台風襲来で出荷用の種ジャガイモが全滅し,ようやく入手した種芋を植え付けた秋ジャガイモの畝を全面掘り返し,まだ肥大していない子芋が掘り出されるまでの被害に遭ったことです。
許しがたい食害をもたらす小動物=むじな(アナグマ)は,小菜園に面した裏の市道に設置された側溝を寝床としており,お隣の雨水流入溝との間から毎晩出没することまで把握し,出入り口を板切れで閉鎖してみましたが,側溝上を通過する車の車輪で踏み割られてしまうため,同カ所への進出防止閉鎖板の設置を諦めざるを得なくなる中,平成27年までは夏場のトウモロコシとスイカ食害で止まっていたのが,平成28年になって秋以降も出没し,ミミズを捕食するため鼻や手を使って土を掘り起こし,朝方同痕跡を発見しては,悪戯か所を「またか?」と舌打ちしながら掘り起こし土を戻す作業を繰り返してきましたが,家庭菜園の各種管理グッズを取り扱う市内のホームセンターの新聞折り込みチラシに「ハクビシンなぜ逃げる」を見つけ,ハクビシンに効くならアナグマにも効果が期待できるのではと早速同店舗の展示商品を見学に。先客のご夫婦が「わなで捕まえられないのに,こんな色物で防げるのやら?」と言って立ち去られましたが,市立図書館から借りて読んだ「最新の動物行動学に基づいた動物による農作物被害の総合対策」(誠文堂新光社)で紹介されていた「ハクビシン,アライグマ被害防止柵 埼玉方式『白落くん』」設置は大げさすぎるし,わなを購入するとなれば9千円から2万円もするし,既にわなを設置している近所の見習い農家仲間が設置したわなでの捕獲効果なしとの報告を受ける中,わな狩猟免許を持たない中,狩猟免許を持っている職友に捕獲後の処理を尋ねたら「川内川に持っていって潰しておけば!」とのそっけない教示があったが,小菜園出没の小動物との共存・共生の観点から獣の忌避効果(臭い・色・揺れ)をもって畑への侵入を防ぐTYN害鳥獣対策研究会(新潟県三条市)の吊り下げシ-ト(右上写真)を購入し設置しました。激辛シートの効果は1年間で6枚シート入りで2,672円の商品です。なおシートの設置に合わせ,夜間になったら自動で点灯するソーラーライトも買い求め建て込み,結果として平成28年は秋ジャガイモ畝を掘り荒らす小動物からの被害を防ぐことができました。
平成29年8月号『広報さつませんだい』の7面に「市民みんなで防ぎましょう! 有害鳥獣駆除」の見出しで,
市内では,イノシシ,シカ,サルやカラスなどの有害鳥獣による被害が増加しています。被害防止のポイントを学び,有害鳥獣を寄せ付けない環境づくりに取り組みましょう。
①「寄せ付けない」ための取り組み 被害増加の最大の原因は,知らず知らずのうちの「餌付け」です。「餌付け」に相当する行為を見直し,寄せ付けない環境をつくりましょう。
②「侵入を防止する」ための取り組み 一般的には,有害鳥獣は臆病で人を恐れます。その性質をうまく利用したのが「緩衝帯」です。
③「個体数を減らす」ための取り組み 被害拡大を防ぐために、地域の猟友会の協力を得て、有害鳥獣の駆除を実施しています。捕獲にのみ頼るのではなく,野生鳥獣を見掛けたら必ず追い払うようにしましょう。集落・市民ぐるみの追い払い活動の取り組みが,より効果的な被害防止につながります。―との記事が掲載されていました。
因みに平成29年は,防獣ネットで囲み,合わせて激辛シートを吊るした効果で数年ぶりにトウモロコシの収穫が楽しめましたし,小玉スイカも収穫できました。(空中栽培で生育した小玉スイカは,地上部に近く手が届く高さに実を着けたのは,引きずり降ろされて食害に遭いましたが,これは獣との知恵比べを繰り返しながら共存・共生していくという我が小菜園の観点から許容の範囲とし,裏の市道で交通事故に遭いお陀仏となっていたアナグマの死骸1体には,憎き相手ながら手を合わせ新聞紙に包み燃えるゴミとして処分を)
また,夜行性の獣なのに夏場日中出没した際は,休憩所で一服中に目が合い,ほ場周囲に巡らしたU字溝まで追い込み両側をブロックで閉鎖し捕獲できたと喜んだものの,U字溝は径20㌢のパイプで埋め立て宅地の都市下水路につながっており逃げられてしまいました。
令和元年の11月には,自治会便りと自治会放送から「屋外に野菜を置かないように」との注意放送がありましたが,最初は400㍍離れたカ所での食害発声でしたが,11月末には130㍍離れたほ場にまで猪が出没し秋ジャガイモ畑が,鹿児島弁で言う「ちりんガラッと」猪に荒らされる事案が発生,猪の目撃情報も。この歳になるまで我が郷中内の畑にまで猪が出没したことはなかったのですが,TVニュースによると全国的に猪が住宅地にまで出没するようになってきているようですね。
令和2年1月9日の南日本新聞には,「年明け直後“お役御免”のイノシシ 青信号の横断歩道渡る 帰る途中?マナー守って感心」の見出しで天大橋先の住宅街の市道上で横断歩道を渡るイノシシの写真が読者の投稿で記事になっていましたが,1月10日に回覧板で届いた『国分寺自治会便り』には,昨年11月以来郷中内に出没し秋ジャガイモ畑を荒らしていた猪が,市の林務水産課が隣接の下台自治会内にある国指定史跡国薩摩国分寺跡史跡公園内に設置していた罠に,先月21日にかかっていたそうで,体重は40㌔もあったとか。この罠にかかった1頭だけで獣害が済めばよいのですが。
みんなで防ごう~農林作物への有害鳥獣被害~ 『広報薩摩川内』令和6年7月号vol.474
本市ではイノシシ、シカなどの鳥獣による農林作物への被害が依然として増えています。イノシシやシカなどが田畑へ侵入することで、農林作物の収穫量が減ったり、畦畔を掘り起こされたり崩されたりするなどの被害が深刻化しています。「収穫できない分はそのまま放っておこう」「柵を取り付けたから安心」「捕獲してもらえるから大丈夫」そう考えていませんか?
被害防止のポイントを理解し、鳥獣を寄せ付けない環境づくりに取り組みましょう。
対策1
【寄せ付けない】ための取り組み
●収穫しない野菜や果物を放置しない
●収穫せず放置している果樹は伐採する
有害鳥獣に餌場を提供しないこと、人間は怖い生き物としっかり認識させることがとても重要です。
対策2
【侵入を防止】するための取り組み
電気柵を設置することで、電気ショックを与え、痛みにより柵は危険だと学習させることができ、農地への侵入を防ぐ効果があります。
対策3
【個体数を減らす】ための取り組み
●猟銃やわなによる駆除を実施
農林作物などの被害拡大を防ぐため、地域猟友会による、駆除を実施しています。
※わなや銃の取り扱いは免許取得が必要です。免許取得を希望される方は、間合先までご連絡ください。
市公式LINEを活用して鳥獣目撃の通報ができます
鳥獣などを目撃した際は、市公式LINEのメニュー内「もっと薩摩川内」の「市民通報レポート」から通報ができます。鳥獣以外にも、道路・河川の破損などに関する情報なども通報できますので、ご活用ください。
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ハチの被害に遭わないために+ムカデ・マムシに咬まれたら
昨年も9月になってスズメバチ警戒をの新聞報道がありましたが,Xからお墓付近でスズメバチを見かけた,黒い衣服を着けていかないようにとの注意を受けました。昨年は,ご近所のご主人が草刈機を使っていたら,刈り払った蔓草の先の一ッ葉に巣を作っていたスズメバチに右腕を刺され,「何か薬はないですか?」と慌てて訪ねて見えたことがありました。
NHKTVの『ためしてガッテン』(平成21年9月30日放映)の「緊急報告!街の殺し屋スズメバチ被害急増中」の中での「スズメパテ対策の鉄則はこれ!」スズメパテに刺されないためにはどうしたらよいのか?で,同番組が徹底研究しまとめた鉄則としては,①見つけたら 低い姿勢で ゆっくり逃げろ ②一匹でも 攻撃受けたら 全力ダッシュ ③刺されたら 搾り冷やして 病院へ……でしたが,XがJA支所から購入してきた9月号の『家の光』の「畑の情報便─不幸な“ハチ合わせにご用心”─」に,夏から秋は,スズメバチの繁殖期で攻撃性が高まり,毎年ハチに刺されて20人近くが死亡されているようです。先日はニュースで,山に入った子供達がハチに刺されたとの報道や,庭先の草取り中のご婦人が全身を刺されて亡くなっていたとの,いたましい事故が報じられており,皆さんの記憶にも新しいのでは。
お盆前にお墓道の草払い中に,汗の匂いに寄ってきた「虻蜂取らず」の諺にあるアブに刺されて3日間も手の甲を腫らしたことから,たかがハチとあなどることなく,農作業中のスズメバチ対策について,「泣きっ面に蜂」のような痛い思いをしないために同書の中で,30年近くスズメバチの研究に携わってこられた玉川大学農学部教授の小野正人先生の対応策(アドバイス)を学習してみました。
なお,スズメバチは,むやみに人を攻撃しないが,巣を守るために人を刺すのだそうです。
また,スズメバチのことをクマンバチと言うこともありますが,スズメバチが攻撃性が強いのに対し,クマバチは,黒くて丸っこくて羽音が強烈で獰猛なハチの印象がありますが,温厚な性格でひたすら花の蜜を求めて飛び回り,人様には関心を示さないハチです。
- 農作業に着手する前に,目視で圃場周囲に巣がないか調べる。「カチッ,カチッ」と見張役のハチが大きな顎を使って鳴らす警戒音が聞こえたら,1~5mの範囲内に巣が。
- 数匹のスズメバチが近づいて来ても,手で払う等の刺激を与えず,絶対に走って逃げることなく,慌てずゆっくりその場から後ずさりし,その場から離れる。
- 万一刺されてしまったら,1~2分以内に,爪や指先(口で吸いだすのはNG)で,血と一緒にハチ毒を絞り出し,患部を流水で10~15分冷やした後に,抗ヒスタミン軟膏を塗り安静に。
- じんましんや発熱,おう吐,息苦しさ等の全身症状が現れるようなら医師の診断を。
- 黒色の服は,スズメバチの防衛本能を刺激し,危険性が高いので,白系の服装(帽子も)で。
- 整髪料や香水,化粧品の匂いに反応し,近づいてくることもある。
我が国に生息するスズメバチ
オオスズメバチ(体長27~38㍉),キイロスズメバチ(18~25㍉),ヒメスズメバチ(25~35㍉),コガタスズメバチ(22~25㍉),モンスズメバチ(20~28㍉),チャイロスズメバチ(17~25㍉),ツマグロスズメバチ(20~25㍉)
※身近なハチとして,軒下や植え込みにレンコンを切断したお椀方の巣を作るアシナガバチも気になりますよね。体長2㌢前後で足をぶらりと下げて飛び回りますが,スズメバチのような攻撃的性格のハチではなく,基本的にはおとなしい性格のハチで,巣を突いたりして刺激しない限り,人を攻撃することはありません。活動が鈍る夜間の時間帯に市販の殺虫剤で簡単に駆除できます。
Xから「アシナガバチが,軒下に巣を作っている」との相談を受けましたが,アシナガバチは毛虫などを食べる益虫で,巣を刺激したり,手でハチを払ったりしなければ,刺されることはないから心配しなくてよいと応えておきました。
アシナガバチに刺されると痛みと腫れを引き起こします。普通は数日で治りますが,ハチ毒のアレルギー体質になっている者は全身症状を起こすことがあり,注意が必要です。もし刺されたら,刺された部位を強くしぼり水で洗い傷口を冷やすと毒の体内への吸収を遅くすることができます。その上で,抗ヒスタミン軟膏かステロイド軟膏を患部に塗ってください。なお,アンモニアは効果はありません。東京都豊島区の公式HP内に「アシナガバチに刺されたら」の対処方法が掲載されていましたのでご覧ください。
スズメバ千に刺されても青柿があれば一安心
夏に活発になるスズメバチ。埼玉県三芳町に住む清水勇さんは,「もし刺されたとしても,青柿があればまったく腫れないよ」とにっこり。スズメバノチに刺されたら,熟していない青柿をもぎ取り,軽く踏んだり,皮を剥いたりして汁を出します。汁が滴る青柿を患部に押し当てて塗り込めば,痛みはスーツと引いていき,不思議と腫れないそうです。注意点は刺されてから30分以内に塗り込むことと,甘くないカキを選ぶこと。青柿でも,かじって甘ければ,効き目はありません。
以前,草むらのスズメバチの巣に気づかなかった友人が,うっかり巣を蹴ってしまい,何カ所も刺されてしまいました。清水さんが急いで青柿の汁を塗り込んであげると,痛みが引いて腫れずにすみ,友人にとても喜ばれたそうです。
「ハチに刺されやすい夏は,カキはまだ青くて渋いでしょう。うまいことできてるよねえ」と清水さん。なるほど,本当にそうですね。 『現代農業』(平成30年9月号「あっちの話」から)
◆スズメバチ同様に,農作業中に被害に遭うのがムカデに手足を咬まれる被害です。もしムカデに咬まれたら,先ず咬まれた傷口に毒爪が刺さって残ったままのようなら,この毒爪を毛抜きで取り除き,次にやけどをしない程度の熱い43℃以上の温水シャワーで患部を温め,シャンプーや洗剤で皮膚の表面をしっかり洗うことで毒性が弱まり痛みが消えます。間違っても冷やしては駄目です。
※平成24年9月24日(月)の南日本新聞に「スズメバチ警戒を 鹿県内の駆除相談 夏以降増加 刺激せず後ずさり 刺されたら即受診」の記事が5段見出しで掲載されていましたので。同記事をPDF版に編集して紹介します。
※平成25年10月7日の南日本新聞に「完全防護 一気の勝負 スズメバチハンター」の見出しでハチの巣駆除業者の特集記事が掲載されていました。
素人には難しいスズメバチハンターは鹿児島市の野村功策さんで,全身を覆う防護服を着用し,アルコール入りの袋で巣を一気に覆って根元を鋸で切り落として処分するという作業で,作業時間は2分程度。本業は運送業で,ハチの駆除に当たっては「ハチが好きで,本来は害虫を駆除する益虫。人間と共存していけるはず!」と複雑な心境で,駆除剤を使わず依頼を受けてはスズメバチの駆除に飛びまわっておられると記事には。
※前日,「非常に強い」と表現された台風24号が,県内では与論島や沖永良部では建物の全半壊被害をもたらしつつ東シナ海を足早に上陸することなく北上し,台風一過の上天気となった平成25年10月9日の夕刻,班長さんが「上陸すれば大変じゃったいどん台風が来んで良かったなぁー!」との挨拶とともに届けて頂いた『広報さつませんだい』10月号の中に,薩摩川内市消防局編集の『みんなの119』の記事に「スズメバチに注意しましょう! スズメバチは,今からの時季は活動が活発になり注意が必要です」として,
注意事項①巣を見つけても近づかない。 ②追い払おうとせずに逃げる。 ③身を低くし,後にゆっくり下がりながらその場を離れる。 ④草刈や伐採作業をする場合は,巣が無いか下調べをしてから行う。
軽 症=じんましん,全身のだるさ,息苦しさを感じる
中等症=のどが詰まった感じ,胸苦しさ・口の渇き,腹痛・おう吐・下痢・頭痛・めまい
重 症=意識がもうろうとなる,さらに悪化すると⇒けいれんや意識消失,血圧低下 ※重症の場合,ショック症状を超こし死に至ることも!!
対処法
●刺された場所が巣の近くなら,すぐに巣から離れる。
●傷口を水道水などでよく洗い流し,手で毒液を絞り出す。(ロで傷口を吸い,毒液を出そうとしない)
●患部に虫さされ薬(抗ヒスタミン剤)を塗る。(アンモニアは全く効果がない)
●軽症でも速やかに医師の診察を受ける。
●ショック症状が見られたら緊急を要するので,人を呼び救急車を要請する。
※「現代農業」平成27年4月号の「あっちの話 こっちの話」に虫刺されにパッチリ効く,ムカデ油と題した,次の投稿が掲載されていました。
佐伯市に住む山本美枝子さんに,虫刺されの特効薬の作り方を聞きました。250ccほどのジャム瓶に,サラダ油を三分の一程度入れます。そこに,生け捕りにしたムカデを1~2匹入れるだけ。1カ月ほど置けば,ムカデ油の完成です。
ハチやアブに刺されたところにムカデ油を塗ると,見る見るうちに腫れが引き,痛みがスーッと治まるそうです。なかでも,ムカデに噛まれたときの効き目は抜群。捕獲に失敗して噛まれたとしても,ムカデ油があれば大丈夫。
「ムカデの毒が効くんだな。毒をもって毒を制すとはまさにこのこと」と美枝子さん。友達に作り方を教えてあげたところ,たいそう効いたと喜ばれたそうです。
この話をもとに,空瓶にサラダ油を8分目まで入れておいた容器を,庭先の何時でも手の届く範囲に生きたムカデを捕獲する前から準備しておき,手袋をはめた手で捕獲した小中四匹のムカデを,瓶の口から逃げないようにとサラダ油入りの瓶の中に注意しながら落とし込み浸けこんで,わが家でも右写真の「ムカデ油」をつくって,いつでもハチやアブに刺されたり,ムカデに噛まれても大丈夫なように準備してあります。
※林野庁のHP内に,我が国では,野外で作業する林業従事者はもとより,一般の人々も含めて全国で毎年20人強の方が蜂刺されで亡くなっています。「蜂刺され災害を防ごう」として,①蜂の攻撃の特徴 ②刺されたときの症状 ③蜂被害を防ぐには―が紹介されていました。
■マムシに咬まれた場合の応急処置=大概は人間の不注意によって発生します。水辺の草むらに不用意に踏み込んだり,岩の隙間に手をかけたり,落ち葉を手で払ったり…たまたまそこにマムシが潜んでいたら咬まれることがあります。
いずれにしても,マムシに咬まれないことが第一ですが,万が一にも咬まれた場合にはできるだけ早く病院で治療を受ける必要があります。
マムシ咬傷の応急処置としては「傷口を切開しない,強く縛らない,慌てない」ことが大事です。傷口を切開しても,傷の治癒に時間がかかるだけで,マムシ毒を排除する効果はあまり期待できないようです。せいぜい咬み傷周辺を指で強く圧迫して,血液とともに毒を絞り出すくらいが良いでしょう。
また以前は,傷口より心臓に近い部位を軽く縛ることが推奨されていましたが,現在では縛らない方が良いとされています。縛っても効果はほとんどなく,逆に出血毒を滞留させることで筋肉壊死をひどくさせるなどの悪影響が指摘されています。毒素の廻りはそれほど速くないので,まずは落ち着いて行動しましょう。周辺の人々の協力も得て,なるべく安静を保つようにして病院に行き治療を受けます。病院での治療は血清投与が中心になります。
かまれる人多い季節/「秋マムシ」に注意/田畑や郊外どこにでも生息/強毒,治療怠ると命の危険性
平成27年9月21日の南日本新聞『かごしま発』欄に「秋マミシに注意」と題した記事が。
夏から秋にかけては毒蛇のマムシの活動期だ。この時季のマムシは「秋マムシ」とも呼ばれ,子をおなかに抱えた雌が日光を求め,道路などで目にする機会が増える。強毒を持ち,治療を怠ると死ぬこともある。稲刈りの季節を迎え,いっそうの注意が必要となる。医師からは,「噛まれたら救急車を呼んで病院で治療を。治療が遅れるほど腫れて,毒も回る」との注意が。
出典:『家の光』平成24年9月号
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新聞情報から学ぶこと
毎朝届く新聞情報の市況欄に,南日本新聞を例に紹介しますと,「県内産地別県外青果」(東京や大阪等の市場に出荷されている県内産の青果の値段が鹿児島県経済連調べで)・「青果」(鹿児島市場に入荷されている県内外産の青果の値段が九州農政局鹿児島農政事務所統計部調べ)が掲載されていますので,出荷・入荷状況の多寡から「今,旬の野菜は」・「どこが旬の産地か」・「この時期に,もし私が市場に出すとしたら,露地栽培の場合,逆算して○月に種蒔きすれば」等を把握できますよ。
南日本新聞の「エンジョイ園芸/野菜編」欄は,鹿児島で適した野菜栽培に関し鹿児島県農業開発総合センターの先生が執筆されています。多くの農事書は,関東圏を中心とした栽培期で書いてあり戸惑うこともありますが,鹿児島の先生が執筆された記事ですのでスクラップされていますと,自分が種蒔きする際,大いに重宝されること間違いなし。
平成23年3月11日で「野菜編」は,終了しましたので,『ソゲン言っても,これまで“いけんやせ”(どんな野菜)の記事が?』と,お気になられる方のために,平成19年1月から平成23年3月までの記事51編をPDF版で紹介します。
※なお,農業に無関心の時代の平成19年~平成20年の記事は,スクラップなんかしておりませんでしたので,市立図書館の図書館司書に相談し,2階倉庫内棚に1カ月分を2分冊にして保管中の分厚い南日本新聞を,閲覧机に持ち出してもらい,月1回掲載の記事を見つけは,1階のコピー機まで運びコピーして頂いたものです。
※平成23年3月10日を最後に連続掲載が終了していました「エンジョイ園芸/野菜編」が,家庭菜園を愛する本県読者の熱き声に応え,2年10カ月ぶりに平成26年1月16日から「くらし面」で続再開掲載され,毎月第2木曜日に掲載されるとの記事を見つけ,続けてスクラップ編集を続開いたしました。同じ野菜の紹介(例:平成26年1月紹介のホウレンソウは,平成19年9月にも紹介されています)もあるようですので,新旧①・②と表示し読み比べることで2倍学習できると思って読むことに。
「エンジョイ園芸/野菜編」にかわり平成29年4月から南日本新聞に『はじめる!家庭菜園』が鹿児島市都市農業センターの協力で月1回連載が始まりました。復習を兼ねPDF版に編集して掲載しています。
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≪目に留まった新聞記事≫
九州南部 過去最も高温 6~8月、平年より1.2度高く
九州南部の今夏(6~8月)の平均気温が1946年の統計開始以降、最も高かったことが11日、分かった。太平洋高気圧が持続的に強く西に張り出したのが主な要因。鹿児島市の猛暑日は同日までに年間40日となり、過去最多を更新している。鹿児島地方気象台によると、気温の高い状態は10月上旬にかけて続く見込み。
6~8月の九州南部の平均気温は平年を1.2度上回った。7月(平年比プラス1.8度)、8月(同1.5度)ともに過去最高の記録的な高温だった。奄美地方も6~8月の平均気温が平年を0.9度上回り、過去最高だった。
6~8月は鹿児島市の平均気温は平年より1.3度高い28.3度。日本全体でも平均気温が平年を1.76度上回った。昨夏と並んで歴代1位となり、気象庁は今夏の暑さを「異常気象」としている。
気象台によると、暑さの要因は①偏西風が日本付近で北に蛇行し、高気圧に覆われ続けた②太平洋高気圧が持続的に強く、西に張り出した③高気圧の圏内で日射が強まり、下降気流が地表の暖かい空気の上昇を抑えた―Iなど。春まで続いたエルニーニョ現象や地球温暖化も影響している。
東シナ海の海面水温も平年と比べて高い。台風10号の通過でいったん下がった所もあったが、30度超の高い状態が続いている。
鹿児島市では9月に入り、最高気温が35度を下回っていたが、9日に35度を観測し、今年40日目の猛暑日となった。気象台は、7月上旬からの気温が高い状態が今後さらに1カ月程度続く見込みとしている。
令和6年9月12日(木)/南日本新聞
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今夏も記録的高温か 野業への打撃懸念 果樹、コメ影響恐れ
日本列島は、梅雨明けを待たずに厳しい猛暑が続く。7月には静岡市で今夏初めてとなる最高気温40.0度を記録。今週後半から梅雨空が戻って暑さは一段落するとみられるが、地球規模の現象も影響し、昨夏に続いて記録的な高温となる恐れがある。熱中症など健康被害だけでなく、農業への打撃も懸念される。
全国的に梅雨期間だが、最近の約1週間の厳しい暑さは気象庁のデータにも表れている。全国914の観測点のうち、最高気温35度以上の猛暑日は8日まで4日連続の100地点超。猛暑日を含めた30度以上の真夏日の地点も6日連続で500地点以上となった。猛暑に見舞われた各地で、熱中症による救急搬送が相次ぎ、死者も出ている。
猛暑が落とす影は農作物にも及ぶ。農林水産省は高温対策を呼びかけているが、すでにサクランボは平年より不作となる見通しという。担当者は「ほかの果樹も実が付く時期になり、非常に心配している」と不安を募らせる。
記録的な高温となった昨年はコメの産地で影響が広がった。昨年産米は、一部でコメ粒が白く濁る「白未熟粒」が発生し、高値で売買される1等米比率の全国平均は過去最低となった。最近のコメ価格の値上がりは、猛暑で流通量が減ったことが要因の一つとされる。
新潟県は今年、高温下で疲弊する稲への栄養を確保するため、肥料をまく量の基準を引き上げた。全国農業協同組合連合会(JA全農)新潟県本部は「猛暑での作業は農家への負担も大きい。今後の影響を注視したい」(担当者)と説明する。
直近の暑さは、梅雨前線の影響でいったん収まるとみられるが、今夏全体では、昨年と同様に気温上昇が見込まれる。前提になるのは地球温暖化の影響で、地球全体として大気の温度が高い状態が続いている。
さらに高温をもたらす鍵を握るのが、南米ペルー沖の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」だ。赤道付近の海面水温が太平洋の東側(ペルー沖)で低く、西側(インドネシア付近)で高いラニーニヤの傾向が現れると、夏の暑さをもたらす太平洋高気圧は、日本列島付近への張り出しが強まりやすい。
さらに上空には大陸からチベット高気圧が張り出し、本付近では二つの高気圧が重なる。温暖化の影響に、高気圧の重なりで暖かい空気に覆われやすい状況が加わり「猛暑になりやすいパターン」(気象庁の担当者)が出現する見通しだ。
令和6年7月10日(水)/南日本新聞
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喜入のイモゾウムシ 「芋栽培控えて」国・県が説明会
サツマイモの重要病害虫「イモゾウムシ」が相次いで見つかった鹿児島市喜入生見町で26日、住民説明会があった。門司植物防疫所や県の職員が発生状況や生態を説明し、確認地点周辺でのサツマイモやアサガオなどの寄主植物栽培の自粛や調査協力を呼びかけた。
同地区では3、4月、家庭菜園で収穫して自宅保管していたサツマイモや、畑に伏せ込んだ芋から成虫や幼虫が計3例見つかった。
説明によると、イモゾウムシは飛ばないものの水や餌がなくても1カ月程度生き延び、餌を求めて200㍍ほど移動する。有効な誘引剤がなく、防除には寄主植物を除去するしかない。2008年に指宿市で発生した際は根絶に3年5カ月を要し、サツマイモの栽培禁止や移動制限により地域経済が打撃を受けた。
幼虫や卵の寄生は見た目に分かりにくい。まん延防止へ周辺でのサツマイモ栽培や贈答の自粛のほか、芋は室内で保管し、切れ端や皮などはビニール袋に密閉してごみ出しするよう協力を求めた。
説明会には住民約20人が集まった。家庭菜園をしている宮原正紘さん(81)は「まん延すれば影響は大きい。今年は芋作りを控えたい」、と話した。隣接する指宿市の集落でも開催を予定する。
令和6年4月27日(土)/南日本新聞
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農作業事故0に 県、春の啓発運動
サツマイモの植え付けや田植え、茶の摘採といった農繁期に多くなる死亡事故を防ごうと、鹿児島県は「春の農作業事故ゼロ運動」を県内各地で展開している。現地研修会や広報誌などを活用し、基本的な安全対策徹底のほか、近年利用が拡大するドローン事故防止も初めて呼びかける。
県経営技術課によると、県内の過去5年の累計死亡事故数は全国ワースト3位。昨年はトラクターの転落や転倒などが相次ぎ8人死亡した。いずれも65歳以上で、6人は80歳以上だった。農業機械関連の事故が多く、県はトラクターへの安全フレームの装着やシートベルトの着用徹底を促す。
ドローンは、県内でも送電線と接触する事故が発生。使い方次第では人へ危害を加える可能性もあるため、作業者向けの安全チェックブックを製作するとともに、リーフレットで農薬の適正散布を周知する。
同課の中村育生課長は「事故は身近にあるものと意識を。トラクターの運転などでは、危険な場所がないか日頃から注意してほしい」と話した。4月から6月まで。
令和6年4月4日(木)/南日本新聞
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ブロッコリー20年で倍増 22年度作付面積1.7万㌶ 栄養豊富 価格安定 指定野菜追加追い風
ブロッコリーの国内生産が拡大している。農林水産省の統計によると、2022年度の作付面積は1万7,200㌶となり、11年連続で過去最高を更新。20年前と比べるとほぼ倍増した。育てやすく価格も安定している上、高い栄養価が注目され、世界でも需要が増えている。農水省の「指定野菜」追加も追い風に、関連企業は人気野菜にまつわる商品の販売を強化する。
市町村別の作付面積で全国1位(20年度)の埼玉県深谷市。農家の矢内源太さん(31)は4年前に0.7㌶だった栽培面積を5㌶まで増やした。「一年を通じ収穫期間も長い。手入れしやすく寒さに強い」と」価格下落で採算が悪化したキャベツからの転作を続けている。
農水省によると、ブロッコリーは地中海周辺が原産とされ、国内では1970年代からよく食べられるようになった。ビタミンやミネラルが豊富で、がんなどの予防作用があるとされ人気に。筋力増強にも効果があるとトレーニングに励む人々からも注目を集める。
種苗メーカー「サカタのタネ」は、暑くても品質が落ちない品種を開発。拡大する需要に対し、夏場の生育改善で国内の普及を後押しした。同社は世界市場でブロッコリーの種の65%を供給する。海外でも欧米を中心に直近50年で急激に消費が増えており、広報担当者は「冷蔵輸送の発達で生産国が広がった。作付け場所を選ばず、どんな料理に組み合わせてもおいしい」と説明。中国やインドでは今後、消費拡大が見込まれるという。
堅調な需要に農水省は1月、ブロッコリーを「国民に必要な野菜」として26年度に「指定野菜」に追加することを決めた。1974年のジャガイモ以来、52年ぶりの追加となる。政府が指定した地域で生産し、市場価格が過去の平均に比べて大きく下回った場合、補助金を出すことで安定供給につなげる。
指定野菜追加の発表後、キユーピーのウェブサイトに公開されているレシピの閲覧回数は、前年の1カ月間と比べて2倍以上に伸びた。同社は交流サイト(SNS)にブロッコリーの「出世」を祝福するコメントを投稿。「マヨネーズは欠かせない相棒」と訴え、販促活動を強化する。
令和6年3月26日(火)/南日本新聞
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喜入にイモゾウムシ サツマイモ特殊病害虫 県本土16年ぶり
鹿児島県は14日、鹿児島市喜入生見町でサツマイモの特殊病害虫イモゾウムシを確認したと発表した。県本土では2008年に指宿市で初めて確認されて以来約16年ぶり。門司植物防疫所は「発見したらすぐに連絡をしてほしい」と呼びかける。
県などによると、家庭菜園で作ったサツマイモを自宅保管していた住民が「虫が付いている」と11日に近くの農協に連絡。自治体を経由して、同防疫所が現物を調査し、12日にイモゾウムシの幼虫やさなぎ、成虫を複数確認した。侵入経路や範囲は不明。
同防疫所は14日、一帯の植物への寄生がないか調べるため、確認地点から半径500㍍内にあるヒルガオ科の植物などを採取した。寄主植物のない地点にはサツマイモのトラップ(わな)を50カ所設置する。ともに2週間ごとに調査を実施し、最終発見日を起点に原則1年間続ける。
イモゾウムシは同じ特殊病害虫のアリモドキゾウムシと比べて、誘引剤を使ったトラップがなく、防除に時間がかかるとされる。
08年に確認された時は、同時期にアリモドキゾウムシが発生していたため、09年に指宿市内の927㌶が植物防疫法に基づく防除区域に指定された。被害品目の栽培や移動が禁止され、12年に根絶を確認した。今後の発生状況次第では、国や県、自治体が協議して防除区域指定する可能性もある。
イモゾウムシ
植物防疫法で定められた特殊病害虫の一つ。国内の生息域は奄美大島以南や小笠原諸島。体長約3,4ミリで、生育に適した温度は27度とされる。サツマイモなどヒルガオ科の植物に寄生し、主に幼虫が実やツルを食害する。サツマイモカが皮害を受けると、苦みと異臭が出て、食用にも飼料用にも使えなくなる。
令和6年3月15日(金)/南日本新聞
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農作業の死亡者半減 26年まで政府目標
農林水産省は22日、全国の農作業の事故による死亡者数を2026年までに半減させる目標を発表した。直近の統計がある22年は238人に上っていた。熱中症が原因の割合が増えており、冷却グッズの活用など安全対策研修を通じて防止を呼びかける。
農作業での死亡原因は従来、機械作業での事故が最多。一方、熱中症の割合は近年10%を超えることが多くなっている。農水省の担当者は「農作業は1人の場合も多く倒れたら気づきにくい。熱中症には特に気をつけてほしい」と呼びかける。
今後、5~7月を対策強化期間と設定し、研修を実施していく。
令和6年2月23日(金)/南日本新聞
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ブロッコリー指定野菜へ 農水省「国民生活に重要」 1974年以来の追加
サラダや弁当の具材としておなじみのブロッコリーが、2026年度から国民生活に重要な「指定野菜」に加わる見通しとなった。出荷量が増えており、農林水産省は食卓に欠かせないと判断した。新たな品目の追加は1974年(昭和49)のジャガイモ以来となる。
指定野菜は大根やキャベツなど14品目あり、国が策定した需給ガイドラインに沿って出荷団体や生産者が供給計画を作り、安定供給に努める。価格が大幅に下がった場合には国が補給金を出す。作付面積など特定の要件を満たした指定産地が対象。
ブロッコリーは指定野菜に準ずる特定野菜(35品目)に定められている。「ほかの指定野菜に引けを取らない」(農水省担当者)と判断し、野菜生産出荷安定法の施行令を改正して格上げする予定。
総務省の家計調査によると、全国の2人以上世帯で22年にブロッコリーが平均4,850㌘購入され、出荷量は15万7,100㌧あった。いずれも10年前に比べ約3割増えた。鹿児島県内では出水市や中種子町を中心に生産が盛んで、22年産の出荷量は3,080㌧で全国13位。
令和6年1月25日(木)/南日本新聞
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大雪恐れ 農作物対策 県HPに バレイショ、豆類注意
23日から24日にかけて鹿児島県内は大雪となる恐れがある。農業被害が懸念され、県は事前・事後対策をホームページに掲載した。特に収穫期を迎えた豆類や生育途中のバレイショは、1年前の寒波でも大きな被害が出たため、注意が必要だ。
露地栽培の野菜や花は事前に不織布などで覆って寒さを防ぐ。施設品目は暖房機や二重カーテンの状況を再確認し、すき間対策を徹底して気密性や保温効果を高める。
今回は平地でも積雪が予想される。ハウスはたるみがあると雪が積もり、倒壊する恐れがある。ビニールをしっかりと張り、事後は速やかに雪おろしをする。詳細は「鹿児島県 農作物等被害対策」鹿児島県/12月下旬から1月の寒害・雪害に対する農作物等の事前・事後対策で検索する。
令和6年1月23日(火)/南日本新聞
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23年県内 年間通して高温 9月の暑さ際立つ 平均気温は過去最高
2023年の夏は全国的に記録的な猛暑に見舞われた。鹿児島県内では9月の暑さが際立ち、年間を通して気温が高かった。8月の台風6号は奄美付近で迷走し、長期間にわたり各地に影響を及ぼした。今年の気象を振り返る。
鹿児島地方気象台によると、太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが重なった。9月の九州南部の平均気温は1946年の統計開始以降で最高を更新。与論28.7度、鹿児島28.3度など県内23地点で観測史上1位を記録した。鹿児島市では初めて1カ月全ての日で最高気温30度以上の真夏日となり、最低気温25度以上の熱帯夜も22日間と厳しい残暑が続いた。
九州南部の梅雨明けは平年より3日遅い7月25日。全国で最も遅く、期間は平年より10日長かった。気象庁はこの間、線状降水帯発生の恐れがあると2回発表したが、発生は確認されなかった。降水量は平年並みだった。
奄美地方では梅雨期に線状降水帯が2日連続で発生。各地で道路の冠水や土砂崩れが相次ぎ、宇検村で6集落が孤立状態となった。降水量は瀬戸内町古仁屋992㍉、沖永良部770㍉など平年の2倍を超えた。
台風は17個発生した。九州南部に唯一接近した台風6号は速度が遅く複雑な進路をとった。奄美地方を中心に県内各地に被害の爪痕を残した。種子・屋久では線状降水帯が発生した。影響が長期に及び海上輸送を直撃した。離島航路は10日間欠航し、県本土でもガソリンを運ぶタンカーが着岸できずに休業や給油制限をするスタンドが相次いだ。
今年の風水害でこれまで人命が失われていない。東京大学大気海洋研究所の佐藤正樹教授(横浜国立大学台風科学技術研究センター副センター長)は「九州では台風とともに線状降水帯が発生する可能性が高い」として複合的な災害に注意を呼びかける。
令和5年12月30日(土)/南日本新聞
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ニンジン葉活用 商品化探る
貴重な恵み 無駄なく 南さつま・自然農法グループ 塩やピザ…「野菜丸ごと味わって」
南さつま市の有機生産者でつくる「自然農法・オーガニック野菜推進委員会」はニンジンの葉の有効活用に取り組んでいる。「ニンジン葉っぱ塩」を試作したほか、飲食店の「ニンジン葉のピザ」販売に協力。「葉まで安心して食べて」とPRしている。
自然農法は、枯れ草など自然の堆肥で土を活性化させて育てる栽培法。「葉っぱ塩」は葉をフリーズドライし地元の天然海塩「坊津の華」に混ぜた。同市で11月23日にあった自然農法体験学校「ありのまま分校」の収穫祭で140個配布した。赤い「ニンジン塩」もあり、カラフルなおにぎりなど幅広い利用を提案する。
収穫祭では食堂勝八(同市坊津)のキッチンカーが葉をジエノベーゼソースにした「ニンジン葉のピザ」を限定販売。宮田勝英代表(56)は「味も良く捨てられていた食材に価値を見いだす意義は大きい」。
「葉っぱ塩」は料理教室などで使用するほか商品化も検討する。推進委員で体験学校の吉田幸一校長(68)は「食材を無駄なく使っており、子どもたちも食べやすそう」。市農林振興課の現王園仁志主査(48)は「自然農法のよさを生かし、野菜をまるごと味わえる活用を考えていきたい」と話した。
令和5年12月4日(月)/南日本新聞
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北海道 サツマイモ生産増 温暖化で栽培適地に 基腐病被害の代替地で注目
ジャガイモの産地として知られる北海道で、サツマイモの生産が伸びている。寒冷地は栽培に向かないとされるが、地球温暖化の影響もあり、手がける農家が増加。ホクレン農業協同組合連合会(札幌市)によると、年間生産量は今年初めて千㌧を超える可能性が出ている。東南アジアで「焼き芋ブーム」が広がるなど輸出が好調で、政府は重点品目と位置付ける。
10月下旬、苫小牧市にある広さ約1,900平方㍍の選果場に、トラックに積まれたサツマイモが次々と運び込まれていた。倉庫業の「苫小牧埠頭」(苫小牧市)が昨年秋、コメや砂糖向けの倉庫を改装して開業した国内最大級の施設で、洗浄から選別、箱詰めまで一気通貫で行い、1日最大10㌧を国内外に出荷する。
ホクレンによると、道内の生産量は2022年が約620㌧。23年は作付面積の拡大により大幅増が見込まれるという。
帯広市の「渡農場」は今年から、北海道エア・ウォーター・アグリ(札幌市)と連携し「シルクスイート」など数品種の生産を始めた。渡智雄代表は「多種多様な作物を育てて収益を安定化させたい」と話す。
旭川市でも昨年から生産が本格化。あさひかわ農業協同組合(旭川市)の担当者は「栽培の難易度は高くないので、コメ農家でも手を出しやすい」と理由を説明する。
農林水産省によると国内の収穫量は22年が約71万㌧で鹿児島県(約21万㌧)と茨城県(約19.4万㌧)の2県で全体の過半数を占める。
ただ近年、九州でサツマイモが腐る伝染病「基腐病」の被害が深刻化。食品や外食業界では、代替地として農地が広大な北海道に注目が集まる。
札幌管区気象台によると道内の年平均気温は1898年以降、100年で約1.6度のペースで上昇している。主要作物のジャガイモは暑さに弱く、サツマイモ栽培はさらなる温暖化進行への備えにもつながる。
農水省によると、国内需要は焼酎ブームの落ち着きなどにより減少傾向。一方、タイやシンガポールで焼き芋が栄養価の高い健康食品としてヒットするなどし、輸出額は12年の約1億7千万円から22年に約27億9千万円へ急増している。政府は農林水産物・食品の輸出額を30年までに5兆円へ引き上げる目標を掲げ、サツマイモを輸出重点品目に据えている。
令和5年11月21日(火)/南日本新聞 社説
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有機野菜魅力 畑でPR 霧島や姶良などの農家 飲食店主や宿泊業者招く
霧島市と姶良市、湧水町の有機野菜農家23人でつくる「霧島有機社中」は10日、霧島市内の飲食店や宿泊業の関係者ら15人を招いたマッチングツアーを開いた。会員の畑を案内し、料理の試食で品質をPRした。
もりやま農園(霧島市溝辺)では小松菜やチャオレタスのハウスを紹介。種まき前に土の表面温度を高温にすることで、虫や雑草の被害を防いでいることなどを説明した。
ホテル京セラ(同市)での昼食会にはホウレンソウのソテーなど14種の野菜を使ったメニューを用意した。霧島市牧園の湯治宿「妙見館」の橘翔士代表(42)はサツマイモのフリッターが気に入った様子。「お茶請けや晩酌用に提供したら人気が出そう。生産者の情熱も伝わった」と話した。
社中は2010年に結成。栽培技術を磨くための研究会や販路拡大に取り組み、マッチングツアーは3回目。森山正樹会長(52)は「地元の人にこそおいしい野菜をもっと食べてほしい。一般消費者を対象にした企画も実施したい」と意欲を見せた。
令和5年11月18日(土)/南日本新聞 社説
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鳥獣被害 実態に即し対策強化を
イノシシなどの鳥獣被害が相次いでいる。農地での被害が続けば農家の生産意欲をそぎ、耕作放棄地を増やしかねない。農山村の維持にも関わってくるだろう。
住宅地にも現れ、人に危害を加えている。駆除に加え、動物と共存できる環境づくりも欠かせない。対策は多岐にわたる。取り組みを強化したい。
鹿児島市の住宅街で1日朝、男児が1人で登枚中、イノシシに襲われた。男児は走って逃げたものの、右半身を中心に何度もかまれたり引っかかれたりするけがを負った。
現場は背後に山が迫り、その後も周辺ではイノシシが目撃されている。子どもたちの安全が気掛かりだ。学校は4、5人まとまって登下校し、イノシシよけに有効とされる鈴の携行を呼びかけている。
志布志市では2022年度5件だった住宅街での目撃相談件数は、23年度には既に22件と急増し、地元3猟友会が一斉集中捕獲を行った。
県内農作物の鳥獣被害額は減少傾向にあり、侵入防止などの対策が奏功しているとみられる。
とはいえ被害の6割以上を占めをイノシシとシカの対策は特に不可欠だ。農家の減少や高齢化で農地管理が行き届かなくなったとされ、雑草が生い茂った耕作放棄地はイノシシにとって格好の隠れ場所になる恐れがある。
県は、集落の餌場、隠れ場所をなくし、鳥獣の人慣れを防ぐよう求めている。住民が一体となって地域を守らなければなるまい。
被害が広がる背景にはハンターの高齢化もある。猟銃は高価で費用がかかり、人材育成は容易ではない。国にはさらに支援を求めたい。
気候変動の影響も指摘されている。環境省と農林水産省は、23年度中にシカの生息数を11年度比で半減させるとした目標を5年間先送りする。
温暖化の影響で生息域が拡大して自然淘汰されずに越冬する個体が増え、全体の数を目標通りに抑制できなかったとみられる。情報通信技術(ICT)なども活用して捕獲の効率化を進め、実態に即した対策を急がなければならない。
一方、野生鳥獣肉(ジビエ)の利用は伸び悩んでおり、食文化への浸透も課題だろう。
農水省によると、22年度の利用量は前年度に比べ2%減だった。理由として、地域によっては地形の条件により搬出が難しいことに加え、加工施設が小規模で解体数が限られることが挙げられている。ジビエの普及が進めば農作物の被害を減らし、地域住民の所得向上にもつながるはずだ。消費拡大や処理施設の増設、ペットフードでの活用などあらゆる施策を加速させる必要がある。
令和5年11月14日(火)/南日本新聞 社説
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お勧めの農事入門図書 ─薩摩川内市立図書館蔵orロードマン蔵─
※自転車で肥薩おれんじ鉄道の踏切を越え,川内高校のプール脇・可愛小学校脇を通り,藩政時代 参勤交代で江戸に赴く島津の殿様が籠から降りて新田神社に向かい九つの礼をされたという「九礼橋」を渡ると,自宅から5分の近距離にある薩摩川内市立図書館には,掲載のお勧めの農事入門図書以外にも多数の農事図書が蔵書されています。1回で最大10冊まで2週間も借りることができる市立図書館の蔵書検索から,あなたも読みたい家庭菜園に関する図書を便利な「フリーワード」・「タイトル」検索で探してみてください。利用者登録をすればインターネットで,貸出図書の予約も可能です。
また,社団法人/農山漁村文化協会から月刊誌として発刊されています『現代農業』が,平成23年5月号からは蔵書に加えられ,指定管理者の「まちづくり公社」の司書の方からは「現代農業の出版社は,以前勤務していた会社の前にあり,ぜひ愛読してください」と勧められたり,「今 何の野菜の栽培を?私の菜園では〇〇の栽培を」との図書館司書さんとの家庭菜園の会話を楽しめる,家庭菜園愛好者にとっては,誠にありがたい身近な図書館です。
- 『無農薬・無化学肥料で育てる!おいしい野菜づくり』(誠美堂出版)は、農薬や化学肥料を使わない「家庭菜園本」の決定版。種播き・苗づくりから管理作業、収穫、種採りまでを、栽培手順を写真やイラストで丁寧に紹介。有機栽培に好相性のコンパニオンプランツについても解説。定番野菜から地方野菜まで、多くの品種を掲載。はじめてでも失敗しないプロのコツが満載された本です。
- 『図解だからわかりやすい野菜の育て方のコツ』(主婦の友社)は、スーパー店頭には、多くの種類の野菜が1年中売られています。家庭でよく育てられている野菜は、やっぱりたくさん収穫したいもの。また、形は悪くてもおいしく育てたい。本書は、よく育てられている代表的な野菜50種の栽培方法を、畑の準備から収穫までイラストでわかりやすく解説。野菜作り全般の基礎知識も掲載されており、初心者でも安心して育てることができる。収録されているのは、きゅうり、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、エダマメ、オクラなどの果菜、スイカ、メロンといった果物、キャベツ、ハクサイ、ネギ、ホウレンソウ、レタス、ブロッコリー、ミョウガなどの葉菜、ジャガイモ、ダイコン、ニンジンなどの根菜と、チンゲンサイなどの中国野菜。
- 竹内孝功著「達人が教える!農家直伝おいしい野菜づくり」(永岡書店)は,はじめて野菜づくりに挑戦する人のための、家庭菜園入門書で,畝のつくり方から健康な野菜が育つ苗の植え付け方,病害虫にあわないためのコツ,効果的な肥料のやり方,間引きの仕方,一番おいしい収穫のタイミングまでをプロならではの視点から丁寧に解説。初心者でも必ずおいしい野菜が育てられる!59種類の家庭菜園野菜の栽培についての解説書で,家庭菜園のミニ用語事典,栽培カレンダーも掲載。
- 小川幸夫著『農薬に頼らずつくる虫といっしょに家庭菜園』(家の光協会)は,アシナガバチは勤勉なハンター/ドロバチとツチバチの狩りは職人芸/見えない益虫・寄生バチ/獰猛なカマキリを有効利用する等104種掲載のカラー図鑑付きで害虫の退治法と益虫の生かし方がよくわかる。完全無農薬栽培を千葉県柏市で実践する著者が虫といっしょに菜園づくりを探求する仲間に送る,菜園づくりのコツを紹介した本です。
- 加藤正明著『かゆいところ手が届く!野菜作り達人のスゴ技100』(NHK出版)は,「なんとなく,うまく育たない」には,理由があった! 「去年より実つきが悪い」「育ち具合が不ぞろい」「実の重みで支柱が倒れる」……。きちんと手入れしたつもりでも「なんとなく,うまく育たない」悩みは家庭菜園を楽しむ方には多いもの。畑の耕し方のコツや台風でも倒れない支柱の結束法など,最初きっちり,あとラクラクな基本の技術から,収量アップにつながる野菜や土への四季の細やかな手入れ,野菜別のプラスアルファテ・クニックまで体験農園での豊富な指導経験に基づく,野菜作りの「達人」がスゴ技を100もまとめて紹介。栽培手引書に記載されていない,かゆいところに手が届く1冊です。
- 『タネのとり方もわかる! おいしい野菜づくり』(池田書店) は,種播きから収穫まで豊富な写真で「見やすく,わかりやすく」を心がけ作成されており,更に,種の採り方(52種類の野菜)も紹介されていますので自分で育てた野菜を次の年も楽しむことができ,自然のサイクルの中で,育てて,食べて,楽しむ野菜づくり生活をはじめましょうと,おいしい野菜づくりを応援する本です。
- 農薬に頼らない病虫害対策(学研ムック)は,農薬に頼らず,病気や害虫からあなたのほ場の大切に育てている野菜を守る方法を徹底詳解した本で,病気・害虫の発生理由と特徴を知り,正しい防除法と,発生してしまった際の対処法をマスターし,病気・害虫別,野菜別で知りたい情報がひと目でわかる本です。
- 『藤田智の新・野菜づくり大全』(NHK出版)は,2012年2月刊の完全改訂版で,温暖化対応の新・栽培カレンダーや、APG体系での科名変更など,栽培情報が刷新され,栽培図鑑は新野菜が10種も増え,160種以上の育て方が網羅されており,各野菜の「プランター栽培」のポイントも収載されています。菜園プランから病害虫まで,野菜作りはこの一冊でOK!。
- 『農家の技術・地域の仕事 まるわかり事典/別冊現代農業 2020年 10月号』(農文協)は, 農家の技術と地域の仕事がわかる用語事典で,「月刊現代農業」・「季刊地域」の中で農家と作ってきた用語(「ボカシ肥」「への字稲作」「土着菌」「サトイモ逆さ植え」等)から,「pH」「EC」「穂肥」「幼穂形成期」といった基礎用語まで網羅。地域活動・仕事に関連する「草刈り隊」「雪かき隊」「自伐林家・自伐型林業」「空き家」「廃校」などの用語を収録。その時代背景からとらえ方まで解説され,用語の理解はもちろん,身近な自然の力を活用して肥料や燃料,食べものやお酒などを自給する農家や地域は,疲弊する中にあってもしぶとく強いことが読み取れ,農村地域に暮らし続けることに誇りが持てる本です。
- 『おいしい彩り野菜のつくりかた』(農文協)は,色鮮やかでおいしく栄養豊富な128種の野菜を写真中心に紹介した本で,珍しい世界の野菜から日本の伝統野菜,定番野菜の最新品種まで,人気の注目野菜を厳選し,赤,橙,黄,緑,紫,黒,白の7色に分類。(赤い野菜は=女性にうれしい成分がいっぱい。オレンジの野菜は=あこがれて,人が育てた色。黄色い野菜は=見て楽しい,食べてうれしい。緑の野菜は=暑い夏をのりきるスタミナたっぷり。紫の野菜は=元気に長生き。黒い野菜は=おいしさと栄養がギュッとつまった。白い野菜は=とれたてはまるで白く輝く宝石等に分類紹介)野菜ごとの魅力,おいしい食べ方,栽培のポイント,栽培ごよみ等を詳しく解説。野菜の発色をよくする栽培法,直売所等で販売するときの効果的な陳列テクニック,野菜の色で季節感を演出するコツ,種苗の入手先,各野菜の原産地情報など情報が満載されています。
- 『病害虫に効く自然農薬』(学研プラス)は,「野菜だより」編集部特別編集による本で,害虫忌避や病気の予防効果がある,自然農薬の25種類のつくり方と使い方を解説。トウガラシやインスタントコーヒーなど,植物や食用品を材料につくる自然農薬なので,安心して使える。ベテラン菜園家達が実践する,自然農薬活用術も一挙公開されています。
- 『野菜づくり畑の教科書』(家の光協会)は,土づくり・肥料の知識から,種播き・育苗,防虫・防鳥対策,農具の使い方・手入れまで,野菜づくりのプロが,作業のコツと手順をわかりやすく解説した家庭菜園入門書で,予習・復習のためにも活用可。
- 『タネのとり方もわかる!おいしい野菜づくり』(池田書店)は,種播きから収穫まで豊富な写真と大きな文字で「見やすく,わかりやすく」を心がけ作成され,更に,種の採り方も紹介されており,自分で育てた野菜を次の年も楽しむことができ,自然のサイクルの中で,育てて,食べて,楽しむ野菜づくり生活をはじめるため,野菜栽培の基本作業・手軽に楽しめる野菜(37種)・チャレンジしたい野菜(15種)の3編からなる本です。
- 『野菜だより図解 土づくりタネまき植えつけ』(学研プラス)は,おいしい野菜ができるかどうかは,始め方で9割決まる! 堆肥を使った畑の土づくりからタネの播き方,苗の植え方までを,わかりやすいイラストで徹底図解。野菜づくりを始める際の悩みがスッキリ解消する,有機栽培,化学肥料栽培に対応した,サブタイトルにある「誰も教えてくれない畑の3大作業がこの1冊でよくわかる!」とあるように家庭菜園入門書です。
- 『今さら聞けない タネと品種の話 きほんのき』(農文協)は,タネや品種にまつわる今さら聞けない基本的かつ大事なポイントを,ギュッと一冊に集約した本。第1章は「タネと品種のQ&A」。「ソラマメ20㍉㍑って何粒?」「タネの寿命って何年?」など,タネ袋やカタログの情報の見方から,タネの生産・流通の仕組みまで紹介。第2章は「図解 野菜のルーツと品種の話」。人気の野菜15種について,原産地やおもな系統,品種の特徴や選び方などを図解に。第3章は,「農家・育種家の品種の見方」。ベテラン農家のカタログの読み方や,育種家による品種の特性の生かし方の解説など。
- 『にっぽんの七十二候』(枻出版社)は,日本には,ご案内の通り豊かな四季があり,旬があります。季節の移ろいを敏感に感じ取ることができた昔の人達は,暦を作り,農作業や暮らしの目安にしていました。それが「二十四節気」・「七十二候」。現代では,季節の足音を敏感に感じ取ることは難しくなっていますが,暦の知恵を知ることで,日本人らしい感性に触れ,正月,お盆など,何気なく過ぎていく季節の行事も,豊かに楽しむことができるのではないでしょうか。本書は,こうした暮らしに根付く季節の行事や習わしを丁寧に解説し,覚えておきたい作法やレシピまでを網羅した暦のハンドブックです。
- 『農家が教える 野菜の発芽・育苗 コツと裏ワザ』(農文協)は,苗が自給できれば,高い苗代をコストカットできるのは勿論,下手な雑草にも負けないくらいの強い育ちもゲットできる。近年人気のイタリア野菜などの珍しい品目は,芽だし・育苗は必須だ。本書は,全国の発芽・育苗名人達の播種から定植までの「苗管理」のコツと裏ワザを集め,果菜類・葉茎菜類・ネギ類・イモ類・マメ類別に整理した書で,育苗に大事なタネ選びのポイントもQ&A形式で懇切ガイドされています。
- 『西村和雄ぐうたら農法』(学研プラス)は,西村和雄先生が発案した,畑の草を活かした新発想の野菜づくり。除草はせずに耕す作業も最小限のため,ぐうたらな人でも長くラクに野菜づくりが楽しめる。定番から珍品種まで,ぐうたら農法でつくりたい42種類の野菜の育て方を掲載した,これから家庭菜園を楽しもうという方にとっては,雑草を抜かず耕さなの自然のバランスを活かす,手間いらずの農法が紹介された夢の入門書です。
- 福田 俊著『プロが教える有機・無農薬おいしい野菜づくり』(西東社)は,安全・簡単・おいしい! 有機栽培・無農薬で,より安全でおいしい野菜づくりに挑戦したい方にぴったりの1冊。「有機・無農薬野菜」を失敗せず,おいしく作るコツを教えてくれており,難しいと思われがちな肥料作りや病害虫対策などを,豊富な写真でわかりやすく解説。代表的で人気の野菜約50種については,畑の準備から収穫までを解説。野菜作り初心者から中級者まで楽しく学べて,実用的な内容の本です。
- 加藤正明著『達人が教える!農家直伝おいしい野菜づくり―栽培・収穫・保存までうみまを引き出すプロのコツ』(永岡書店)は,少々長い図書名ではあるが,ていねいな図解で知りたいところがよくわかる!必ずおいしい野菜が育つ,達人の技が満載!畝づくりや間引きから,ベストな収穫のタイミングまで詳しく解説され,初心者にもわかりやすい,59種類の野菜の栽培カレンダーつき。とれた野菜をむだにしない!おいしく長持ちさせる保存方法を掲載。野菜ソムリエが教える,お勧めの調理法も紹介。
- はたあきひろ著『コップひとつからはじめる 自給自足の野菜づくり百科』(内外出版社)は,あなたが今,住んでいる場所で,自給自足的な暮らしをスタートさせることができる実用書。レッスン形式で,野菜づくりのノウハウを,豊富なイラストでわかりやすく解説し,よく育つ苗の選び方や,難しいこと一切なしの土づくり,雑草でわかる土の栄養価,お勧めの年間プランター栽培計画,野菜の保存法,自給暮らしにおすすめの30種の葉菜類・果菜類・根菜類野菜の作り方まで,自給自足的な野菜づくりに必要なノウハウをぎっしり詰め込んだ本です。
- 『どっさり収穫!家庭菜園』(ブティック社)は,「たくさん収穫できる」・「かんたんに栽培できる」・「おいしい野菜が作れる」というコツをクローズアップした家庭菜園の入門編の本で,詳しいプロセスを写真解説で紹介した1冊です。
- 『野菜がうまい! 土名人』(万来舎)は,農家に学ぶ土づくり,土づくりの名人, 肥料の名人の3章からなっており,なるほど納得,作物が喜ぶ60のポイントをやさしく解説した本で,生かじりの自己流であった「土」と「肥料」に関する正しい知識を身につけさせ,合理的な野菜作りを楽しませてくれます。
- 『野菜づくりの困った!解決ハンドブック』(学研プラス)は,野菜づくりをしていると病虫害・生育障害・生育障害といったトラブルが発生します。これらへの対応策について家庭菜園誌『野菜だより』に寄せられた,菜園家たちのリアルな困った?を、農学博士・有機農家・ベテラン菜園主など複数の専門家が原因と解決策を丁寧に解説した,家庭菜園の手助けとなる人気連載を単行本化した本です。
- 原由紀子著『おいしい野菜がたくさんできる!土・肥料の作り方・使い方』(西東社)は,簡単においしい野菜作りにかかせない土と肥料の作り方を,豊富なカラー写真と詳しい解説で伝授されており,土と肥料で味も収穫量もガラッとかわり,野菜づくりがますます楽しくなること間違いなしの必携の一冊です
。
- 『農家が教える 野菜づくりのコツと裏ワザ』(農文協)は,「別冊現代農業 農家が教える 野菜づくりのコツと裏ワザ」を書籍化したもので,そんなのあり?でもやってみると納得。農家が思いついた野菜づくりの裏ワザ大集合。土寄せなしで白ネギがとれる「穴底植え」,種イモ不要の「ジャガ芽挿し」など,常識破りのやり方で野菜づくりがもっと楽しくなる。すべての記事に共通項目として「発想の着眼点」「作物の特性」「栽培カレンダーと品種」「栽培の実際」「病害虫対策」「収穫と利用の工夫」などが,写真を掲載して紹介されている理解しやすい本で,のらぼう菜の地際収穫とサトイモの逆さ植えはこの本を示し,見習い農家仲間にその技を紹介させていただきました。
- 山田幸子著『暦でわかる園芸作業』(主婦の友社)は,園芸作業に役立つ知恵が込められた「二十四節気」や「雑節」などの暦の言葉の意味や,その時期に行う園芸作業をイラストつきで解説。立春,春分,夏至,大寒などの二十四節気や雑節などの暦は,古代中国で太陽の運行をもとに考案され,日本に伝わり,農作業に利用され,また,植物の開花や落葉,鳥の渡りなど動物や植物が教えてくれる季節現象=生物季節は園芸作業の大きな目やすになっており,本書では,古い暦の由来や知恵を改めて知り,生物が教えてくれる季節の変化を,現代に生きる私たちの園芸作業に役立てるための道案内役に。園芸作業の適期は暦に教えてもらいましょう。咲いた花が鳥や虫の声がほおに当たる風や日ざしが高い空の色や雲が季節の移ろいを告げています。自然のリズムを五感でとらえ心豊かに暮らしましょうという本です。
- 高堂 敏治著『有機野菜の育て方100選』(滋慶出版)は,カルチャースクールの講師として活躍する著者が,安心して口にできる美味しくて安全な野菜を手軽に栽培できないかとの思いからスタートした30数年にわたる有機野菜作りを公開した本です。
- 『無農薬で安心,安全!おいしい野菜100種のじょうずな育て方』(主婦の友社)は,家庭菜園で育てる人気の野菜100種の育て方を、はじめての人にも分かるようにていねいに解説した,野菜づくりの入門書で,人気の野菜100種を選び,その特徴や農薬を使わない育て方を,カラー写真やイラストを交え,分かりやすく解説した本です。
- 麻生健洲著『続 畑の達人』(万来舎)は,30万部突破の大ベストセラー「畑の達人」の第2弾で,まった新しい作物でお店で買うしかなかったあの伝統野菜や山菜に加え珍しい西洋野菜が家庭で作れる,ちょっと自慢の作物77種の育て方がわかる本です。
- 麻生 健著『土づくりひとつで味が違う 畑の達人』(万来舎)は,自然を生かした畑づくりを提案し,おいしい野菜64種の育て方を紹介。ちょっとした工夫で野菜づくりが上手になる「達人の裏・表ワザ」もたくさん紹介されています。作ってみたい品種,注意したい病害虫も野菜ごとにわかり初心者でも安心「菜園基礎講座」,栽培のコツが身につく本で,『続 畑の達人』も発刊されています。
- 戸澤英男著『家庭菜園全科 栽培と利用のポイント 葉もの・茎もの類』(農文協)は,どれか一つの野菜をこなしたら他はいとも簡単に理解できるよう,畑の準備から収穫まで,野菜づくりのツボをズバリ指南。プランター栽培のポイントや調理・利用、保存の工夫,栄養特性などまで全26種ごとに解説した本で,読者からは,まさに戸澤師匠と呼ばせていただきたい!!普通の家庭菜園でない本を探している方に是非入手していただきたい一冊。栽培野菜のマニアっぷりは半端ない。ごく一般の野菜ももちろん掲載されているが,一歩進んだ家庭菜園を目指す方にはバイブルです―との論評が寄せられています。
- 田淵俊人著『まるごとわかるトマト』(誠文堂新光社)は,トマトが日本で栽培され,広く親しまれるまでの歴史や,形態的特徴,生理的特徴など,トマトに関する基礎知識についてわかりやすく紹介するだけでなく,トマトの作型,栽培方法,生理障害,病害虫など,トマトを栽培するうえで必要不可欠な栽培の基本情報についても,図表や写真を使用して丁寧に解説。さらに,明治から現在に至るまでの様々な国内品種をはじめ,入手困難な海外品種や,貴重な野生品種も写真とともに紹介しているため,トマト農家はもちろん,これからトマトを栽培したいと考えている人,トマトの研究をしている人,トマトが大好きな人など,トマトに関わるすべての人にとって教科書となる1冊です。
- 『農家が教える 鳥獣害対策 あの手この手』(農文協)は,2018年6月出版された『別冊現代農業 農家が教える 鳥獣害対策』を書籍化したもので,年々深刻化する鳥獣害に,負けじと頑張る各地の農家の対策の数々の対策を,嫌がらせのワザ・コツ・罠設置の秘策,勘どころなどを害獣ごとに農家の実践を一挙公開!トタンや不織布,ネットなどで田畑を囲うポイントから,ワナ設置の勘どころ,皮・角の利用まで。イノシシ,シカ,サル,カラス,ネズミ,モグラ,ハクビシン,アライグマ,ヌートリアと,農家ならではの知恵と汗の集積書です。
- 『農家が教えるキュウリ・ウリ類つくり』(農文協)は,『現代農業』2014年10月号を単本化した本で,長い期間,高品質のものを取り続けるのが難しい「キュウリ」をメインに,今や収穫最盛期でさてどうして食べようかと頭を悩ませるゴーヤ(ニガウリ),ヘチマ,ヒョウタン,ユウガオを取り上げ,プロ農家の栽培の技,美味しい食べ方,研究者の最新情報を網羅した本です。
- 「農家が教える家庭菜園 春夏編」(農文協)は,月刊『現代農業』に登場した農家の皆さんの菜園づくりのアイデアと,「農業技術大系」などに収録された研究者の皆さんの知見をもとに再編集したもので,「現代農業」に登場した菜園名人の工夫と知恵と,作物を知りつくした農家の着眼点,ビックリ栽培法,さらに農業百科事典「農業技術大系」の情報も加えて作物の原産地別に整理し,その特徴を栽培に生かす知恵と技を1冊に集大成! 自家用に,直売・産直用に必ず役立つ必携本です。
- 『農家が教える野菜の収穫・保存・料理』(西東社)は,表紙に収穫のベストタイミング,長く・多く収穫するコツを伝授! たくさん採れた野菜を,保存・料理して100パーセント味わいつくせる一冊です!!とあるとおり,せっせと育てた家庭菜園の野菜,待ちに待った収穫の時がやってきて,採れたてのおいしさに感動するのも束の間,次々に収穫時を迎える野菜に,自家消費が追いつかず,ご近所さんに配ってまわり喜ばれるのも最初だけで,ムダにしてしまうのでは。本書は育てた野菜をムダにせず,長く,おいしく味わうために,収穫のポイントから,常温・冷蔵・冷凍保存の仕方,大量に消費できるレシピなど,家庭菜園家族に役立つ情報が盛りだくさんです。
- 西村 和雄 著『ぐうたら流 有機農業のコツ読本』(七つ森書刊)は,地球の生態系を維持するためには,「森林や草地が,普通に行っていることを基本として学び,それに少しわれわれの智慧をくわえて土壌を肥沃に維持する方法を考えればいいのだ」ということにほかなりません。永続可能な農業の基本は,再生可能な自然資源を巧く使う有機農業に尽きるのではないでしょうか。“面倒くさがり屋=ぐうたら”な京都大学農学博士の著者が,有機農業のコツを伝授した一冊です。
- 福原俊六郎・安西徹郎・小川吉雄・加藤哲郎著『トコトンやさしい土壌の本』(日本工業新聞社)は,私たちは土の上に住み,土の恵みで生きていますが,あまりにも当たり前な事として意識することはありませんでしたが,私たちの社会生活や個人生活に,さまざまな側面でかかわっている土壌に関し,土壌の生成から作物の生産,環境保全,日常生活まで,多岐にわたる土壌の機能をわかりやすくまとめ,読みやすく,科学的に整理して記載されており,教育にも使える内容となっています。
- 新田穂高著『とことん解説!タネから始める無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(洋泉社)は,「田舎暮らしの本」に2年間連載されたものを基調に、読みやすく再編集した本で,無農薬・無化学栽培で極上野菜をと,自然菜園で人気の野菜を苗づくりから収穫・種採り・食べ方までを豊富な写真を用いて丁寧に解説した本です。
- 『暮らしを楽しむ1000の知恵 農家の知恵袋 』(エイブル社)は,野菜を庭木を楽しむ知恵,食と健康の知っ得情報,暮らし上手な節約術など,便利な情報が満載。野菜の栽培計画・年中行儀・しきたり・伝承・ふるさと料理など,農家の生活に役立つ,暮らしを彩る楽しいアイデアが網羅されており,読者からは,なるほど…の連続でしたとの感想が寄せられており, 家庭菜園や庭木の害虫対策,健康法などなど昔の人の知恵は素晴らしいと感嘆される書です。
- 藤田智著『藤田智の必ず収穫できる野菜づくり入門 作って食べる楽しい園芸』(実業之日本社)は,テレビでおなじみの家庭菜園野菜栽培伝道師の藤田先生が教える,家庭菜園の教科書。実もの・葉もの・根ものの代表野菜を33種類,140品種収録し,種まき,成育,収穫まで園芸野菜づくりの基本作業を完全網羅。困ったときのQ&Aや野菜づくりの用語も掲載されています。
- 植木美江著『7色野菜の便利図鑑』(幻冬舎)は,おいしい野菜で色遊び♪ みなさんも`野菜でおいしく色遊び`してみませんか?との問いかけで,赤色・橙色・黄色・紫色・緑色・白色・黒色の野菜ごとに,色を活かした食卓を彩る調理法をイラスト入りで紹介した楽しい本です。
- 大竹道茂監修『絵図解 やさい応援団』(絵本塾出版)は,「まるごと〇〇」との題名で,野菜の面白さや歴史,不思議さや栄養価をわかりやすい絵で解説し,野菜を好きになってもらおう! という想いの詰まったシリーズ図書で,にんじん・じゃがいも・ほうれんそう・だいこん・キャベツ・さつまいも等の身近な野菜に関し,カラー絵図入りで解説し,親子・孫と家庭菜園で栽培中の野菜を語り合うには最適の本です。漢字にはルビーがふられており,野菜嫌いのお孫さんに野菜を届けた際にプレゼントするにも最適の1冊。
- 加藤哲郎監修『図解でわかる土壌・肥料の基本とつくり方・使い方』(ナツメ社)は,美味しい農作物をつくるためには,良い土をつくる土壌の知識が必要です。本書では,写真やイラストを豊富に使用し,土壌の基本を丁寧に解説されています。さらに土壌の意味,畑を調べる方法,土壌中の成分の働きと意味,土壌の有機物,堆肥づくりまで,様々な情報が盛り込まれています。
- 『堆肥 とことん活用読本 身近な素材―なんでもリサイクル』(農文協)は,化成肥料が登場する100年程前までは,畜産廃棄物,野菜残渣,剪定枝,生ごみなど,身近な廃棄物を何でも活用していました。堆肥の価値が見直されつちある現在,堆肥施用の意味,素材の特性,堆肥の作り方・使い方,優良事例まで「現代農業」で蓄積した農家の知恵を集大成集です。
- 橋爪健著『緑肥作物 とことん活用読本』(農文協)は,減肥栽培で土壌病害を抑えたい,線虫を減らしたい,豪雨による土壌侵食を抑えるには? 土の除塩と排水対策をするには…そんな願いに頼りになるのが緑肥。ヘアリーベッチや薫蒸作物チャガラシ,緑肥ヘイオーツにセスバニア…近年続々と新顔,新機能のお勧め緑肥が登場しています。本書ではここ10年に,主として府県で開発された商品や技術を主体に,緑肥の魅力,活用法,各緑肥作物の特徴,その上手な活かし方から導入の実際までを,一問一答式で解説。低コストで環境保全・循環的な「最新緑肥ワールド」をガイドする本です。
- 桐原春子著『知識ゼロからの食べる庭づくり―野菜,果物,ハーブたっぷり』(幻冬舎)は,ハーブ研究家である著者=桐原春子氏が,家庭菜園に趣味をお持ちの奥様向けの図書で,いまやもっとも贅沢な癒しの空間である庭先でハーブ等の野菜を,きれいに,おいしく育てるための土作り,肥料,害虫駆除など基本を伝授した本で,自宅菜園からの収穫野菜で作る絶品レシピも付いています。
- 神山安雄著『定年就農―小さな農でつかむ生きがいと収入―』(素朴社)は,定年後,実家に戻り自然に還って耕す新しい暮らし=田園回帰で拓くセカンドライフ,多彩な体験例。野菜や果実の栽培と販売のための工夫,農家民宿・レストランの経営など,家庭菜園との大きな違いは、趣味ではなく,仕事として農に携わり取り組んでいる彩りに満ちた20組の実例集で,人生90年時代にあって,地活性化地域のために農業に汗を流し第二の人生を耕す生涯現役の人たちの姿が紹介されています。
- 田中修・高橋亘共著『知って納得!植物栽培のふしぎなぜ,そうなるの?そうするの?』(日刊工業新聞社刊)は,畑や花壇で実践される栽培の技術,田園の風景の中で見かける栽培の方法,ビニールハウスや温室で利用される栽培の原理,植物工場で使われる栽培の設備,無重力という宇宙での植物栽培への挑戦などを紹介。身のまわりで行われている植物の栽培の中から,野菜や草花,コメやムギ,トウモロコシなどの作物栽培で感じる畑での「なぜ? Why」との疑問を取り上げた本です。
- 一般社団法人 日本種苗協会監『図解でよくわかる タネ・苗のきほん』(誠文堂新光社)は,農業に携わる方や興味を持っている方、家庭菜園愛好者などを対象に,べての作物の元になる「種」と「苗」について,わかりやすく解説してあり,種苗についての基礎知識を中心に,栽培や種選び・種播き・育苗・苗の生産・流通・種改良,農家が教える「良い種」・良い苗」の見分け方など,幅広い情報が網羅されており,近年注目されています遺伝子組み換え技術なども触れてあり,家庭菜園でも実現可能な技術もを紹介されており,実用書としても使える内容で,農業に関する「きほんシリーズ」の一冊です。
- 野口貴・沼尻勝人・海保富士男共著『品質・収量を大きく変える育苗からわかる野菜づくり』(誠文堂新光社)は,果菜類・葉菜類・根菜類・豆類など主要36品目の野菜の栽培方法を,品質・収量・出荷調整に大きく関わる「育苗」から収穫までわかりやすく解説し,各品目の栽培情報に加え,病害虫の防除方法についても丁寧に紹介されており,育苗の基本技術や被覆資材の使い方などについて、写真や図表を交えて記載されており,『農耕と園芸』連載を基に単本化した栽培技術のスキルアップにつながる1冊です。
- 『農家が教える マルチ&トンネル: 張り方・使い方コツと裏ワザ』(農文協)は,農家にとってマルチやトンネルは欠かせない。それらをうまくつかいこなせば経営にとって大きなプラスとなる。本書は,マルチとトンネルのラクな設置・片付け方法,効果的な使い方などのコツと裏ワザから,金のかからない素材や新しい機能性を備えた資材を紹介する。黒マルチをかけるだけのジャガイモ栽培法や不織布トンネル,溝底播種や穴植えなどとの合わせ技,ぴっちり張ったマルチは虫除け効果もあるという話や,一人でできる張り方の基本からプロの使い方のコツ,目からウロコの裏ワザまで。マルチ・トンネルを,もっとラクに上手に,安あがりに使うための方法等,直売所出荷や有機農業,家庭菜園向けの情報満載の現代農業の別冊。
- 木嶋利男著『伝承農法を活かす野菜の植えつけと種まきの裏ワザ』(家の光協会)は,「味がよくなる」・「収穫量が増える」・「病害虫に強くなる」など,「苗7分作」とも言われるように,植え方・まき方を変えるだけで結果に差が出る驚きの21の野菜に関する,伝承農法を活かした著者独自の裏ワザ(トウモロコシのお湯かけ植え,ジャガイモの超浅植えなど)57手法を科学的に徹底解説し,野菜の植えつけと種まき方法が詳細なイラストでよくわかる解説書です。
- 『農家が教える 家庭菜園 秋冬編』(農文協)は,寒さが厳しい我が国の冬は,様々な工夫により野菜の栽培が可能であり,冬は害虫がいないし,病気もでにくい。そして寒さが厳しい地方ほど,おいしい野菜がとれる。先輩農家達が工夫した秋冬野菜72種の上手な栽培のコツを収録。自家採種や保存・貯蔵の知恵をも満載した本です。
- 永田洋子著『食は庭にあり 家庭菜園で自給力をつけよう』(NTT出版)は,永田農法創始者の永田照喜治氏の長女である著者が,人は土から離れることで「生きる力」も失う。自分で食べものを育て,そのいとおしさを知り,命をもらうことで,「心」を育て,「五感」を養う。永田農法が長年提唱してきた家庭菜園や市民農園の試みから,食と農における自給力の大切さを考え,有機肥料の是非,在来種,食育や学校菜園に対する問題提起から現代農業への興味が倍増する本です。
- 古藤俊二著『ドクター古藤(コトー)の家庭菜園診療所』(農文協)は,本市の下甑手打診療所を題材とした山田貴敏の医療漫画『Dr.コトー診療所』を模したタイトルとなっていますが,福岡県JA糸島アグリのカリスマ店長ドクター・コトーこと古藤俊二さんが,併設されている園芸相談室に寄せられた疑問や質問に答えた,評判の解決策の全てを公開。手作りのぼかし肥や発酵液肥,農薬に頼らない手作りの病害虫防除資材から菜園での天敵活用技術まで,あっと驚く独創的な技を余すところなく網羅。ユーモアたっぷりの書きっぷりは,家庭菜園での野菜栽培で病害虫の発生に悩む貴方をほのぼのとした気分にし,やる気を盛り立ててくれる書です。
- 『図解でよくわかる病害虫のきほん』(誠文堂新光社)は,農作物に病気や害虫を発生させないことは,営利園芸,家庭菜園問わず,おいしく安全な作物をつくるために最も重要なこと。「病害虫」やその「防除の仕方」にクローズアップし,病害虫が発生するメカニズムから,発生させないための栽培管理のポイント,農薬や肥料の上手な使い方や農薬だけに頼らない防除法まで,病害虫防除の基礎と応用を理解するのに欠かせない事柄を豊富な写真や図解を用いながら様々な角度からわかりやすく解説。また,家庭菜園の場で実践できる身近な資材を用いた防除法や,環境に配慮した新しい防除技術の研究開発,総合的生物多様性管理など,病害虫防除の基本書です。
- 竹内孝功著『自然菜園で野菜づくり』(家の光協会)は,自然耕による土づくりやコンパニオンプランツ,緑肥・草生,育苗,自家採種など,初心者でも安心,自然菜園=土を耕さず,草を生やし刈って敷き,自然のリズムの中で野菜を育てる=のコツがイラストでよくわかる。種まきから種採りまで,栽培や雑草対策がわかる栽培カレンダー付きの著者が提唱する「野菜の里山づくり」の教本です。
- 加藤哲郎監修『いちばんよくわかる 超図解 土と肥料入門』(家の光協会)は,野菜のできの良し悪しは,土で決まる。土に関する基本的な知識や土づくりのポイントと,作物の生育に欠かせない肥料について,豊富な写真とイラストで丁寧に解説され,自分の家庭菜園畑にあった土づくりへ自信をもって挑戦できる解説書です。
- 竹間忠夫著『「家庭菜園」この素晴らしい世界』(講談社)は,家庭菜園の初心者向けの図書で野菜の作り方だけでなく失敗談,苦労話までも掲載され,教科書通りにはいかない終わることがない草取りや害虫との戦いの苦労という自然の中での各種苦労談が,なぜ家庭菜園は楽しく面白いのか・のめり込んだ野菜づくり・簡単ではなかった無農薬有機農法・週一農夫の年間スケジュール・教科書にはない経験的裏技・さあ家庭菜園で野菜をつくってみましょうと6章にわたり20年の経験に裏打ちされた苦労談が隠すことなく紹介された書です。
- 石原結實著『保存・決定版 病気にならない食べ方・食べ物』(海竜社)は,「食べ方」ひとつで人生が変わる!「食べ過ぎ」「食い違い」があらゆる病気を引き起こしていることを説明。「病気にならない食べ方」は,野生の動物を見習えば,それで事足りる考えのほか,あらゆる食物の効能をまとめ,病気や症状ごとの自然療法とオリジナルレシピも紹介しています。生きるために不可欠な「食」を見直し,薬や病院に頼らない,健康長寿な人生を送るため症状別即効自然療法&レシピや,病気にならない食物効能事典などを収録した手元に置きたい1冊です。
- 今関知良著『ほどほどに食っていける田舎暮らし術』(創森社)は,50歳で脱サラ就農し,徳島県吉野川市山川町に移住した著者の快農快遊,自給自足,生涯現役がモットーの実り豊かな二毛作人生の極意を伝授した本で,定年後に年金生活者として家庭菜園に挑戦する者にあっても一読の書です。
- 東山広幸著『有機野菜ビックリ教室─米ヌカ・育苗・マルチを使いこなす─』(農文協)は,福島県いわき市内で新規就農29年の有機栽培農家が教える,誰でもできる野菜作り。有機栽培でつまずくのが,雑草,害虫,病気。これらを,どんな野菜でも苗を育てて,身近にある米ヌカやマルチを使うことで防ぐ。とくに最初から草引きなどをしなくてもいいように,植え付け時に手を打っておくのがコツ。雑草を抑える「大苗+穴あきマルチ植え」,雑草も病気も出にくくなる「米ヌカ予肥」,害虫を近寄らせない「鏡面仕上げマルチ」など,誰でもできる野菜栽培技を満載。野菜ごとに42種の栽培法を豊富な図で解説。農作物の宅配で生計を立てておられる,著者の経験に裏打ちされた第6章の「百姓の収入だけで生活していくノウハク」は特に興味深い。
- 木嶋利男著『農薬・化学肥料に頼らないおいしい野菜づくりの裏ワザ』(家の光協会)は,58種の人気野菜の種まき・育苗から収穫までの栽培のコツをはじめよく育つ土づくり,堆肥づくり,コンパニオンプランツなどの安全な病害虫防除を詳解。伝承農法,有機農法の第一人者である著者の栽培テクニックがイラスト入りで網羅され,安心・美味な野菜づくりの手助けに最適な書で,コンパニオンプランツ早見表は重宝間違いなし。
- 『「農」をシゴトにしよう! 農業入門 週末農業から高収益経営まで』(ダイヤモンド社)は,『週刊ダイヤモンド』に掲載された特集記事に書き下ろしを加え,自然の中で暮らしたい!会社勤めに疑問だ!そうした経験ゼロから,農をビジネスと捉え,農業技術と経営力で高収益をあげている農家のケースを数多く紹介し,「農業を楽しむ!儲ける!」ための秘訣に迫る本です。
- 生源寺眞一著『農業がわかると,社会のしくみが見えてくる 高校生からの食と農の経済学入門』(家の光協会)は,農業経済学者である著者が農業の様々な問題や仕組みをグローバルにとらえ平易な文章で紹介。「なぜ日本に農業が必要なのか?」「自給率で国の食料事情はわかるのか?」など,食と農に関する素朴な疑問をテーマに,世界の食料,日本の農業,私達の毎日の食生活のつながりを1時限目から5時限目とやさしく授業風に読み解く,ユニークな書です。
- 山下惣一著『農業に勝ち負けはいらない!』(家の光協会)は,同協会発行の月刊誌『地上』に連載されたもの等をまとめた書で,佐賀県唐津市で農業を営む著者の人生が人それぞれであるように,農業もまた環境によって多種多様,さまざまであり,農業に勝ち負けはいらない。この本は,同じ未来と価値観を共有する人たちへの連帯のメッセージであり,「ザ・ヒャクショーたれ!」との国民皆農の呼びかけは,百姓人生を遺書に託したかった著者の強い信念に基づくものであり,各章に著者の歯に絹着せない農家のおじさんの泥くさい主張が記せられており感銘させられる。
- 『図解でよくわかる 土・肥料のきほん』(誠文堂新光社)は,土の構造から,よい土の条件,土づくりの方法や肥料の種類・使用法,安全性,流通などを豊富な写真や図解を用いながら様々な角度からわかりやすく解説。また,家庭菜園における土と肥料についての工夫や実践例,養液栽培,肥料資源の枯渇や農地の放射能汚染の克服などアグリビジネスの現状も紹介した本書は,文字通り土と肥料のすべてがわかる一書となっています。
- 大熊 美佐子 著『ミサコばあちゃん直伝! 旬の野菜カンタン・おいしく食べるコツ』(東京堂出版)は,野菜選びのポイント,おいしくて栄養たっぷりな野菜の見分け方。保存のポイント,無駄なく使い切って,家計にやさしい野菜生活を。料理のポイント,すぐに使えるカンタン・おいしいレシピ満載!今日から使える,野菜ソムリエであるおばあちゃんの知恵袋。野菜を食べて,体も心も健康にと野菜生活のお勧め書です。
- 西村和雄著『有機農業コツの科学』(七つ森書館)は,,機農業40年の経験を積んだ農学博士の集大成。初心者でも理解しやすいと好評で増刷ロングセラー図書で、育土・ボカシ肥・自然観察の項目を増補し,前作の「ぐうたら農法のすすめ」から「スローでたのしい」とのサブタトルに改めで新たに登場。定年を機会に,家庭菜園を楽しむ者へは一読の本です。
- 井上昌夫著『これだけは知っておきたい野菜づくりの基礎知識』(西東社)は,カラー写真やイラストを豊富に使い,野菜づくりの知識がよくわかる家庭菜園の入門本。揃えたい道具,土づくり,肥料,害虫対策,野菜ごとの育て方など,野菜を作る方法がしっかり学べ,初心者だけでなく中級者まで,野菜づくりに取り組んでいる方が困ったときや迷ったときに基本が再確認できる頼りになる一冊です。
- 『農家が教える 石灰で防ぐ病気と害虫』(農文協)は,2010年『現代農業』7月号で紹介され,全国の農家の間で話題になっている身近な農業資材である石灰に関し,病害虫防除に生かす「石灰防除」の技を集大成。病原菌侵入時の細胞写真,カルシウムによる誘導抵抗性の研究など,最新研究成果も合わせて追究した,身近な「石灰」を上手に使いこなす技を丸ごと収めた本です。
- 寺岡 徹監修『図解でよくわかる農薬のきほん─農薬の選び方・使い方から,安全性,種類,流通まで─』(誠文堂新光社)は, 現在の農業生産・ビジネスにおいて欠かせない資材である農作物の保護に使う薬=「農薬」にスポットをあて,“農薬とはそもそも何なのか”について,豊富な写真や図解を用いながら様々な角度でわかりやすく解説し,「農薬以前」も含めたその歴史,上手な選び方・使い方,作物別主要病害虫,流通などの基本知識はもちろん,“農薬の安全性はいま”や“環境保全型農業と農薬”といったアグリビジネスの最前線や,家庭菜園での使い方,農薬だけに頼らない防除法など身近な農薬知識も紹介した,使う人・食べる人にも知ってほしい農薬の基本すべてがわかる本です。
- 小清水正美著『こまった,教えて 農産加工便利帳 漬物』 (農文協)は,近年漬物を食べなくなってきていると言われていますが,漬物は単なる加工品ではなく,地域を代表する特産加工品=土産物に位置付けられているものも少なくありません。さまざまな漬物を,塩漬,醤油漬,ぬか漬,ピリ辛のトウガラシを使って分類し,各品目に失敗経験に基づくQ&A付きで,漬物の問題解決のお助け書です。
- 『旬の野菜手帖 これから覚える,知っておきたい野菜の基本』(エイ出版社)は,旬の野菜を食べようと言われ,何気なく食べている野菜ですが,意外とその野菜自身のことは知られていないことが多く,四季の身近な野菜をきちんと知ることで,さらにおいしく鮮度を落とさないで野菜を食べることができるようになります。旬で分類した数々の野菜を,おいしい産地,分類や品種,栽培方法,適した調理法,保存方法などに加え,賢い活用法も満載された本です。
- 小祝政明著『有機栽培の病気と害虫 出さない工夫と防ぎ方』 (農文協)は,病害虫の被害を抑えるためのポイントとして,植物の免疫力・抵抗力を高めには,圃場の病原菌の数を減らすことと,病害虫の被害に対しどのように関わり,どのようにすれば効果を高められるのかを解説する中,ミネラル優先・チッソ後追い施肥で作物の,中熟堆肥+太陽熱養生処理で畑と土の防御力をアップし,さらに堆肥菌液,納豆水など有用菌群の土壌施用や作物散布との合わせ技で防ぐ有機栽培の病気と害虫についてのポイントを細かく紹介した小祝有機理論の実践講座シリーズ書です。
- 『プレミア世代の悠適生活 畑道楽』 (辰巳出版)は,「50代~60台からがもっと楽しい」のサブタイトルのとおり,現役ながら,定年退職後に野菜作りを始めた方々を取材し,土に接し体を動かし汗を流し「林住期」を迎えた皆さんの実りある生活を楽しく・おいしくを求める者へのヒントを網羅した書です。
- 『農家が教えるラクラク草刈り・草取り術』 (農文協) は,ラクで効果的,しかも除草剤に頼らない草刈り・草取りのやり方を先輩農家が編み出した技を解説し,便利な市販の機具,アイデア豊かな農家の手作り機具をも紹介し,「草」と賢くつきあう方法を探る一冊で,『別冊現代農業』の単行本で,一日刈ってもくたびれない剣道の構え,草刈りがもっとラクになる作業名人のひと工夫,さまざまな場所に合わせた草の刈り方等が多数紹介されています。
- 遠藤榮・遠藤栄一共著『ガリ屋がまとめた生姜のはなし』 (創元社)は,遠藤食品株式会社創業50周年記念出版物でおいしくて,体によい生姜の魅力はそれだけではありません。筋金入りのガリ屋が,生姜の歴史や文化的話題を掘り起こし,生姜を使った美容と健康の対策法,料理のレシピなどを網羅紹介した本で,読めばますますあなたのこざ園での生姜栽培にも愛着が増す事必勝です。
- 桐島正一 著『農家が教える 桐島畑の絶品野菜づくり1』(農文協)は,『現代農業』でおなじみの高知県の桐島さんは,独自の方法で有機無農薬栽培を確立されていますが,野菜のサインを読んで追肥や収穫適期を判断,鶏糞利用で有機・少肥料栽培,輪作で畑の力を回復する,多品目栽培で上手な繁の活用と育ちやすい環境づくり,長期育苗で少肥向きのガッチリ苗をつくる,自家採取で「絶品」向きの品種づくり,病害虫は多面的な作戦で防ぐとの桐島流「絶品」野菜づくりのポイントを紹介した本です。
- 木嶋利男監修『野菜の品質・収量アップ 連作のすすめ』(家の光協会)は,一般的には,野菜を連作すると連作障害が発生するため輪作を勧めていますが,本書では,野菜は連作を重ねるほど生産は安定し,品質は向上,収量もアップする。その科学的根拠を詳しく解説し,農薬や化学肥料に頼らない超裏ワザで連作を可能とした技術や,31種の野菜別の事例,自家採種や保存方法なども併せて紹介しています。
- 上田善弘著『園芸 「コツ」の科学 植物栽培の「なぜ」がわかる』(講談社)は,園芸作業の「どうしてそうするの?/園芸のコツのなぜ?」が,わかればもう失敗しない!植物栽培の名人が実践している107の法則(秘訣「コツ」=土づくり・タネまき植えつけ・肥料水やり・剪定・繁殖・コンテナ栽培・病害虫・園芸トラブル)をイラスト入りでわかりやすく解説した書です。
- 橘みのり著『野菜で体がよみがえる―知られざる野菜と果物の底力―』(草思社刊)は,人は野菜や果実を食べるとなぜ元気になるんだろう。体にやさしく沁み込んでいく,この「生命力」は何なのか…。その知られざるチカラの秘密と,人間の健康との関わりについてを,「抗酸化力」「免疫力」「解毒力」など、野菜と果物の美容・健康パワーとおいしさの秘密を,植物の起源や最新の栄養学的知見,伝統食の知恵などからやさしく解説した本です。
- 八木宏典監修『知識ゼロからの現代農業入門』(家の光協会)は,農業とはどのような産業なのか,農業の特質と関連する制度,日本農業のこれからの役割,今後の可能性等について分かりやすく解説され,予備知識がなくてもすぐに学べる農業入門書です。
- 稲垣栄洋著『トマトはどうして赤いのか? 身近な野菜を科学する』(東京堂出版)は,近年,野菜ブームといわれ野菜に関心が高まりつつある中,身近な野菜の知らざれるミステリーに迫り,野菜ソムリエも知らない野菜の面白さ楽しさの魅力を科学的にやさしく解説されています。
- 村上圭一・藤原俊六郎著『鶏糞を使いこなす』(農文協)は,堆肥が高騰する中安価に購入できるものの臭いがきつい・施肥したら野菜が枯れる等のマイナスイメージが強い,身近な価格でホームセンターで入手できる窒素成分が3~5%と高いだけでなく,リン酸やカルシウムにも富む鶏糞を,作物栽培に上手に活かしていくためのポイントを紹介しています。
- 本橋 登監修『野菜の教科書/野菜で作る家庭薬』(主婦の友社)は,キャベツ・たまねぎ・じゃがいも・トマト・なす・ゴーヤ・かぼちゃ・ニンニク・にんじん・さつまいも・山いも・れんこん・ショウガ・大根・長ねぎ・もやし・シイタケの17種類の野菜等の持つ栄養素や効用を生かして,自宅の台所で簡単に作る事ができる家庭薬としての調理法を紹介しており,症状別索引からの逆引き検索も便利で,Xが買い求めてきた書です。
- 坂元利隆著『新版 こんなときどうする野菜づくり百科』(家の光協会)は,野菜づくりカレンダー12カ月,野菜63種のつくり方・野菜づくりの基本技術Q&Aで,野菜のつくり方や,苗や肥料などの基本技術について「枯れそう」「うまく育たない」などの疑問・悩みについて丁寧に回答。いつ何の作業をすればよいかがひと目でわかる栽培カレンダー付きの本です。
- 河名秀郎著『野菜の裏側─本当に安全でおいしい野菜の選び方』(東洋経済新報社刊)は,日本は世界第2位の農薬大国、肥料は完全に盲点。農薬、肥料の毒にオカサレタ今の野菜は,非常に不自然な状態で栽培されているとしての視点から,不自然な野菜を食べて果たして健康は維持できるのかと問い,本物の野菜に選び方,どんな食べ方から自然な体・健康を得られるかの答えが。
- 永田照喜冶監修『決定版!永田農法の野菜づくり事典』(主婦と生活社)は,郷里の天草で農業に従事する著者が,独自の研究・工夫の末に独創的な「永田農法」を確立し,現在、世界的な農業指導者として、海外でも注目され、各地で指導・講演を行ない,同農法の家庭菜園向けの普及活動にも力を注いでおられるが,同農法での野菜全50種のつくり方を紹介掲載。
- 木嶋利男監修『野菜の品質・収量アップ 連作のすすめ』(家の光協会)は,これまでの教えでは,野菜を連作すると栄養障害や病害虫の連作障害が発生するので輪作を勧められていますが,本書では,野菜は連作を重ねるほど生産は安定し,品質は向上,収量もアップする。その科学的根拠を詳しく解説し,農薬や化学肥料に頼らない連作技術や,野菜別の事例,自家採取や保存方法などもあわせて紹介されています。
- 週刊ダイヤモンド&嶺竜一著『農を楽しくする人たち─家庭菜園から新ビジネス』(ダイヤモンド社)は,日本の農業が危ないといわれ,農業就業人口は5年間で74万人=22.4%も減少しています。その一方で農業ブームが起き,貸し農園や体験農園で家庭栽培を楽しむ家族で大賑わい,そのギャップは何か?。耕し方・売り方・経営の仕方で農業はもっと面白くなる。家庭農園,新農法から生産法人,企業参入まで,新しい農業にとりくむケースを集約紹介されています。
- 監修 根本久 『イラスト 基本からわかる病害虫の予防と対策』(家の光協会)は,家庭菜園での応用生態学からみた病害虫の基礎知識から,栽培のプロセスに沿った防除法,家庭菜園で発生しやすい病気や害虫の種類,植物別の被害の特徴と対策に関し,農薬に頼らなくても,さまざまな栽培の工夫により被害を防ぐことができることをイラストを使い分かりやすく紹介されています。
- 『米ヌカを使いこなす─雑草防除・食味向上のしくみと実際─』(農文協)は,農家の自給資材で除草,食味向上を実現。ボカシ肥,秋・春施用,緑肥,半不耕起栽培で土着菌を強化すればさらに効果が高まる。効果のしくみ,安定的で省力的な施用法・時期・量など,田畑での米ヌカ活用のすべてを。なお第7章では,畑での施用と実践例として,.トマトのセンチュウ害が激減・.水につかったハクサイが出荷できた・.タマネギ,スイカの食味アップ・..表面施用でニラの病害虫,雑草抑制が紹介されています。
- 根本久・善林六朗監修『予防と対策! 野菜・草花・果樹・庭木の病害虫がわかる本』(成美堂出版)は,一般家庭で多く栽培されている植物を中心に,それぞれの病害虫の特徴や対処法が紹介されており,植物別,病害虫別それぞれから引けるように構成されており,Part1では,病害虫のサインや,病害虫が発生しにくい環境づくりについて。Part2では,植物別にかかりやすい病害虫を。Part3では,発生しやすい場所別に,病気について。Part4では,発生しやすい場所や,加害のタイプ別に,害虫について解説されています。Part5では,農薬に頼らない,環境にやさしい病害虫対策について。巻末には,農薬を使用する場合の注意点についてが記載してあります。
- 坂井健吉著『ものと人間の文化史 さつまいも』(法政大学出版局)は,歴史は飢えと貧困の歴史でもあり,飢餓に苦しむ時代にあって庶民の生活を支えてきた,さつまいもの栽培の起源と伝播経路を跡づけるとともに、わが国伝来後400年の経緯をたどり、世界に冠たる育種と栽培・利用法を築いた人々の知られざる足跡を=誕生,伝播,どのような作物か,品種改良,栽培法,民間篤農家の多収栽培法,利用,まつわる逸話の8編から記されています。
- 八木晟監修『植物エキスで防ぐ病気と害虫 つくり方と使い方』(農文協)は,「できることなら農薬は使いたくない」・「作物が元気になるだけではなくて,畑に立つ自分自身のの健康志向を!」との家庭菜園主向けに,身近な植物から抽出したエキスを使う方法について,植物が秘めている力,効果の高い植物の選び方・採取方法と組み会わせ方,エキスの抽出の仕方,使い方について紹介した書で,監修者は,漢方生薬とその病害虫への応用を大学で研究しておられる八木晟先生です。
- 半田喜久美著『寛永七年刊和歌食物本草現代語訳: 江戸時代に学ぶ食養生』(源草社)は,江戸時代初期に中国の本草書から得た知識をもとに医者・儒学者が和歌のかたちで詠み書かれた食物本草書『和歌食物本草』(寛永七年刊=1630年)の現代語による解釈であり,多種多様な食物の効能と禁忌を解説。現代人も目をひかるばかりの食養生への江戸時代の人々の深い思いにも触れることができ,和歌/読み下し文/現代語解説と関連コラムで構成されています。
- 古賀綱行著『自然農薬で防ぐ病気と害虫─家庭菜園・プロの手ほどき─』(農文協)は,著者が,熊本で化学農薬や化学肥料を用いず,身近にある自然の材料で自然農薬をつくり野菜をつくってこられており,この本には,春夏秋冬の身近な素材で自然農薬40数種のつくり方使い方が紹介。病害虫と上手につきあう無農薬栽培の手引書です。
- 野菜だより編集部編『自然農法で野菜づくり』(学研パブリッシング)は,家庭菜園で無農薬栽培を目指す者にとっての終局の目標である農薬や化成肥料を使わないことはいうまでもなく,極力自然の力だけで野菜を育てるのが自然農法。「耕さない・持ち込まない・草や虫を敵にしない」を基本にし,人間は植物の育つのを助ける栽培法,自然農法で野菜をつくるハウツー書。
- 『有機・無農薬 病虫害なしの野菜づくり増補改訂版』(学研パブリッシング)は,野菜づくりブームの中,家庭菜園での最大の悩みは病虫害対策。「農薬は使いたくない」という多くの声に応え,実際に「効いた!」という実例を中心に,自然の力でこれを防ぐノウハウを「今日からできる!病虫害対策のとっておきアイデア」多数収録し,病虫害の出にくい畑づくりの方法を増補した改訂版。
- 『農家か教える加工・保存・貯蔵の知恵』(農文協)は,家庭菜園で収穫した野菜の上手な保存法・貯蔵法について,甘味やうま味を増す古今東西の伝統的な方法や知恵を集めて紹介されています。
- 『有機・無農薬でできる 雑草を活かす!手間なし ぐうたら農法』(学研パブリッシング)は,有機無農薬の家庭菜園をやっている人にとって,土づくりと病虫害対策は,もっとも関心あるテーマ。この「ぐうたら農法」なら,やっかいものと見なされている雑草を活かすことによって,手間をかけずに土を肥やし,病虫害を抑え,おいしい野菜がつくれますとありましたが,さてさて,皆さんには同書のような手を抜き愛情を注ぐ農法ができますことやら。
- 金子美登著『有機・無農薬でできる はじめての家庭菜園』(成美堂出版)は,「家庭菜園を有機栽培でやりたい!」との願望を持つ家庭菜園主は多いのでは。本書では有機栽培の方法を各野菜の育て方はもちろん腐葉土、堆肥のつくり方、農薬を使わない害虫・雑草の対策方法など基本の情報をはじめての人にもわかりやすく紹介されています。
- 米山伸吾・木村裕共著『新版家庭菜園の病気と害虫─見分け方と防ぎ方─』(農文協)は,ベストセラーの改定新版で38種の野菜別に一目でわかるように病害虫をカラー写真と診断イラストで解説。防除法は、野菜別に播種から収穫までの防除適期と防除ポイント,農薬の選択まで解説してあります。また,各病害虫の発生生態と伝染ルートをイラストで紹介・解説されており,病害虫防除の基礎知識までていねいに案内した「病害虫の見分け方と防ぎ方」の決定版。
- 金子美登著『イラストでわかる有機自給菜園』(家の光協会)は,安心・安全で,そして美味しい有機・無農薬栽培での野菜づくり,土づくり,堆肥づくりから自家採種,エネルギー自給まで。埼玉県小川町のカリスマ有機農家が長年の経験から培ってきた匠のワザを,わかりやすいイラストを交えて紹介しています。
- 後藤逸男 監修『イラスト 基本からわかる土と肥料の作り方・使い方』(家の光協会)は,全国土の会の会長である監修者のもとで,野菜や花を育てるための土は何からできているのか。土の状態を確かめるにはどうしたらよいかなど,土に関する基本的な知識と,作物の生育に欠かせない肥料について,イラストを使ってわかりやすく解説されています。
- 青木恒男著『青木流 野菜のシンプル栽培 ─ムダを省いて手取りが増える─』(農文協)は,専業農家で『現代農業』に連載「常識を疑うと─農業はまだまだ儲かる」を執筆している著者が,肥料は作物が必要なときに必要なだけ=元肥不要!,不耕起で水はけ・水もちのよい土に=耕起不要!,土つくりは畑にある作物・雑草を活かす=堆肥不要!,農薬に頼らず、病害虫は観察と生態を見極めて防ぐ=農薬不要!……など、常識にとらわれない野菜のシンプル栽培の着眼点が紹介されています。
- 川上康介著『五感で学べ』((株)オレンジページ)は,鹿児島県出身のジャーナリストの著者が滋賀県糊南市にある男子限定・全寮制の「タキイ研究農場付属園芸専門学校」(体重は確実に20㎏減量し,常に駆け足,5分前行動が原則で自衛隊よりも厳しいと言われる)での,本科生(1年)・専攻科生(2年)と,一年間の衣食住を共にする中,日本農業の未来を開拓するため“農業学”を汗して学ぶため日本各地から集まってきた若者達の姿を描いてています。
- 藤田 智著『NHK趣味の園芸 やさいの時間藤田智の 野菜づくり徹底Q&A』(日本放送出版協会)は,野菜を育てていると,次から次にギモンや悩みが生まれます。本書は,栽培&収穫編・プランニング&資材編・土づくり&資料編・病害虫&農薬編・資料&データ編からなり,皆さんの「野菜づくりに関するなぜ?の疑問や悩み」をスッキリ解消・解決し,対策を教えてくれる野菜づくりの強力な助っ人書。
- 中村好男編著『ミミズのはたらき』(創森社)は,先人によって「大地の腸」・「自然の鍬」とも呼ばれている土壌生物のミミズ。近年,農業・環境の両面で有用性が見直されており,安心な作物を作るために役立つミミズの真価と可能性を,土を耕す・肥やす「地球の虫」として,ミミズの素顔とはたらき・農業を支えるミミズの底力・ミミズは環境保全の立役者の3部からわかりやすく紹介されています。
- 『家庭菜園レベルアップ教室』(農文協)は,野菜の研究者が,野菜が生長過程で今,何を欲しがっているのか,野菜の声が聞こえるようにと願い,生育診断・対処法を図解で解説・伝授した葉菜・果菜・根菜に分かれた10巻の書です。
- 『根も葉もあって“み”になる本 (これ食べて健康!!)』(下野新聞社)は,書名が気になり手に取った同書は,集録野菜は10種と少ないが,生活習慣病に効果が期待されているニガウリ・ダッタンソバ・ステビア・ヤーコン・アシタバ・サトウキビ・アマランサス・ブルーベリー・ウコン・シソの栽培,料理方法に加え,種苗の入手方法が解説されています。
- 帯津良一・検見崎聡美共著
『病気にならない食べ物事典-粗食が自然治癒力を高める』(PHP文庫)は,帯津三敬病院名誉院長の帯津良一と,料理研究家で管理栄養士の検見崎聡美の共著で,生活習慣病は食事が原因だった! 病気を予防する野菜,魚介類など旬の食材の効能と1週間分の簡単レシピを紹介したもので,台所向け。
- 金子美登/監修 野口勲/監修
『有機・無農薬 家庭菜園 ご当地ふるさと野菜の育て方』(成美堂出版)は,色や形が個性的でおいしい! 日本各地で守られ栽培されてきたご当地野菜+いまどき野菜78種。種まきから収穫・種とりまでわかりやすく解説されており,堆肥・腐葉土・ぼかし肥づくりも紹介されています。
- 『野菜まるごと大図鑑』(主婦の友社)は,お馴染みの120種の野菜の栄養成分から美味しい料理のレシピ,そして家庭菜園での栽培方法まで知る!食べる!育てる!が一冊の本に網羅されています。栽培のポイント及び科名・主な旬・エネルギー,賢い保存方法は,重宝します。
- 八木宏典監修『プロが教える農業のすべてがわかる本』(ナツメ社)は, 広い意味での我が国の農業の現状をまとめた本で,農業の概要を知識として学べ,農業の全体像を把握でき,2010年発行で,比較的に新しい話題が紹介されており,農業に関する辞書としても活用できます。
- 神山安雄,小西史明,渡辺啓巳著
『農業に就く! 農業に必要な技術・資金・土地のしくみ』(秀和システム)は, 新しく農業の仕事に就きたい人,既に就農している人の知りたいことがよくわかる農業の入門書。農業への関心が高まり,就農希望者が増えている,実際に農業を始めるためのノウハウを知らない人も多くいます。本書では,全国新規就農相談センターの就農促進対策や相談活動に関わってきた著者が,農業経営の新規参入法や農業法人への就職方法などを解説。
- 筑波君枝著『最新 農業ビジネスがよ~くわかる本』(秀和システム)は,日本の農業と食の最新情報を豊富な図表とイラストでやさしく解説した入門書。「きつい,汚い,危険」といわれいた農業が,やり方しだいでは儲かる職業であると見直され,「農業」に新たな期待を寄せる声が増えている。本書では,日本の農業と食生活の問題点,農業体験や就農,起農のヒント,ライフスタイルとしての農業,農の将来と多様な可能性,農と食を応援する農的暮らしを解説。
- 『「食」と農業レファレンスブック』(日外アソシエーツ)は,平成2年~平成21年に刊行された、「食」と農業・畜産業・水産業に関する参考図書2,598点を細かな分類のもとに一覧できるレファレンスブックです。統計集,ハンドブック,年鑑・白書,名簿,事典,法令集,辞典,カタログ・目録,書誌,図鑑などを収録してあり,すべての図書に内容情報を記載。「書名索引」「著編者名索引」「事項名索引」付きです。
- 吉津耕一著『定年になったら農業をやろう─大地と空といい汗を─』(オーエス出版社)は,定年後に農業で生計を立てよう,あわよくば儲けてみたいなどとの考えは大間違い。希望的観測や楽観論だけでなく,現在の農業や農村の現状について,ありのままを紹介した本です。
- 徳江千代子監修『野菜と果物を「安心」して食べる知恵』(二見書房)は,200種以上の旬の野菜と果物を掲載。野菜と果物を安全に食べるための方法を追求し,すべての野菜と果物で,“安全POINT”として,残留農薬などの毒の抜き方を紹介。野菜と果物の栄養・薬効・効果的な食べ方,有害物質の排除方法,適切な保存法などをコンパクトにまとめた本です。
- 家庭菜園検定員会編『野菜づくり虎の巻』(家の光協会)は,37種の野菜ごとの原産地や特徴を解説し,栽培のポイントを紹介し,家庭菜園を楽しむための本で,家庭菜園検定の参考テキストです。
- 『自然農薬のつくり方と使い方』(農文協)は,化学農薬を使わない身の周りにある植物エキス・木酢エキス・発酵エキスという自然農薬での無農薬栽培をイラスト入りで紹介した本です。
- 吉田企世子監修『春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典』改訂版(エクスナレッジムック)は,200種の季節ごとの野菜が掲載され,野菜の栄養素や主な効用・調理と組み合わせのコツ・得する選び方と保存方法が掲載されており,いっぱい収穫した野菜のご近所へのおすそ分けの際のウンチクの参考になる本です。
- 『自家採種ハンドブック─「たねとりくらぶ」を始よう─』(現代書館)は,原本はオーストラリアで出版され,日本向けに全面的に加除。在来種を保存するため,それを作り続け,食べ続ける人がいることが重要だという観点で,日本で日常目にする野菜150種の栽培,採種・保存法や種にまつわるエピソードを掲載し,誰にでもできる採種法を紹介した本です。
- 齊藤訓之監修『農業をはじめたい人の本』(成美堂出版)は,農業をはじめるために,農業を取り巻く現状,野菜・果樹を栽培する,米を栽培する,農薬を知る,農業生産法人を知る,農業を経営する,農産物を販売するの8章だてで,農業をはじめる前に知りたいことから,はじめた後に気になることまで,1冊で農業最新事情を完全網羅した本です。
- 竹森まりえ箸『農家のためのインターネット活用術』(創森社)は,全国の農家を回り,各農家の農業経営に合ったWebサイトを一緒に考え,作成していったことをベースに,農家のためのWebサイト作成のノウハウについて優しく照会した,自分農業PRのための図書です。
- 『家庭菜園Q&A』─300の悩みをこれで解決!─は,家の光5月号の付録です。基礎編と栽培編から構成されており,初めて挑戦する野菜栽培等について,図表・写真に加え作型表も掲載されており,付録とはいえ最適の入門書です。
- 井原英子著『はじめよう野菜づくり』(学研)は,井原女史の農業に取り組むパワーと,女性ならでわの優しい家庭菜園づくりの各種アイデアが詰まった本です。
- 加藤義松著『ビジュアル版 野菜づくり名人の知恵袋』(講談社)は,農家直伝のうたい文句のとおり定番野菜50種の失敗しない栽培のコツがわかる本です。
- 久保田豊和著『暦に学ぶ野菜づくりの知恵 畑仕事の十二カ月』(家の光協会)を読んで,旧暦(太陰太陽暦/現在は新暦=太陽暦)にも関心を持つようになりました。皆さんも,農事暦の原点である二至二分八節(二至=冬至と夏至,二分=春分と秋分,八節=二至+二分+立春・立夏・立秋・立冬)と更に細分化された二十四節気を学んでみられませんか?「暦のうえで」を理解できるようになりますよ。
- 藤田智・加藤義松監修の『やさしい家庭菜園』(家の光協会)は,近所への野菜おすそわけの際にXYLは,同書を持参し,カラー頁で「この野菜は……」と講釈にも利用しています。
- 漫画家でもあるよだひでき先生の『まんがでわかる野菜づくりのコツ』等は,ご自身の農業経験からのポイントを,判りやすいマンガ(イラスト)で解説されており,本当に見て・読んで楽しめる判りやすい図書です。また先生のブログ「よだひできの農天記」は,農作業で汗をかいた後の一服の涼風となる楽しいブログです。
- 瀬戸正徳著『園芸全集』は,市立図書館の蔵書ではありませんが,今は亡き母が昭和62年,ご近所の高齢者仲間と中央公民館の「高齢者大学いきいき園芸教室」受講時に講師著の本を購入した図書。鹿児島を中心とした野菜栽培の参考となるため遺品として手元に置いて読んでいます。
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1日350gの野菜で健康維持 食卓に野菜を 盛り盛り
食生活改善グループの皆さんが提唱されている『1日350gの野菜で健康維持』に関し,市民福祉部市民健康課から,平成26年9月上旬,各世帯に,食卓に野菜を 盛り盛り みんなで目指そう元気モリモリ スローガン『1日350gの野菜で健康維持』,大地の恵み!旬の野菜はおいしくて元気の源!─野菜の大きなチカラが健康を守ります!─のチラシが配付され,野菜の大きなチカラとしては,次の事項が右下のイラスト等が添えられ紹介されていました。
また,同印刷物の末尾には,私たち家庭菜園を楽しむ者の共通の願いでもあります「タネまき,水やり,収穫などの作業を通じて,楽しみながら野菜に興味を持ってもらいましょう」の一言と,薩摩川内市の代表的四季の野菜が元気野菜として紹介・記載されていました。
●がんを予防します(野菜の色に力がある!)
野菜に含まれる抗酸化物質が活性酸素を除去してくれるため,がんの予防にも効果的な働きをします。
ビタミン・ミネラル・食物繊維などすべての栄養素が予防の働きをします。
●免疫力を高めます
腸の健康を保ち,ウイルスや病気から体を守ります!(便秘予防・美肌)ストレスから体を守る栄養素が豊富です。夏の暑さ・冬の寒さから体を守ります!
●糖尿病・高血圧など生活習慣病を予防します
血糖値の急激な上昇を防く,余分なコレステロールや塩分を体外へ排出する,血圧上昇を防くなど大事な働きをします。
●肥満を予防します
たまねぎやねぎ・にら・にんにく・らっきょうなどに含まれるアリシンは,代謝を促し,体脂肪の分解にも大切な栄養素です。
健康のために,成人の野菜摂取量の目標は1日350gとされています。
※野菜の成分の様々な効能が発見されていますが,野菜そのものを食べてこそ効能を発揮します。
体の自然治癒力を引き出す野菜の食べ方(食養生)
◆春夏秋冬,旬の野菜を食べる!
●大自然の風雨に耐えて育った旬の野菜は,強い生命力を持っています。
●その季節の栽培に適しているため,鮮度・味がよく,栄養価も高いのです!
◆彩りよく食べる!
赤・黄・青(緑)・白・黒など色によって含まれる栄養素は様々。色とりどりの野菜を食べるようにすると,自然と栄養のバランスが整います。食事に迷った場合は,食べた野菜の色を思い出し,足りない色を補うようにしてみましょう。
料理の五行説
●五味=五味(酸味・辛味・甘味・苦味・塩味)がそろうと,食事が最後まで飽きずに美味しく食べられるとされています。
●五色=辛味の白は清潔感,塩味の黒は引き締め,苦味の黄と辛味の赤は食欲増進,酸味の青は安心感を表す色と考えられています。
●五感=視角・聴覚・臭覚・触覚・味覚の五感のことです。
●五法=なま,煮る,揚げる,焼く,蒸すの五つの方法による調理のこと
野菜モリモリ食べよう 薩摩川内市がベジライフ宣言 「1日350㌘目標」
薩摩川内市は,市民にもっと野菜を食べてもらい,生活習慣病予防に役立てようと,啓発活動を進めている。普及を図るため3日,同市国際交流センターでイベントを開き,「350(さんごーまる)べジライフ」宣言をした。「350」とは,厚生労働省の健康づくり計画「健康日本21」で提唱する,成人1日当たりの野菜摂取量の目標グラム。これに市独自でベジタブルライフ(野菜生活)を略した「べジライフ」を加えた。
市民健康謀によると,同市の脳卒中での死亡率は県平均や全国平均よりも高く,高血圧や脂質異常のある人が多い。野菜の摂取量が少ないことが一因とされる。2012年度に市民を対象に実施した調査では,野菜を毎日食べている人は51.3%。20~40代では50%に満たなかった。
ベジライフ宣言には,野菜を毎日350㌘食べることのほか,「地元でとれた旬の野菜を,さまざまな調理法でおいしく食べる」「農家と消費者が交流しながら,地元の野菜を広める」など5項目を掲げた。350㌘の目安として,市は,野菜の小鉢やサラダ,具だくさんのみそ汁のいずれかを1日3回,大皿の野菜妙めや煮物を1回食べることを勧める。
小中学生らと宣言文を読み上げた岩切秀雄市長は「市民の皆さまと一緒に運動を展開していきたい」とあいさつ。地元物産の販売や野菜と健康についての講演もあり,市民ら約450人が参加した。
平成28年9月8日(木)/南日本新聞
地元産を利用 野菜食に舌鼓
「野菜の日」の8月31日,薩摩川内市は各地でイベントを開き,野菜食の推進を訴えた。市内約40の企業,団体が参加した。
同市入来の朝陽地区コミュニティセンターでは,食生活改善推進員らが,地元産の野菜7,8種類を使った具だくさんのスープや天ぷら,おにぎりなどを振る舞い,住居ら約30人が舌鼓を打った。
昨年から市が推進する,1日に350㌘野菜を食べる「350ペジライフ宣言」の概要や,野菜の栽培方法についての紹介もあった。食生活改善推進員の宮園典子さん(76)は「具だくさんにすることで薄味でも野菜のうまみが楽しめる。地元産の安心安全な野菜を食べて」と話した。
このほか,飲食店が野菜を使った限定メニューを提供。スーパーマーケットでの試食販売,勉強会などがあった。
平成29年9月6日(水)/南日本新聞
食改編『わが家の自慢料理レシピ集』 ―野菜をふんだんに使った―
川内地区食生活改善推進協議会(略して「食改」)が,設立50周年を迎え,記念誌『わが家の自慢料理』レシピ集(右写真)を発行され,隣人で同会員のM姉さんから「ロードマンさんから何時も新鮮な野菜を頂いているお礼に」と,同記念誌を平成30年4月末,小菜園まで届けて頂きました。
現役時代,社会教育課で食改グル-プの調理実習室の確保や,地婦連解体後の女団連メンバーとしての同会の活動を見守ってきたことから,同会員がご自身並びにご家族の食生活改善の域を脱し,地域にますます溶け込んだ活動を,設立50周年を機に希求するものです。
同レシピ集には,次の72点のレシピが分量・作り方・注意点メモがカラー写真入りで紹介されています。
主食(7点)=油ゾーメン,炒り大豆の炊き込みご飯,枝豆の卵とじ丼,お雑煮,炊き込みご飯,ちまき飯,子どもや高齢者にやさしい大根カレー
主菜(24点)=みようがの豚肉巻き,揚げさばのおろし和え,カラフル卵焼き,きびなごの南蛮漬け,くるくる3色ロール,ごぼうと豚肉の卵とじ,ささみの焼き南蛮漬け,シーチキン入りオムレツ,ズッキーニと厚揚げのチーズ焼き,豆腐と新生妻のチャンプル,大根とひき肉のピリ辛炒め煮,卵焼き,ちくわと人参のかき揚げ,つけあげ,とうふハンバーグオリーブ油焼き,トーフ炒め,鶏のもも肉薬味しょうゆ,鶏むね肉の味噌マヨ焼き,鶏もも肉とトマトの酢しょうゆ炒め,豚巻きプロツコリー,ヘルスバーグ,まろやかゴーヤチャンプル,ミートローフ,我が家のイタリアン鍋
副菜(31点)=にがごりのかば焼き,厚揚げとさつまいもの梅みそツナサラダ,田舎煮しめ,オクラのごまみそ和え,がね,かぶのひき肉あんかけ,キャベツ入り春巻き,キャベツの温サラダ,切干大根の炒り煮,きんかん入りおからサラダ,紅白なます,小松菜としめじのおひたし,ごろごろサラダ,さきするめのりんご酢和え,里芋の田楽,白酢ソースかけ,肉入りきんぴらごぼう,煮なます,ピーマンの生妻じょうゆ炒め,花野菜のおからめんたいサラダ,ひじきと大豆・ツナのポン酢和え,ほうれん草とえのきのおひたし,ほうれん草のおひたし,ほうれん草の白和え,ポテトサラダ,れんこんの五色きんぴら,ワカメと野菜の中華風あえもの,割り干し大根の煮物,きゅうりの甘酢漬け,きゅうりのわさび漬け,新しょうがの佃煮
汁物(7点)=猪汁,かぼちゃのポタージュ,きびなごときらすのおつけ,具だくさんの野菜スープ,せん切り野菜のスープ,だごじゅい,さつまいもでん粉の団子汁(せんのびっち)
菓子(3点)=からいも焼き団子,じゃがいももち,ミルクくずもち
『広報薩摩川内』令和元年8月号 表紙(右写真)は,8月31日が野菜の日ということもあり,夏野菜の定番ゴーヤーが表紙に採用されていました。栄養豊富で夏パテ防止効果もあり,本市の推奨品目にも指定されています。今月号には,野菜の日の特集記事があり,新コーナー「私のFood記」では,ゴーヤー料理が紹介されています。
人を育む野菜の恵み 8月31日は「野菜の日」
栄養たっぷりの野菜
ビタミン・ミネラル・食物繊維などがたくさん含まれている野菜。近年野菜を食べる人が減っていて,特に若い世代で不足しています。幼少期から野菜の大切さを知り,野菜を食べる習慣を身に付けることが,子どもたちの成長にもつながります。
野菜を1日350㌘食べよう
皆さんは野菜をどれだけ食べていますか。市では1日350㌘の野菜を食べることを推進しています。
350㌘といってもいったいどれくらいなのか,野菜と料理で比較します。生野菜だと「こんなにたくさん?」と感じる方もいるかもしれませんが,加熱調理することで効率的に野菜を摂取することができます。妙め物やスープなどは野菜をたくさん入れてみましょう。
野菜の日ってどんなことするの(平成30年度の取り組み)
野菜の日(8月31日)は,みんながいつもよりちょっと多く野菜を食べたり野菜に触れ合う日です。今年は8月30日と31日の2日間を野菜の日の活動期間としています。みんながどんな活動をしているか見てみましょう。
川内青年会議所の皆さん=みんなで野菜たっぷりランチを食べました。
地域子育て支援センター=子どもたちにも野菜や料理に触れてほしくて料理教室を開催しました。慣れない手付きでしたが,頑張って作った料理で野菜もいっぱい食べました。
亀山地区の皆さん=料理教室を開催しました。地元の野菜を使って皆でオリジナルメニュー「蒸し野菜の米粉クレープ巻き」を作りました。
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家庭菜園士の目指すもの
葉物の肥しは窒素(N),実物の肥しはリン酸(P),根物の肥しはカリ(K),そして土の酸性防止に種蒔き前の畑に苦土石灰を散布する程度の知識だけは,敗戦に伴い職業軍人であった父が,田舎に引き上げてき,食うために,しかたなしに慣れない農業に従事していた両親の手伝いの中から教わってはいましたが,定年退職を機に,亡き両親から引き継いだ隣の“小ざ園”に,家族三人が口にする季節ごとの野菜を作りたいとして新聞広告で見かけた日本園芸協会の『野菜づくり講座』を受講。テキストの精読に励みレポート提出に精出し2ヶ月後の平成21年9月には「美味・安全野菜栽培士」の資格を。
私が住む国分寺自治会(戦後:上目農事小組合=60世帯でスタート)は,元々が農業集落。周りには,今では現役引退で数少なくなりましたが,大正生まれのオンジョ(年配)農家や青年団の先輩農家がおられる中,畑を荒らさず,自己消費するだけの季節の野菜を無農薬でをメインとした家庭菜園士(野菜栽培士)です。
(社)日本通信教育振興協会認定「生涯学習奨励講座」の日本園芸協会の「やさいづくり講座」は,受講期間6カ月間で受講料は4万3千円。財務大臣であるXYLからは,4万円分の野菜や肥料代は大変な額と最初は小言を頂戴しましたが,同協会から送られてきた教材等は非常に懇切な内容で,「野菜講座/基礎編」・「同/栽培収穫編(根茎菜)」・「同編/果菜・根菜」・「家庭菜園編/販売編」の4冊のテキストからなっており,教材の進展に合わせて6回のレポート提出が義務付けられています。
レポートの提出結果については,同協会のホームページ上で,回答結果が到着する前に「マイページ」に付与されたパスワードで入室し,レポートへ回答すると即自己採点が可能となっており,60点以上が合格となっています。
テキスト1「野菜講座/基礎編」で,学習する中で楽しかったのは,種子の発芽年限や施肥法と畝立てでした。ここでマルチングについて学び,ニンニク・タマネギ栽培に実践しました。加えて改正JAS法と有機農法については,勉強させられました。
テキスト2「栽培収穫編/根茎菜」では,身近なキャベツ・ホウレンソウ・ハクサイ・シュンギクについて学習する中,珍しい野菜についても学ぶことができました。
テキスト3「栽培収穫編/果菜・根菜」では,8月上旬からの受講で,果菜は過ぎており根菜のダイコン・ニンジン・カブ・ジャガイモについて学ぶことができました。
テキスト4「家庭菜園編/販売編」では,栽培のローテーションと直販,ホームページ運営上の注意点についも触れられており,この点も,ロードマンが自分のホームページを立ち上げたいという刺激に。
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「林住期」
古代インドのバラモン教徒が生涯のうちに経過すべき住期として,バラモン教法典が規定する四つの段階で,①師のもとでベーダ聖典を学習する「学生期」,②家にあって子をもうけるとともに家庭内の祭式を主宰する「家住期」,③森に隠棲して修行する「林住期」,④一定の住所をもたず乞食遊行する「遊行期」の四住期を順次に経るとされ,各段階に厳格な義務が定められていました。
寿命が大幅に伸びた現代にあって,「学生期」は0~24歳,「家住期」は25~49歳,「林住期」は 50~74歳,「遊行期」は75~90歳に該当するのでは。
自分が本当にやりたかったことは何なのか問いかける時期が,だいたいこの「林住期」にさしかかった年齢の人だと言われ,時間を取りもどし,これまで蓄えてきた体力・気力・経験・能力・センスなど自分が磨いてきたものを,50歳を一区切りとし,それから始まる「後期高齢者」と呼ばれるまでの25年の「林住期」を土台に,第二・第三の人生を心ゆくまで生きるのが人間らしい生き方としてお勧めします。
「身土不二」
元々は仏教用語。“身”とは,私たち人間の体,つまり肉体のこと。“土”は生まれ育った土地のことを指し,“不二”は「二つではない(不可分である)」を意味します。即ち,「人間の体と,その人が暮らす大地とはわかちがたく結びついており、そこで収穫された農産物を食べてこそ、人は心身の調和を保って健やかに生きていくことができる」という考え方です。
この言葉が,日本で最初にお目見えしたのは,明治時代の軍医で栄養学者だった石塚左玄という人によって提唱された「食養道」(食事療法)が始まりのようです。
野菜だろうが果物だろうが人間だろうが,その土地からとれたものはすべてその土地に適したように生まれ育っていく。人間の生命活動も自然現象のひとつなのだから,「その土地で暮らす人間は,その土地でできたものを食するべきである」と,石塚左玄先生は説いておられ,ぜひ皆さんも自家菜園で生育・収穫した旬の野菜を食してみませんか。
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